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令和3年度指定管理者監査の結果
第1 監査の対象
1 指定管理者
岸和田市公園緑化協会・ミズノグループ
2 対象施設
岸和田市総合体育館
3 所管部課
生涯学習部スポーツ振興課
4 対象期間
令和2年度分(令和2年4月1日から令和3年3月31日まで)。ただし、必要に応じて他年度分を含む。
第2 監査の主な実施内容及び着眼点
監査対象施設の指定管理者及び所管部課から関係諸帳簿の提出を受け、岸和田市監査基準に基づき策定した令和3年度公の施設の指定管理者監査実施計画に定める監査の着眼点について、実査、証憑突合、帳簿突合、計算突合、質問、閲覧により行った。
第3 監査の実施場所及び日程
1 実施場所
監査委員室
2 日程
(1) 調査期間 令和3年10月27日から令和4年2月3日まで
(2) 監査実施日 令和4年2月3日
第4 指定管理者の概要
1 構成団体
一般財団法人岸和田市公園緑化協会
美津濃株式会社
ミズノスポーツサービス株式会社
2 グループ結成日
平成30年4月1日
3 代表団体
一般財団法人岸和田市公園緑化協会
4 職員数
岸和田市公園緑化協会職員数 25名
ミズノグループ職員数 23名
第5 岸和田市総合体育館(以下「総合体育館」という。)の指定管理の状況
1 施設の所在地
岸和田市西之内町45番1号
2 施設の設置目的
市民のスポーツ及びレクリエーションの振興を図り、健康及び体力の増進に資するため並びに文化的な集会及び催物の場を提供するために設置されている。
3 指定期間
平成31年4月1日から令和6年3月31日まで
4 指定管理者の業務範囲
(1) 総合体育館の利用に関する業務
(2) 総合体育館の使用許可に関する業務
(3) 総合体育館等の使用に係る利用料金の徴収に関する業務
(4) 総合体育館の不払い利用料金の徴収業務
(5) 総合体育館の利用料の免除及び還付に関する業務
(6) 総合体育館の利用促進及び市民スポーツの普及・振興に関する業務
(7) 総合体育館の施設及び設備の維持管理に関する業務
(8) オーパス・スポーツ施設情報システムに関する業務
(9) 災害時における避難所としての施設に関する業務
(10) 前各号に掲げるもののほか、総合体育館の管理及び運営に関し岸和田市が求め
る業務
5 指定管理者の選定方法
公募
6 利用料金制
導入
7 施設の利用状況((注)監査資料より)
令和2年度 | 令和元年度 | |
利用料金収入 | 33,566,211円 | 53,847,850円 |
利用人数 | 144,429人 | 257,325人 |
利用件数 | 4,400件 | 4,695件 |
8 総合体育館の指定管理に関する収支の状況((注)事業報告書より)
収入 | |
市からの指定管理料 | 73,459,231円 |
利用料金 | 33,566,211円 |
企画事業収入 | 553,300円 |
自主事業収入からの繰入金 | 3,325,164円 |
収入合計 | 110,903,906円 |
支出 | |
人件費 | 52,965,947円 |
管理費 | 24,791,712円 |
事業費 | 23,754,056円 |
公課費 | 1,356,970円 |
その他 | 4,394,412円 |
支出合計 | 107,263,097円 |
収支差引額 | 3,640,809円 |
第6 監査の結果
総合体育館の管理運営については、設置条例及び基本協定書に基づき、おおむね適正に実施されているものと認められたが、所管部課・指定管理者において、一部、指摘事項又は注意を要する事項が認められた。
指摘事項については、是正・改善の必要があるため、適切な措置を講じられたい。なお所管部課は、指定管理者による管理運営の状況を確認し、必要に応じ指導する立場にあるため、措置を講じたときは指定管理者による措置の状況も確認した上で、遅滞なく通知されたい。また所管部課及び指定管理者においては、注意を要する事項についても、管理点検体制を確認し、今後の事務執行に十分留意されたい。
指摘事項及び注意を要する事項の判断基準は、次のとおりである。
