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令和4年度施政方針

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2022年3月22日掲載

 この「令和4年度施政方針」は、2022年(令和4年)3月4日の岸和田市議会定例会において市長が説明したものです。


 本日ここに、令和4年度の予算案及び諸議案をご審議いただくに当たり、市政運営に臨む私の基本的な考え方と予算案の概要について申し述べ、議員各位をはじめ、広く市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 本年1月の市長選挙におきまして、多くの市民の皆様の信任を賜り、引き続き歴史と伝統ある岸和田市の市政運営を担わせていただくことになり、改めてその責任の重さに身が引き締まる思いでございます。

 私が、1期目として市長に就任した当初には、本市はこのまま行財政改革に取り組まなければ、累積赤字が膨らみ続け、数年後に財政健全化法に定める早期健全化団体に転落するという見通しが示されていました。そこで、市民の皆様、議員各位のご理解と力強いご支援・ご協力をいただきながら、行財政改革を最優先に、「財政再建」、「広域連携による行政の効率化」、「子育てと福祉」、「教育と文化」、「泉州山手線の早期実現に向けての取組強化」、「本市の成長戦略」、「自らの身を切る改革」などの施策を展開してきました。その結果、全庁を挙げて行財政改革に集中的に取り組んだことにより、4年連続して決算は黒字となり、4年連続して貯金である基金を積み増し、4年連続して市の借金である市債残高を減らし、当面の財政危機を脱して市政の安定を取り戻すことができました。

 2期目につきましては、市民の皆様、議員各位のご理解と力強いご支援・ご協力をいただきながら、「行財政改革の続行」を最優先に、「幼稚園・保育所の再編」、「小中学校の適正規模・適正配置」、「社会体育施設の再編」、「広域連携による行政の効率化」、「泉州山手線の早期実現」に向けての取組強化、「魅力ある本市の成長戦略の推進」、「自らの身を切る改革」などの施策をしっかりと展開してまいります。

 今後、総人口の減少と高齢化が一体的に進行するますます厳しい時代を迎えるなかで、私たちの世代だけでなく、将来世代も安心して生活を送ることができる魅力的なまちであり続けるためには、これまでの行財政改革の歩みを止めることはできません。私は、引き続き、安定した行財政基盤を築くための構造改革と最適な行政サービスの供給体制の構築に取り組んでいきます。

 

 さて、本市は、大正11年(1922年)、大阪府内で3番目の市として誕生し、本年11月1日に市制施行100周年を迎えます。海から山まで広がる豊かな自然環境のもと、先人が築き上げてきた歴史、文化や産業など伝統ある岸和田市を受け継ぐとともに、この大きな節目を市民の皆様とともにお祝いし、新しい次の100年「新・岸和田」に向けた新たな一歩を踏み出す機会にしたいと考えます。

 

 まず初めに、目の前にある新型コロナウイルス感染症の脅威への対応をしっかり講じる必要があります。感染症が拡大し始め2年余り、未だ終息の目処が立っておりません。この感染症の拡大を最小限に抑えるためには、その時点その時点で正確な情報に基づいて、私たちができる最善の取組を行うことが重要です。

 新型コロナワクチンによる感染予防、重症化軽減効果は、時間の経過に伴い低下することなどから、現在3回目の接種を開始しています。国が示す接種スケジュールに従い円滑に接種ができるよう、医療機関など関係機関との連携・協力を進めます。

 また、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活を支援し、地方創生を図るため、国が行う新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や岸和田市ふるさと応援基金などを活用して、本市が独自に設定した3本の柱「1.市民を守る~市民生活の支援~」、「2.経済を生かす~地域経済の活性化~」、「3.市民の利便性の向上~行政サービスの変革~」の実現に向け、様々な事業を展開していきたいと考えています。

 

 「市民を守る~市民生活の支援~」としましては、感染拡大を抑えるため、教育現場での三密回避、夏季の熱中症対策などの児童・生徒の健康管理に加え、災害時には避難所となり、換気等が必要であることから、全ての小中学校及び産業高等学校の体育館に空調設備を整備します。

 また、公民館等公共施設のトイレの手洗いを自動水栓にし、衛生環境を改善するとともに、非接触体温計付き消毒液ディスペンサーを設置し、感染拡大を防ぐよう努めます。

 

