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広報きしわだ 令和5年(2023年)12月号10-11面

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2023年12月1日掲載

特集 あなたのまちの委託相談支援事業所
​障害がある人もない人も誰もが自分らしく安心して暮らせるまちに

市内を区画分けした地図
​相談は電話・来所訪問もOK!無料・秘密厳守

 令和3年10月から、市内の日常生活圏域に委託相談支援事業所を1カ所ずつ、計6カ所開設しています(上図)。身近な地域で、障害がある人やその家族への助言、障害福祉サービスの利用調整や援助など、地域での生活における総合的な相談・支援を行っています。お困りのことがあれば、居住地域を担当する委託相談支援事業所へご連絡ください。
 今号では、委託相談支援事業所の相談員の皆さんに、各事業所の特徴や障害のある人が住みやすいまちになるための地域づくりへの思いなどをお聞きしました。
問合せ 障害者支援課相談担当 電話:072-447-6078 ファクス:072-431-0580

利用できるのはどんな人?

本市在住の身体・知的・精神障害がある人とその家族、発達が気になるお子さんとその家族

どんな相談ができるの?

「障害福祉サービスって何?」「ひとりで生活したいけれど、どうしたらいい?」「市役所での手続きがわからないので教えてほしい」「一緒に窓口へ行ってほしい」「お金の管理が不安」「仕事の悩みを聞いてほしい」「同じような障害がある人の話を聞いてみたい」など。
※障害の状況により利用できない場合があります。

ええにしよようちらの岸和田(まち)を!

 この言葉をスローガンに掲げ、地域での相談に関するシステムづくりを話し合う「障害者自立支援協議会」に委託相談支援事業所も参画し、障害者などが自立した日常生活・社会生活を営むことができるよう取り組んでいます。

(1)岸和田北部地域(春木・城北・新条・大芝校区)
みらい相談支援センター

みらい相談支援センターの外観
春木旭町19-17
電話:080-9470-2344
ファクス:050-3142-9879
月~金曜日(祝日除く)
午前9時~午後5時半

みんなに安心してもらえる「未来」を届けたい

 「まずはその人が困っていることをしっかり聞いて、障害福祉サービスにつなげられるものがあれば、利用につながるようにお手伝いします。最近、多いのはいわゆる『8050問題』。親御さんが高齢で、ひきこもりのお子さんを心配して相談に来られるケースです。ご家族から相談を受けても、本人の心の準備がまだできていないといった場合もたくさんあるので、時間をかけて解決に向けて支援していきます。本人へのアプローチはもちろんですが、親御さんに対して「悩みを聞いてくれる人がいるよ」「一人で抱え込まなくてもいいんだよ」と寄り添うことが大切です。
 また、障害福祉サービスだけでは解決に向けて進められない人もいます。話を聞いていくと、定期通院できていないという人も多いんです。私たちは訪問看護ステーションを併設しているので、医療面での支援と連携が取りやすいのが強みです。」

話している姿の女性二人
​相談員の西之坊さん(左)と栗林さん(右)。「自分の思いをすべて言語化できる人ばかりではありません。一人一人とじっくり向き合って、ひとつずつ悩みを引き出していきたい」と西之坊さん

(2)久米田地域(八木・八木北・八木南・山直北校区)
OKハウス小松里

OKハウス小松里と書かれた看板と入口
小松里町2064 MKビル102号
電話:072-441-7752
ファクス:072-441-7753
月~金曜日(祝日除く)
午前9時~午後5時半

地域に根差した、力強く頼れる存在に

 「精神障害がある人の相談が多く、就労支援の相談や親御さんからのひきこもりの相談、最近では育児支援、難病支援、子育ての仕方がわからない、などといった相談も増えています。
 素早い対応を心掛けていて、電話だけでなく、時には訪問するなど、じっくり話を聞いて寄り添うようにしています。「なにかあった時はОKハウスに相談したらいい」「相談できるところがある」と思ってもらうことが大切。常に相談者さんが孤立することがないように心掛けています。
 委託相談支援事業所が担っている役割は、障害がある人もない人も誰もが地域で安心して生活できるように支援することです。地域社会とつながり、新しい社会資源を地域と協働してつくることで支援体制を整えていく。地域を耕していくこともこれからの大切な役割だと思っています。」

