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耐震化の必要性
地震による被害
地震はいつ起きるか分かりません
近年、日本各地で大きな地震が発生しています。大阪府でも、平成30年に大阪府北部を震源とした地震が発生しました。
大阪府内では、南海トラフ巨大地震、上町断層帯や生駒断層帯による地震など、甚大な被害をもたらす大地震の危険性が指摘されています。
いつ、どこで発生するのか分からない地震に備え、過去の教訓を生かして対策を講じておくことが大切です。
南海トラフ巨大地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害と対策に係る映像資料 - 内閣府(外部リンク)
ハザードマップ
地震から命を守るためには、住まいが壊れないことが重要
平成7年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)での死亡者の7割以上は、家屋の倒壊による窒息・圧死でした。
また、災害後の避難生活、生活再建においても、住まいがあるかどうかは大きく影響しました。いつくるか分からない地震に備え、住宅の耐震対策を行い、壊れにくい住まいを目指しましょう。
国土交通省近畿地方整備局 震災復興対策連絡会議「阪神淡路大震災の経験に学ぶ」より作成(災害関連死を除く)
被害の比較
耐震基準
建築物の耐震性能は建築基準法に定められています。建築基準法は昭和25年に制定され、耐震性能の基準は幾度となく発生した大地震の被害を受け、見直されてきました。
昭和56年5月以前の耐震性能が強化される前の基準を一般的に「旧耐震基準」と呼び、同年6月以降の強化された基準を「新耐震基準」と呼びます。
過去の地震被害から、旧耐震基準で建てられた建築物は比較的被害が大きかったことがわかっています。
また、平成12年6月にも耐震基準が見直され、新耐震基準の中でも平成12年5月以前と6月以降で耐震性能に差があり、被害に差があることもわかっています。
過去の地震の被害からの学び
平成7年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と平成28年に発生した熊本地震の建築年度別の被害を紹介します。
兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の建築年度別被害(木造住宅)
出典:平成7年 阪神・淡路大震災 建築震災調査委員会中間報告(平成7年8月:建築震災調査委員会)
熊本地震の建築年度別被害(木造住宅)
出典:第4回 熊本地震における建築物の被害(一般社団法人九州免震普及協会)
小破:被害はあるが、そのまま継続して使用できる程度の被害
中破:住宅の構造へ被害が出ていて危険な状態、倒壊・崩壊している状態
大破:修復が不可能な程度まで破損している状態
被害の比較
2つの大きな地震の被害を見ると、旧耐震基準で建てられた木造住宅の「中破以上の被害」は、新耐震基準のものに比べて3倍以上の割合になっていました。
さらに、熊本地震では、新耐震基準においても、平成12年5月以前のものの「中破以上の被害」は同年6月以降のものに比べて3倍以上の割合になっていました。
まず、耐震診断をしましょう
ご自宅の耐震性能がどの程度あるのかを調査する「耐震診断」を受けましょう。
「耐震診断」は人間の「健康診断」にあたります。地盤の状況や基礎の状態、上部構造(家屋)として、壁の強さや配置、接合部の状況、劣化状況などを調査します。上部構造は評点(点数)化されて、耐震診断報告書としてお手元に届きます。評点を元に耐震改修工事の必要性があるのかを判断します。
診断はどんなことをするのか
ご自身で診断
誰でもできるわが家の耐震診断
10の質問にしたがって、わずかな時間でご自宅の耐震性を診断できます。いわば耐震化への入口です。住まいのどの部分が地震に対して弱いのかを知ることができます。
当課に来庁していただければ、冊子などをお渡しいたします。また、毎年4月~5月に市役所新館にてパネル展示を行っており、そちらでも配布しております。
誰でもできるわが家の耐震診断 - 一般財団法人日本建築防災協会(外部リンク)
専門家の診断
一般診断法
建築士及び建築関係者が、ご自宅の外観、軒下、床下や天井裏の目視、全室内の柱や壁などの確認によって診断します。お持ちの設計図などがあれば診断の参考となります。設計図などがなくても診断は可能ですが、図面を作成しなおす時間が必要となります。
診断にかかる時間は数時間から半日程度といわれています。診断結果は後日、診断結果報告書としてお手元に届きます。ご自宅の診断結果に基づいた補強工事などのアドバイスを受けることができます。
精密診断法
建築士及び建築関係者が、必要に応じて壁や天井などを剥がして内部の構造を確認する、一般診断法より詳細な診断方法です。診断時に剥がした箇所は、診断後に修復します。
一般診断法より診断にかかる時間は長くなり、半日から1日程度といわれています。費用に関しても一般診断法より高額となります。
改修はどんなことをするのか
耐震診断の結果、倒壊する可能性があると判定された場合は、ぜひ耐震改修工事を検討してください。倒壊する可能性が低いと判定された場合でも、余震でくり返し地震に襲われた場合は倒壊する場合もあるため、耐震改修工事をお勧めします。
耐震改修工事を決断したら、耐震診断に基づき、建築士などと一緒に耐震改修の計画と設計を行います。工事費用や期間、工事期間中は引っ越す必要があるのかなど、疑問点はしっかり建築士などへ確認してください。
耐震改修工事を行い、耐震診断の評点をあげることで、壊れにくい住宅を目指しましょう。
耐震改修の主な内容
1.屋根
屋根を軽くすることで、耐震性を高められます。
2.壁
地震の揺れに耐える壁(耐震壁)が少ない場合や、配置のバランスが悪い場合は、ご自宅の倒壊する危険性が高くなります。
新たに耐震壁を増やす、既存の壁を強くするなどの方法で耐震性を高めます。
3.接合部
壁、柱、はりが一体となって地震に耐えるように、補強金物を設置し、耐震性を高めます。
4.基礎
基礎や土台がしっかりしていないと地震時に倒壊する危険性が高くなります。劣化した基礎や弱い基礎は、補修や補強することで耐震性を高めます。
耐震シェルター
耐震シェルターとは、箱型空間を室内に設置することで、万一家屋が倒壊しても、耐震シェルター内だけは安全な空間を確保できるため、生命を守ることができます。
ただし、耐震シェルターの設置だけでは、ご自宅の耐震化にはなりません。
耐震に関する補助制度
本市において、耐震に関する補助制度があります。