 「経済を生かす~地域経済の活性化~」としましては、新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた市内事業者の事業活性化に向け、キャッシュレス決済時にポイントを還元することで、消費喚起を行います。

 また、ポストコロナ・アフターコロナ時代を見据え、市内中小企業がデジタル化への対応を始め、新しい生活様式に適応できるよう経営環境の整備を支援します。

 さらに、体験型観光プログラムを開発するとともに、豊かな自然環境と多様な資源のもと府内トップクラスの生産量や漁獲高を誇る農林水産物を生かした食について、磨き上げ、PRを行い、観光や産業振興につなげていきます。

 

 「市民の利便性の向上~行政サービスの変革~」としましては、市民の行政手続の利便性向上を図るため、オンライン申請の導入や庁内ペーパーレス化を推進します。

 

 さて、平成31年3月策定の「行財政再建プラン」では、令和3年度までの間を集中改革期間とし、抜本的な行財政改革の取組を実施してきました。その結果、本市財政は回復し、経常収支比率も100%を切るまでに改善しました。しかし、これは緊急事態を脱したに過ぎず、まだ万全ではありません。市民から頂いた大切な税金の使い途をチェックし、より良い形に見直していく「改革マインド」をしっかりと根付かせることがこれからの4年間だと考えています。

 このため、令和4年度には、今後の行財政構造改革に向けた、新たな方向性をお示しします。

 無駄を省き、財源を生み出し、その貴重な財源を活かして、市民生活の安定を確保するとともに、市民サービスの向上と魅力あるまちづくりを実現する持続可能な市政運営を実現していきます。

 

 市民が抱える課題については、一層多様化・複雑化していく今日、一つ一つの自治体が果たすべき役割はより大きくなっていくとともに、行財政運営はより厳しい状況になると思われます。これらの課題に対応していくには、近隣自治体との広域連携を進めるなど、地域全体で協力して対応していくことが重要となってきます。

 かねてから協議を行ってきました高石市との埋蔵文化財事務の共同処理を令和4年度から開始いたします。本市が高石市の埋蔵文化財事務を受託することにより、両市の埋蔵文化財を地域で守り、後世にまで継承することが可能となります。

 また、老朽化した市立斎場の建替えについては、令和8年度の新斎場供用開始を目指し、貝塚市との広域連携による共同実施に向けて事業を進めてきたところです。令和4年度は、事業者選定委員会を開催し、斎場整備運営事業者を決定していきます。広域連携のスケールメリットと、民間企業のノウハウを生かしながら、コスト削減や効率的・効果的な運営を目指すとともに、地元の皆様の協力も得ながら引き続き取り組んでいきます。

 

 さらに、水道事業の広域化については、市民の皆様への安全、安心な水の安定供給のため、令和6年度の大阪広域水道企業団との統合に向け、検討を進めます。

 歳入確保につながる取組として、ふるさと寄附については、引き続き、ご寄附いただける機会を増やすべく、寄附の申し込みを受け付けるポータルサイトを新たに追加するとともに、引き続き返礼品のご協力をいただける事業者を開拓し、魅力や特色ある返礼品で本市のPRを実施し、歳入の増加に努めます。

 

 本市のまちづくりの根幹である現総合計画「岸和田市まちづくりビジョン」に基づく「第3期戦略計画」に掲げている「重点目指す成果」の考え方に沿って、令和4年度予算案に計上し、順次取り組んでいく主なものについて、その概要をご説明させていただきます。

 

 重点目指す成果「子どもを生み育てやすい環境が整っている」においては、出産後は心身の不調をきたしやすいと言われていることから、産後うつの予防や新生児への虐待予防等を図るため、産後間もない時期の産婦に対する健康診査を実施します。

 また、現在、子ども家庭総合支援拠点を設置し、虐待を始めとする課題を抱える子どもと家庭に対する相談など、継続的な支援を行っていますが、引き続き、相談支援の体制及び専門性の強化、関係機関と連携を図り、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応や再発の防止に取り組みます。

 

