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厳しい財政危機に直面した岸和田市では、平成13年2月、財政再建団体転落を避けるために「財政健全化3カ年アクションプラン」を策定。短期的な既存の事務事業の見直しによる歳出削減・歳入確保に努める一方で、長期的な視点でもって、まちづくりとざいせいの関係を市民とともに考える仕組みづくりとして、この「まちづくり・ざいせい岸和田委員会」を同年7月に発足させました。
まちづくり・ざいせい岸和田委員会は、総合計画や都市計画マスタープランの策定などにおいて、岸和田市では従来から取り組まれてきた市民参加方式を発展させ、市民自らが、スタートの段階からまちづくりの課題についてテーマを選定、ワークショップ方式により調査・研究・議論をし、その成果を市政に提言・提案していこうという新たな試みとなっています。一方、行政は岸和田委員会に対して積極的に情報公開と説明責任を果たし、提言や提案を最大限今後の行政運営に生かしていきます。
まちづくり・ざいせい岸和田委員会は、「教育と文化」、「健康と福祉」、「環境」、「安全・快適な都市的魅力」の4つのまちづくり部会に分かれ、公募による80数名の「市民委員」が中心となり、これに11名の「職員委員」が加わり、地域福祉やゴミ問題、施設の有効利用等について月1回会合をもち、活発な議論を展開してきました。発足当初は多くの参加者の様々な思いが錯綜し、役所や職員への痛烈な批判もあって、試行錯誤の連続でした。
しかし、発足以来、回を重ねるにつれて、だんだんと部会としての議論も深まり、活動開始から1年ごとに市民公開講座「七夕ミーティング」を主催、委員会活動の成果を市民のみなさんに広く発信するなどの実績を積み重ね、最終提言に向けて活動してきました。
そして平成16年4月5日、各部会の代表4人が、市長に最終報告書を提出しました。
まちづくりに関し行政が呼びかけ、市民主体で運営されてきた最初の試みであった「まちづくり・ざいせい岸和田委員会」は平成16年4月の最終報告会での報告をもって終了しました。
参加した市民の方は多種多様でしたが、「岸和田のまちを少しでも良くしたい」という想いでは一致していました、参加者の一人ひとりは3年間の活動を通して多くのことを学びましたが、その中でも特に「行政が身近になったこと」、人々の相互の「気付き」と「共感」の輪が大きく広がったことです。委員会の後半頃から、多様な活動をしている市民が情報の交換や活動の内容を出し合い、気軽に連携していける場があれば等と「まちづくり・ざいせい岸和田委員会」移行のことについて議論を進めてきました。
そこで平成16年4月から、およそ1年近くをかけてみんなで話し合いをした結果、多くの市民が、他の人々の意見や活動に共感・共鳴するための”出会い・交流の場”として、市民主体の「まちづくりネットワーク岸和田(愛称:まちネット)」が平成17年4月に発足しました。