指摘事項 (1) 市に損害を与えている、又は損害を与える恐れがあるもの (2) 収入確保に適切な措置を要するもの (3) 予算を目的外に支出しているもの (4) 不必要な予算執行をしているもの又は損害を生じているもの (5) 法令や条例、通達等に違反しているもの (6) 契約や協定等に反しているもの (7) 機関の意思決定が適切になされていないもの (8) 書類の隠匿や改ざんその他の故意による違反行為があるもの (9) 重大な過失又は著しい怠慢によって誤りを生じているもの (10) 正確性、経済性、効率性又は有効性の観点から改善を要するもの (11) 前回、指摘事項又は注意を要する事項とした事項のうち、是正・改善されていないもの (12) 前回、観察事項とした事項のうち、再度誤りがあったもの(修正されたものを含む) (13) 注意事項に該当する事項が多数存在するなど財務事務が全般的に不適切であるもの (14) その他、不当又は適正を欠く事項で指摘が適当であると認められるもの |
注意を要する事項 (1) 不当又は違法ではないが適切でないもの (2) 執行機関等に改善・検討などを促し、又は注意を喚起することが必要と認められるもの (3) 上記の指摘事項以外で、金額、手続、処理、方法等から見て比較的軽微な誤りと認められるもの |
1 指摘事項
(1) 共通事項(所管部課・指定管理者)
ア 基本協定書では、自主事業を実施する場合は、自主事業実施計画書を提出し、事前に市の承諾を受けなければならないとされているが、自主事業実施計画書及び市の承諾に関する書類を確認できないものがあった。(判断基準 (6))
イ 市へ提出された事業報告書のうち「指定管理に関する収支決算書(総合体育館)」について、一部計上が誤っているもの、重複して計上されているものがあった。(判断基準 (6))
ウ 基本協定書では、管理備品はその費用負担区分やその所有区分により、1種・2種に区分して管理することになっているが、市が指定管理者に貸与している備品等(1種)について、現物を確認できないもの、備品ラベルの貼付がされていないものがあった。(判断基準 (6))
(2) 所管部課
ア 指定管理業務に係る利用料金の承認について、告示がされていないものがあった。(判断基準 (5))
2 注意を要する事項
(1) 指定管理者
ア 利用料金について、算出を誤っているものが1件あった。利用料金を徴収する際の管理点検体制を見直されたい。(判断基準 (3))
(2) 所管部課
ア 令和2年度における市と指定管理者の連絡会議について、定期的に開催したことがわかる書類等が一部しか確認できなかった。公の施設の指定管理者制度に係る運用指針に沿って定期的に開催する連絡会議について、記録等の関係書類の整理を検討されたい。(判断基準 (2))
第7 意見
今回の指定管理者監査においては、自主事業の承諾に係る手続の不備、収支決算書の計上誤り、利用料金承認の告示漏れなど、法令、基本協定等に基づく手続や事業報告が適正になされていないものが複数見受けられた。
地方自治法第244条の2では、指定管理者は、毎年度終了後、その管理する公の施設の管理の業務に関し事業報告書を作成し、市に提出しなければならないとされており、また、市は指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができると規定されている。
市は公の施設の設置者として、法令等に沿って適正な手続を行うとともに、指定管理者による管理・運営が基本協定等に基づき適正に行われているか、収支報告を含む事業報告が適正か、利用者に対してサービスが安定的に提供されているか等について、常に指定管理者からの報告、利用者アンケート等を通じて点検・調査し、指定管理者による管理・運営の実態の把握に努めることが重要である。市と指定管理者は、基本協定、運用指針等に沿って適正な手続が行われるよう、連絡会議等を通じて情報共有を図るとともに、各手続の管理点検体制について整理されたい。
今後も、市と指定管理者による活発な情報交換や必要に応じた市の指導・助言等により、利用者満足度を高め、利用促進を図るとともに、適正な事務処理、透明性の高い収支を確保し、総合体育館が市民スポーツの中核的な役割を担う全市域施設として、また、競技スポーツの拠点として、市民がスポーツに親しむ環境づくりに寄与できるよう、より一層の努力を望む。