 重点目指す成果「仕事と子育てが両立できている」においては、未来を担っていく子どもたちに、より良い教育・保育環境を提供するため、令和2年10月に策定した「岸和田市立幼稚園及び保育所再編方針」を基に、計画期間を令和6年度までとする「岸和田市立幼稚園及び保育所再編個別計画【前期計画】」を令和4年2月に策定いたしました。再編に係る市民説明会については、令和3年11月から12月にかけ、6会場で計10回開催し、延べ148人の市民の皆様にご参加をいただき、ご意見やご質問を賜りました。【前期計画】では、早期の待機児童解消に向けた取組として、徳松池・コロベ池埋立地及び府営岸和田大町住宅跡地に民間事業者を誘致し、それぞれ令和5年4月及び令和6年4月の認定こども園の開園を目指します。また、市立東光幼稚園を令和4年度末に閉園とし、当該園地を活用した民間事業者による認定こども園についても、令和6年4月の開園を目指します。さらに、旭幼稚園、太田幼稚園、旭保育所については、令和7年4月から「(仮称)市立旭・太田認定こども園」としての開園を目指します。

 また、保育所の待機児童解消のため、保育士不足を解消する事業への補助や就職フェアを実施するとともに、支援の必要な児童の受入れについて、民間保育施設への補助を行い、引き続き保育環境の充実に取り組みます。

 さらに、学童保育については、待機児童対策として、通年で利用できるチビッコホームを城内小学校、新条小学校、光明小学校にそれぞれ第3ホームを増設し、合計23校で42ホームを開設します。

 

 重点目指す成果「等しく教育を受ける機会が保障されている」においては、「小中学校の適正規模・適正配置」を進めます。

 児童・生徒数がピーク時の約半数まで減少し、学校の小規模化が進んでいる市立小・中学校においては、子どもたちの教育や学校運営に様々な影響が及んでいます。

 これらの解消が喫緊の課題であることから、令和2年3月に策定した「岸和田市立小・中学校の適正規模及び適正配置基本方針」を基に、同年11月に「岸和田市立小・中学校適正規模及び適正配置実施計画(第1期)(案)」を策定し、適正化の手法や手順に加え、優先的に進める適正化対象校や関係校を、教育委員会からお示しいたしました。

 その後、実施計画(第1期)(案)の地域説明会につきまして、昨年11月から12月にかけて、10ヵ所の対象校区で、平日の夜と土日にそれぞれ1回ずつ計20回開催し、延べ551人の市民の皆様にご参加をいただきました。

 それらの説明会においては、適正化の賛否に関わるものや、適正化後の通学環境に関わるものなど、様々なご意見やご質問等を賜りました。

 今後も引き続き、地域の皆様のご意見を十分にお伺いするとともに、市の考え方も説明させていただき、協議や意見交換を重ねながら、岸和田市の子どもたちに、将来にわたってより良い教育を保障していけるよう、「実施計画(第1期)(案)」の成案化と、新たな学校の開校を目指して地域住民の代表等で構成される(仮称)学校開校準備委員会の設置に向け、取組を進めます。

 

 重点目指す成果「子どもが個性や能力にあった教育を受けている」においては、学力向上支援やICT教育推進、特別支援教育等の事業を進めます。

 学力向上に向けては、令和3年度から市内幼稚園、小中学校において実施している「コグトレ」の取組を、更に拡充して実施し、記憶・言語理解・注意・知覚・推論・判断といった力を高め、基礎学習の土台づくりに努めます。

 あわせて、児童・生徒の学力向上に不可欠な読書習慣の定着に向け、学校司書の配置を拡充いたします。

 また、全小中学校において1人1台の学習者用端末を効果的に活用した学習活動を展開し、児童生徒の情報活用能力を育成します。取組の推進に当たっては、教員の指導を支援するICT支援員を派遣するとともに、授業での効果的な活用を支援する学習アプリ等を全小中学校に導入します。

 インクルーシブ教育の実現に向けては、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、きめ細やかな指導及び支援ができるよう、介助員を配置するとともに、特別支援教育支援員を拡充します。これにより教員免許保有者だけでなく、社会福祉士や精神保健福祉士等の専門的な資格を有する特別支援教育支援員を配置することで、子どもの実態を多角的に捉え、支援の更なる充実を図ります。

