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下水道は、皆さんの家庭や工場、飲食店などから排水された汚水を処理し、川や海の水質を守る役割を果たしています。もし、下水道が使えなくなったらどんなことが起きるでしょうか。きれいな下水道を維持するために私たちにできることは何なのか考えましょう。
問合せ 下水道整備課排水設備担当電話:072-423-9585 ファクス:072-423-3555
下水道施設は主に、家庭や工場、飲食店などから発生する汚水を下水処理場まで運ぶ排水管、一部自然勾配で流すことのできない地域の汚水を圧送するポンプ場、汚水を処理してきれいな水にする下水処理場から構成されています。汚水は、下図の工程で処理された後、河川や海域などの公共用水域に放流されます。
これは汚水と雨水を別々の排水管に流す「分流式下水道」の図です。市内には汚水と雨水を同じ排水管に流す「合流式下水道」の地域もあります。
家庭や工場、飲食店などから排出された汚水を処理して、快適な生活環境を確保します。
汚水を処理し、きれいにした水を川や海に放流することにより、その水質を改善し、保全します。
降った雨水を速やかに排除して、浸水からまちを守ります。
普段から当たり前のように使っている水洗トイレや水道水の排水ができなくなります。
下水処理せずに川や海に放流すると、川や海だけでなく、まちも汚れ、悪臭が広がるなど不衛生になります。
集中豪雨などが発生した場合、雨水が溢れ出し、まちが水浸しになってしまいます。
昨年、調理に使用された後の油脂が下水道へ流入し、冷えて固まり下水道管が詰まってしまう事故や、ポンプ場に鉱物性油が流入する事故が発生し、汚水処理を停止する事態となりました。また、自然勾配で流すことのできない汚水を圧送するためのマンホールポンプに、水に溶けない布類、紙類が流入し、圧送が停止する事故が今年発生しています。このような事故が起こると下水道が流れなくなり、生活に支障をきたします。
鉱物性油が流入したポンプ場
通常時のポンプ場
油脂で詰まった下水道管
水に溶けない布類、紙類が固まったマンホールポンプ
油脂塊が詰まって溢れ出した下水道マンホール
油脂塊が詰まって溢れ出した下水道マンホール
回収した油脂塊
冷えて固まると下水道管が詰まってしまうため、廃食油は紙で拭き取るか、固めて燃えるゴミで捨てましょう。
本市では、家庭の台所から出た廃食油の回収を実施しています。詳しくは市ホームページをご確認いただくか廃棄物対策課にお問い合わせください。
問合せ 廃棄物対策課減量推進担当電話:072-423-9465 ファクス:072-436-0418
トイレに流していい紙は原則トイレットペーパーのみです。ティッシュペーパーや紙おむつなどは水に溶けにくいので流さないでください。
排水管が傷んでしまうため、冷ましてから流しましょう。
マンホールなどにガソリンやシンナー、石油、アルコール類などの危険物は流さないでください。
グリース阻集器とは、排水中の油脂分を分離・貯留して宅内排水管や下水道管に流さないようにする装置のことです。グリース阻集器に流れ込んだ排水中の油脂分は、比重差によって水面に浮き、油脂分の少ない排水だけが宅内排水管に流れていきます。下水道管の詰まりを防ぐため、設置と清掃にご協力ください。
飲食店など食用油を使用している事業所では、適正な容量・構造を持ったグリース阻集器を設置し、清掃などの日常管理を十分に行ってください。清掃を怠ると、油脂分が流れ出て排水管を詰まらせ、敷地内の汚水ますから汚水が噴出し、異臭や害虫が発生する危険性があります。また、敷地内だけでなく、公共下水道管を詰まらせ、近隣の住環境に多大な影響を与える可能性もあります。
グリース阻集器清掃前
グリース阻集器清掃後
下水道施設維持管理業務受託業者 星光建設株式会社 前田さん
(1)マンホールふたを開けて…
(2)酸素・硫化水素濃度を計ります
(3)マンホール内に入り…
(4)マンホール内の油脂類を取り除きます
まちを美しくするためだけでなく、皆さんが普段から当たり前のように排出している生活排水を適切に処理するために、下水道の維持管理は欠かせません。もし下水道管が詰まってしまうと、復旧作業が終わるまで水洗トイレが使えないなど、生活面で非常に困ります。このような事故が起こらないよう、詰まりを防ぐために管理するのが私の仕事です。もちろん緊急連絡があれば、いつでも復旧作業を行います。作業後に近所の方に「ありがとう」や「ご苦労様」と一声掛けてもらえた時、皆さんの生活の安全・安心を守っている実感が湧きます。
下水道管が詰まる要因は油脂類や水に溶けにくい物など、様々なケースがあり対処が大変です。そこで皆さんにお願いです。油をシンクに流すことやトイレットペーパー以外の物をトイレに流すこと、業者の方などはセメントを流すことはしないでください。「自分だけだからいいだろう」「少しだけだから」という気持ちを捨てて、一人ひとりがきれいに維持しようと心掛けていただければ、より一層まちも美しく、暮らしも清潔になっていくと思います。