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岸和田のまちづくり(まちを良くするためのさまざまな活動)を行っている皆さんに、活動を始めたきっかけなどをお聞きしました。
「まちづくり」というと難しく聞こえますが、決してそんなことはありません。
団体や個人、年齢、性別を問わず、岸和田のまちのために何か始めたい、また、新しい世界と繋がりたいと思っている人はいませんか。
できることから始めるためのヒントを、ぜひ見つけてください。
日常のお買物にお困りのエリアのお買物支援として、移動販売を実施されている大阪いずみ市民生活協同組合。岸和田市でも2019年12月から移動販売を開始しています。移動販売を担当されている店舗事業本部お買い物支援グループリーダーの若林正樹さんと、機関運営部広報・渉外グループリーダーの藤井三良さんのお二人にお話をお聞きしました。
▼大阪いずみ市民生活協同組合について
(藤井さん)
私達いずみ市民生協は、「くらしに笑顔をお届けします」を理念として事業や活動を進めています。
例えば「コープの夕食宅配」では、ご高齢の方を中心に月~金曜日に毎日夕食を届けることで、組合員のくらしを支える事業を行っています。
また、「フードドライブ」のとりくみでは、組合員の自宅で食べずに余った食料品をご提供いただき、ふーどばんくOSAKAにお渡しして、困っておられる方に役立ててもらっています。
その他に「とまとちゃん福祉基金」を設立しています。組合員から寄せられた募金や、取引先の企業からご協力いただきまして、子供達をサポートする団体を支援しています。
藤井三良さん
(若林さん)
2011年に河内長野市から声掛けがあり、そこに集まったいずみ市民生協、河内長野市に店舗のあるスーパーマーケット、コンビニエンスストアに対して、買い物に困っている人が多いので買い物の支援をしたい、買い物が出来る環境を作ってほしいと要望がありました。
若林正樹さん
1回目の話し合いでは、お客様の要望は「実際に商品を見て買いたい。」「商品を自分の目で見て買い物が出来る環境を作ってほしい。」というものでしたが、いずみ市民生協は主にトラックで予約された商品を届ける宅配業務と店舗形式の事業を行っていますので、そちらの利用を勧めました。スーパーマーケットはいずみ市民生協と同じ意見で、ネットショッピングが普及するまで待ってほしいと。また、コンビニエンスストアは、品揃えが違うので難しいということで終わりました。
その話し合いの後、北海道のコープさっぽろで移動販売の事業をしていたことが分かり、自分達にも出来るのではないかと思い当時のメンバーが半年間視察研修を行いました。その結果、河内長野市を1か所目として始めたのが私達のスタートになります。
(若林さん)
実店舗では物を売る側が「ありがとうございました。」「お買い上げいただいて有難うございます。」となるんですけど、この仕事は利用者が感謝の言葉を言ってくれると、移動販売の巡回担当者からよく聞きます。
買い物に困っている高齢者が多いので、今までは、タクシーで買い物に行ったとか、バスで買い物に行ったとか、それからバスの便が少ないので夏場であればアイスクリームや生魚が買えないという人達が、「商品を手に取って買えるから嬉しい。」と言ってくださいます。
これが一番大きな喜びにもなりますし、巡回して販売する担当者の励みにもなっています。
(若林さん)
移動販売をスタートした頃は、買い物に不便な地域が多かったですね。ただ、昔からそういった地域にお住いの人は不便にも慣れておられました。
今は、近所のスーパーマーケットが急に無くなって買い物の手段に困っている地域が多いと感じます。
(若林さん)
移動販売は母店とよばれるお店の商品を持っていくので、お店がないとトラックが準備できません。そのため、今ある店舗から1台ずつしか販売車を出せないのですが、この先販売地域を広げていくことは考えています。
今の販売地域が今後も続くかと言えば、そうとも限りません。引っ越しされたり、お子様たちと一緒にくらすことになったりして要らなくなる地域もありますので、次の新しい販売地域を探して巡回していきます。そういった中で、少しずつですが自治会さん同士の横の繋がりで声を掛けてもらっています。そうして要望のある地域を優先的に移動販売を広げていきたいと考えています。