 さらに、学識経験者や公認心理師等による相談の実施を通して、支援の必要な子どものアセスメントを適切に行い、一人一人に合わせた指導を行えるよう努めます。

 また、学校施設については、大半の施設で老朽化により機能低下が進行していることから、整備を進めていく必要があります。子どもたちの多様なニーズに応じた教育環境の向上と学校施設の適正な維持管理を継続していくため、まずは築50年程度で老朽化の著しい施設に対し、外壁改修及び屋上防水改修を実施します。

 

 重点目指す成果「市内の移動がスムースにできている」においては、「都市計画道路泉州山手線の整備促進」に向け、都市計画道路磯之上山直線から岸和田中央線までの着工に先立ち、大阪府と協力して引き続き土地境界調査等の取組を進めます。また、「泉州山手線沿道まちづくりの推進」のため、山直北地区における交通広場を開設するとともに、地元関係者の皆様とともにまちづくりの事業化に向けた取組を進めます。

 交通政策については、「泉北高速鉄道の延伸」に向け、沿線市町との連携を図りながら実現に向けた取組を進めます。また、「元気に生活・活動し、安全・快適に移動ができる交通インフラ」を形成するため、「総合交通戦略」及び「地域公共交通計画」の改定を行います。

 さらに、バス交通を充実するため、路線バス福田線を岸の丘町を経由するルートに変更するとともに、市域をまたぐ新規路線の開設を目指す取組として、道の駅愛彩ランドから和泉中央駅間の実証運行を行います。

 道路整備については、引き続き田治米畑町線の整備を進め、道路の持続的な安全性、信頼性を確保するため、道路舗装及び橋りょうの老朽化への対応を計画的に実施し、安心して利用できる道路環境を整えるとともに、災害を見据えた道路施設の強靭化を進めます。

 

 重点目指す成果「市民が観光資源に親しみ、多くの観光客でにぎわっている」においては、本市の観光施策の指針となる「第2次岸和田市観光振興計画」に基づき事業を推進します。

 岸和田城内多聞櫓・隅櫓及び周辺施設での宿泊体験イベントの実証実験を行い、城とその周辺ならではの観光資源について演出を施し、SNS等で広く配信することで、城下町泊の需要の掘り起こしと本市の知名度向上を目指します。

 また、今後の新型コロナウイルスの感染拡大の影響が不透明ではあるものの、本市の豊かな観光資源により、データを活用した需要の見込める体験型プログラムを開発し、効果的なプロモーションを推進します。

 あわせて、岸和田城天守閣の耐震対策の検討について、地盤や耐震補強など工法の調査を行い、基本計画の策定を進めます。

 

 重点目指す成果「効率的かつ円滑に業務が実施されている」においては、行政手続のオンライン化について、子育て関係・介護関係を中心とした手続を対象とし、令和4年度末を目途に、マイナポータルからマイナンバーカードを用いたオンライン手続ができるよう進めます。また、それ以外の各種行政手続につきましても順次オンライン化に向けた取組を進めます。

 

 続いて、その他に令和4年度に取り組む事業をご説明いたします。

 まず、市制施行100周年記念事業として、11月1日には「記念式典」を開催し、市政発展に寄与した功労者への表彰を行うとともに「記念誌」を発行します。

 また、中学生が議員となって、市内11中学校の生徒会で取りまとめた行政への提言や要望を行う「中学生議会」を開催するほか、築後50年近くが経過し老朽化する図書館本館については、100周年を新図書館整備に向けたキックオフと位置づけ記念シンポジウムを開催するとともに、基本計画を策定します。

 さらに、本市出身で世界的に活躍されている現代美術家の塩田千春さんの作品展や、本市の100年の自然の移り変わりをジオラマ等で振り返る特別展「岸和田市の海と山と人・100年の物語」を開催します。さらに、ゆめみヶ丘岸和田では、地域が持つ貴重な資源である竹を活かした作品づくり等により、まちのPRイベントを行うなど、1年間を通して様々な事業を実施します。