青いポロシャツを着た笑顔の女性二人
​相談員の信貴さん(右)と吉田さん(左)。「できるだけ前向きに!そして笑顔を大切にしています」と信貴さん

(3)都市中核地域(中央・朝陽・東光・大宮校区)
相談センター社協のだ

野田町1丁目5-5
電話:072-468-7110
ファクス:072-431-1500
月~金曜日(祝日除く)
​午前9時~午後5時半

岸和田からバリアをなくしたい

 「相談内容は、障害福祉サービスの申請から個別支援計画の相談員探し、医療機関の紹介、8050問題、就労支援など様々です。「社協のだ」は社会福祉協議会の中にあるので、障害福祉サービスの相談だけでなく、介護、生活困窮、権利擁護・成年後見など、ワンストップで対応できるのが強みです。
 先日、視覚障害がある人の相談に伺いました。その人に言われたのが「岸和田駅前商店街に点字ブロックがない」ということ。言われてみると確かに、日々生活する中で点字ブロックがすごく少ないように思いました。学校に車いすの子どもが使えるトイレがなかったり、飲食店も然り。障害のある人が自立して生活できる、何不自由なく暮らしていけるまちの実現にはまだまだ課題が多いと思います。
 相談者との対話から地域の課題を掘り起こしていく。委託相談支援事業所は、相談業務だけではなく、そういう役割も大きいと思っています。」
男性が話す様子
​飄々としたなかにも熱さが垣間見える相談員の中さん

(4)岸和田中部地域(光明・常盤・八木南・城内・浜校区)
自立生活センター・いこらー

建物の入口
中北町7-21
電話:072-493-7378
ファクス:072-493-8278
月~金曜日(祝日除く)
午前10時~午後6時

泉州地域を自立障害者の住みやすいまちに

 「地域で生きる自立障害者を増やすことが、地域を変えていく第一歩だと私たちは思っています。そのためには、いろいろな支援が必要だし、制度も充実していかないといけない。例えばまちに出ると、車いすの人が入れない店がある。使えない交通機関がある。そして、まちの課題が明らかになる。何が足りないか明らかになれば、地域の自己覚知になり、改善されていく。自立障害者が増えると、障害者が住みやすくなり、結果、誰にとっても住みやすいまちになると思っています。そういう意味で、私たちが取り組んでいる入所施設からの地域移行や地域への定着支援が大事になってきます。施設に入っている人はたくさんいます。ご家族が急にサポートできなくなったりとか、それぞれ事情はありますが、本人が望んで入所している人はほぼいません。少しでも多くの人に地域に戻ってきてもらうためのお手伝いをしています。」

笑顔の男女4人
「私たち障害当事者が相談員にいることで、より相談しやすく、気軽に来られる場所でありたいですね。相談を通して、日々、私たちも学んでいます」と東谷さん(右から2人目)

(5)牛滝の谷地域(山直北・城東・山直南・山滝校区)
きぼうの輪

2階建ての建物の外観
三田町117-1
電話:072-479-4417
ファクス:072-479-4418
月~金曜日(祝日除く)
午前9時~午後5時半

じっくり密な関わりで築く信頼関係

 「山手にある事業所で、他の地域に比べると相談件数は少ないですが、じっくり密に関われるのが良いところだと思います。多岐に渡る知識と経験があるので、包括的に対応できるのも強みです。
 現在、20年以上ひきこもっていた男性の支援をしていますが、当初は全て拒否だったところから、外に出て通院できるまでになりました。「何に苦しんでいるのか、何に悩んでいるのかが分かれば…」とお母さんも苦しんでいますが、受診ができたことで、今まで気づけなかったことや息子さんの生きづらさも徐々に分かってきて、ご家族も接しやすくなっていくと思います。訪問看護やヘルパーも関わり、少しずつ前に進み、毎週会うことで信頼関係も築けてきています。積み重ねていくことが大切なんです。ひきこもりに悩んでいるご家族の中には、障害福祉サービスや制度を全く知らない人もいます。もっと周知して活用してもらえるようにしていかなければと思っています。」

紺色のポロシャツを着た女性2人と相談者の女性
​相談員の桝谷さん(左)と佐藤さん(右)。「いつも笑顔で対応してくれるので、元気をもらっています」と相談者のお母さん(手前)

(6)葛城の谷地域(旭・太田・天神山・修斉・東葛城校区)
相談支援事業所かけはし

白い壁の建物の外観
畑町4丁目1-14
電話:072-426-3870
ファクス:072-426-3872
月~土曜日(水曜日・祝日除く)
午前10時~午後6時

障害者と地域をつなぐ「かけはし」に

 「地域活動支援センターを併設しているので、日中活動の場があるのが特徴です。「家におるのが嫌や」「どこか行くとこないかな」「働きに行きたいけど、まだそんな元気ない」そういう人に「週に一回、半日でも一時間でもいいから来るかい?  開いている時間なら、いつ来ていつ帰ってもいいよ」っていう所なので、気軽に利用してほしいですね。
 精神科病院からの退院支援も長くやっています。どうしても長期入院が多いんですよね。でも、ずっと病院にいないといけないわけじゃない。「今更退院したくない」という人もいます。けれど、時間をかけて少しずつ病院の外へ出ていくことに慣れてもらうと「もう一度病院の外で生活しようかな」と思えてきます。退院して地域で定着できている姿を見ると嬉しくなりますね。
 最近は、ひきこもりの相談が増えています。今に至るまで長い時間がかかった分、すぐに解決するものではありません。ご家族で抱え込まず、気軽に相談してください。がんばりすぎたらいけません。」

眼鏡をかけた男性
​柔和な笑顔が印象的な相談員の岡本さん


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