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岸和田のまちづくり(まちを良くするためのさまざまな活動)を行っている皆さんに、活動を始めたきっかけなどをお聞きしました。
「まちづくり」というと難しく聞こえますが、決してそんなことはありません。
団体や個人、年齢、性別を問わず、岸和田のまちのために何か始めたい、また、新しい世界と繋がりたいと思っている人はいませんか。
できることから始めるためのヒントを、ぜひ見つけてください。
「NPO法人草の根福祉」代表の金野稔さんにお話をお聞きしました。
▼草の根福祉について
昔、母親が裁縫で針に糸を通すのによく苦労していて。その時は、なんでこんな簡単なことがと思っていたのですが、歳をとってくると、ちょっとしたことができなくなってきますよね。
例えば、ズボンを履けないという理由で、閉じこもってしまい、外出できない人がいるんです。でも、そういうちょっとしたことを助けてあげるだけで、人間は活動が増えるんですよ。
ここに来て、話をして、お茶を飲んで、困ったことを聞いてあげて。ちょっとしたことを助けてあげれたら、フレイル(加齢に伴う心身・生活機能の低下)の予防にもなる、動きも増えるのではないかと思って。駅前通り商店街の目立つ場所に、ちょっとでもコーヒーを飲んで集まってもらえたらと思って始めた訳です。
近所の人、知っている人がこの場に寄ってくれて、ニコニコ笑ってくれるのが一番うれしいです。
最近あったのは、新型コロナウィルス感染症関係の特別定額給付金が10万円出たときのことです。申請書を書いてあげたら、喜ばれたんです。そういうちょっとしたことを助けるということは、介護保険の制度の中にないんです。なので、ここに来くれば助かると言ってもらえるのも、うれしいです。
障害者や高齢者、分け隔てせず、ちょっとしたお困りごとをなんでも誰でも助けたいと思っています。
どんちゃかフェスティバルでチャリティバザーを行ったのですが、この話は、スタッフから出てきたんです。それで、少し寄附をさせてもらうことができました。
あと、障害のある人に2階で祭りを見せてあげるのが、ぼくの夢だったんです。それが、2019年の岸和田だんじり祭で実現し、すごく喜んでくれたときには、とてもうれしかったです。
あんまり意識していません。
そんな大げさなことは考えていなくて、とにかく喜んでもらえたらと思って活動しています。制度のはざまで、困っている人が多いので。
活動するスタッフ
ちょっとしたことを助けたいだけです。それが社会貢献になったらうれしいけど、あんまり考えていないですね。
ないです(笑)
ただ、みんなに喜ばれて、少しでも長く活動できるようにしたいと思っています。
実は、元々2年でやめるつもりだったのですが、みんなに続けてほしいという声をかけてもらいました。だから今は、なんとか続けることができるよう考えています。
みんなに喜ばれることをして、結果的に継続できたらいいなと思っています。継続は力なりと思っていますので。