 また、先に立ち上げました「岸和田市市制施行100周年記念事業実行委員会」が主催となって、本市が誇る農林水産物等を食材として、子どもたちが考えたメニューをキッチンカーで販売し、本市の新しい郷土料理として定着させることを目的とする「(仮称)マルシェ事業」や、岸和田市の歴史や文化を学び、岸和田の歩みを振り返る機会を創出し、それを未来へ継承することを目的とする「(仮称)岸和田城EXPO事業」を実施します。このほか、市民や企業、各種団体、高校生等が100周年を記念して実施する事業については、「協賛事業」としてその経費の一部または全部を補助します。このほか、「岸和田市市制施行100周年記念」等の冠を使用していただく「冠事業」を引き続き募集し、市民の皆様とともに市制施行100周年を盛り上げていきます。

 新庁舎建設については、令和2年3月策定の岸和田市新庁舎整備基本計画の最終工期である令和10年度の完成を目指し、限られた財源の中で、新しい生活様式にも対応した、防災拠点機能が発揮できる庁舎の建設に向けて、岸和田市新庁舎整備基本計画の見直しを進めます。

 

 「社会体育施設の再編」及び「公民館及び青少年会館の再編」については、市民説明会を実施し、広く市民の皆様のご意見やご質問をお受けするとともに、岸和田市公共施設等総合管理計画や岸和田市公共施設最適化計画とも整合性を図りつつ、各施設の個別施設計画の策定に向け、調整を行っていきます。

 

 駅周辺まちづくりについては、地域の拠点であり、人々の移動の起点となる利便性の向上や賑わいづくりを進めるため、久米田駅周辺において「久米田駅東西アクセス改善基本構想」に基づき、引き続き駅周辺道路及び駅西側改札の整備を進めます。さらに春木駅周辺においても市道整備を進めるなど、安全・安心な都市空間の創出を進めます。

 市営墓地の整備については、これからの社会情勢を見据え、長期的かつ安定的に市民の皆様に安心してご利用いただける公営墓地としての役割を果たせるよう、社会全体で供養する合葬式墓地の整備を進めるための設計業務を行います。

 大門公園の整備については、民間との連携により、賑わいを創出する公園となるよう、また災害時の一時避難場所として、防災設備を備えた防災公園として活用できるよう整備を進めます。

 丘陵地区農整備や畑地区等の土地改良事業については、新たな農業振興の拠点となる農業基盤整備を推進するとともに、先進的な農業形態や担い手の育成などを進めます。また、大阪府と連携しながら遊休農地対策も推進し、優良農地の確保と有効利用の促進に努めます。

 少子高齢化や人口減少が加速する中で、社会問題となっている空家等の対策については、市内に存在する空家等の実態調査結果を踏まえ、「岸和田市空家等対策計画」を改定し、居住者に対する空家等の発生予防や、所有者に対する空家等の適正管理を促進します。また、市民の生活環境に悪影響を及ぼす管理不十分な不良空き家については、除却への費用助成を実施し、危険な空き家の解消に努めます。さらに、子育て世帯などの市内への移住促進のため、空き家に住もうとされる移住者世帯に対し空き家改修補助を実施するとともに、良質な空き家や空き店舗等のリノベーションを促進することにより、空家等の再生を図り、住環境の改善や地域活性化につなげていきます。

 リニューアルした岸和田競輪場については、「第73回高松宮記念杯競輪G1」及び「大阪・関西万博協賛競輪G3」を開催するとともに、新たに岸和田競輪場でのミッドナイト競輪を開催することにより、売上の向上と収益の確保に努めます。

 

 防災については、近年、地球温暖化などにより、各地でこれまでに経験しなかったような台風や大雨による被害が頻発するようになっており、地震や津波なども含め、大規模災害への備えが重要になっています。このため、非常時にも情報伝達ができるよう行政内部及び防災拠点に配備している携帯無線を更新します。また、緊急速報メールを受信できない避難行動要支援者への避難情報を始めとする、防災情報の自動配信サービスを開始します。

 

 環境への対応については、令和3年2月に改定した岸和田市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)に基づき、昨年度、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」を表明したところです。今後、市民や事業者の皆様と連携しながら、市域の脱炭素化を進めます。

 

 産業振興については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、中小企業・小規模事業者における新たな生活様式への対応など、自社での経営力向上を図る必要があります。このため、「岸和田ビジネスサポートセンター Kishi-Biz(キシビズ)」における支援を継続し、事業者の負担を軽減しつつ、具体的かつ、コストをかけさせないアイデアで売上げアップを目指すための伴走型の支援により、中小企業・小規模事業者の経営を引き続き重点的にサポートしていきます。

 臨海部においては、岸和田市と忠岡町にまたがって立地する木材コンビナートについて、昨年度、木材港地区全体の新たなまちづくりに向けた利活用ビジョンを策定したところです。今後は、大阪府により埋立造成の事業化が早期に図られるよう、忠岡町と共同で埋立後の利活用検討や民間意向調査等を実施します。検討に当たっては、夢洲での万博開催、IR誘致の動きに伴う大阪湾ベイエリアの活性化に併せて、近未来の日本の産業をリードする先端産業創造拠点として創出されるよう、大阪府や忠岡町など関係機関と協議・連携しながら進めます。

 

 福祉については、権利擁護支援の地域連携ネットワークの中核機関を新たに設置し、支援が必要な人が本人らしい生活を守るための成年後見制度の利用促進を図ります。

 また、ひきこもり状態にある方やその家族に対し、それぞれの状態に応じた、社会参加に向けた支援を行っていきます。具体的には、ひきこもり相談窓口の設置、支援対象者の実態やニーズの把握、関係機関による支援のためのプラットフォームの設置、アウトリーチ支援員の配置、居場所づくり等を実施していきます。

 さらに、団塊の世代が75歳を迎えていく中、地域における生活支援・介護予防サービスの提供体制の構築に向け、「生活支援コーディネーター」の充実や「地域包括支援センター」の体制強化を図ります。

 

 現在の総合計画「岸和田市まちづくりビジョン」は、令和4年度が計画期間の最終年度となります。令和5年度を初年度とする第5次総合計画となる『将来ビジョン・岸和田』の策定に向け、令和2年度から作業を行っているところです。また、第5次総合計画の策定と合わせ、令和2年度から取り組んでいます都市計画マスタープランの見直しにつきましても、令和4年度中の改定に向け、広く市民の皆様のご意見を聞きながら、取り組んでいきます。

 『将来ビジョン・岸和田』では、将来像を「個性きらめき 魅力あふれる ホッとなまち 岸和田」とし、「岸和田の次世代を育むまち」、「健康で自分らしく生きられるまち」、「安全で安心して暮らせるまち」、「人と自然が共生した住みよいまち」、「賑わいと活力を創造するまち」、「みんなでつくる持続可能なまち」の6つの基本目標を設定しています。さらに、「多様性を尊重しあう岸和田の絆の発展・活用」、「海から山までの多様な地域資源の活用」、「時代を先取り・リードする先端技術の活用」の3つの視点で基本目標に横串を刺す構成で、次の12年間のまちづくりに向けた計画策定を行っていきます。引き続き、令和2年度に発足させた市民懇話会等において、市民の皆様から意見等を広くいただき、議論を重ねていきます。

 

 以上の内容を盛り込んだ令和4年度の当初予算案は、

 一般会計で、 821億7,278万円、

 特別会計(5会計)で、 758億5,731万9千円、

 企業会計(3会計)で、 382億7,053万3千円、

 財産区特別会計で、   10億4,828万5千円で、

 これらを合わせますと、 1,973億4,891万7千円となり、前年度と比べ、一般会計で 5.2%の増加、特別会計で 12.8%の増加、企業会計で 2.9%の増加となっています。

 

 以上、令和4年度の主な取組について、その概要をご説明申し上げました。

 

 冒頭にも申し上げましたが、令和4年度は、市制施行100周年という大きな節目であり、次の100年「新・岸和田」に向けてスタートを切る最初の1年であります。豊かな自然、脈々と受け継がれてきた伝統や歴史、時代の変遷の中で磨かれてきた文化、発展してきた産業、そして先人たちが残してきた功績を今見つめ直し、改めて郷土に対する愛着を深め、誇りを高める機会といたします。本市の発展と成長に向けて、市民の皆様・議会・行政それぞれがより一層協力・連携し、オール岸和田で未来の子どもたちに新しい岸和田をつないでいけるよう、職員の能力・技術・経験を最大限生かしながら、施策の推進に全力で取り組んでいきます。

 市民の皆様並びに議員各位の一層の温かいご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和4年度施政方針 [PDFファイル/632KB]

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