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定期監査の結果(平成29年2月分 教育総務部・学校教育部・生涯学習部)
第1 監査対象部課等
教育総務部(総務課、学校給食課、学校管理課、産業高校学務課)
学校教育部(学校教育課、人権教育課)
生涯学習部(生涯学習課、スポーツ振興課、郷土文化室、図書館)
第2 監査の実施期間
平成29年1月20日から平成29年2月21日まで
第3 監査の方法
監査対象部課等における財務に関する事務(収入事務・支出事務・契約事務・補助金交付事務・財産管理事務等)が、法令等に従い適正に執行されるとともに、公正で合理的かつ効率的な事務運営を行っているかどうかに留意し、関係帳簿、書類の抽出調査、実査及び監査調書に基づく質問等により行った。
第4 監査対象年度
平成28年度執行分(平成28年4月1日から平成28年12月31日まで)。ただし、必要に応じて平成27年度を含む。
第5 監査の結果
各部の事務事業の執行は、おおむね適正に処理されているものと認められたが、一部、指摘事項又は注意を要する事項が認められた。
指摘事項については、是正・改善の必要があるため、適切な措置を講じられたい。なお、措置を講じたときは、遅滞なく通知されたい。また、各課において指摘された事項については、部内においても確認し、再び誤りが生じないよう適切な事務処理に努めるとともに、注意を要する事項についても、部課内の管理点検体制を確認し、今後の事務執行に十分留意されたい。
1 教育総務部
(1) 総務課
幼稚園保育料等の収入事務、幼稚園環境整備等業務委託契約等の契約事務、遠距離児童通学費補助金等の補助金交付事務等について、関係書類等により調査した結果、次のとおりである。
ア 指摘事項
(ア)随時の費用に係る資金前渡については、目的完了後10日以内に精算しなければならないが、精算が遅延しているものがあった。
(イ)市立学校園環境整備業務などの3件の委託契約において、地方自治法施行令第167条の2第1項第3号を適用し、シルバー人材センターと随意契約を締結しているが、岸和田市財務規則第117条の2に定められた公表の内容に不備があった。
(ウ)教職員福利厚生事業委託契約等の随意契約を締結する場合には、地方自治法施行令第167条の2第1項各号の規定に基づき、随意契約理由を明確にする必要があるが、根拠法令や理由が記載されていないものがあった。
(2) 学校給食課
学校給食センター敷地使用料等の収入事務、学校給食センター調理・運搬等業務委託契約等の契約事務、岸和田市学校給食会運営費補助金の交付事務等について、関係書類等により調査した結果、おおむね適正に処理されているものと認められた。
(3) 学校管理課
学校敷地使用料等の収入事務、岸和田市立小中学校及び幼稚園空調設備官民連携手法導入可能性調査業務委託契約等の契約事務、教育財産の目的外使用許可等の財産管理事務等について、関係書類等により調査した結果、おおむね適正に処理されているものと認められた。
(4) 産業高校学務課
入学金等の収入事務、コールシステムパソコン整備事業賃貸借契約等の契約事務、教育財産の目的外使用許可等の財産管理事務等について、関係書類等により調査した結果、次のとおりである。
ア 指摘事項
随時の費用に係る資金前渡については、目的完了後10日以内に精算しなければならないが、精算が遅延していた。
(5) その他部内における注意を要する事項
ア 契約事務において、契約書の文言に不備のあるものがあった。契約の際には、根拠法令、契約書の記載内容等を十分に確認し、不備や誤りのないように注意されたい。
イ 備品管理において、備品台帳に記帳されている購入日に誤りがあるものがあった。台帳の整備を行い、適切に管理されたい。
ウ 学校へ納品された備品について、納品等の履行確認が適切になされていないものがあった。学校に対する指導を徹底し、履行確認を適切に行われたい。
エ 教育財産の目的外使用許可や補助金の交付等を行う際に作成する指令文書において、文書の記号の記載に不備があった。また、教育財産の目的外使用許可について、岸和田市教育委員会事務決裁規程に専決事項が定められているが、それに基づく処理がなされていなかった。岸和田市教育委員会文書管理規程、岸和田市教育委員会事務決裁規程を十分に確認し、適正に処理されたい。
2 学校教育部
(1) 学校教育課
市民プール使用料等の収入事務、科学技術教育センター薬品廃棄処理委託契約の契約事務、中学校部活動生徒派遣補助金の交付事務等について、関係書類等により調査した結果、次のとおりである。
ア 指摘事項
(ア)水練学校受講料等の領収書は、出納員名で作成し、出納員の領収印を使用しなければならないが、水練学校受講料の領収書が出納員名で作成されていなかった。また、副読本実費徴収金の領収書には、他の印を使用していた。
(イ)科学技術教育センター薬品廃棄処理委託契約において、契約期間終了後に変更契約を締結していた。また、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号及び岸和田市財務規則第117条の表第6号を根拠に随意契約を締結しているが、契約金額が随意契約の根拠としている条項で定める額を超えていた。岸和田市財務規則第116条により、随意契約を行う際には、なるべく2人以上の者を選んで、見積書を徴することとなっているが、1者の見積りで契約しており、それに対する理由も記載されていなかった。
(2) 人権教育課
自動車賃貸借契約の契約事務、岸和田市人権教育研究協議会補助金の交付事務、報償費等の支出事務等について、関係書類等により調査した結果、おおむね適正に処理されているものと認められた。
(3) その他部内における注意を要する事項
ア 備品管理において、備品台帳に記帳されている購入日に誤りがあるもの、購入日が記帳されていないものがあった。台帳の整備を行い、適切に管理されたい。
イ 時間外勤務命令事務において、計画書・命令書・実績報告書に日付等の記載漏れ、記載誤りがあった。また、時間外勤務のデータの入力誤りがあった。時間外勤務の適正管理に関する指針に基づき、適正に処理されたい。
3 生涯学習部
(1) 生涯学習課
公民館・青少年会館等使用料等の収入事務、地区公民館施設運営業務委託契約等の契約事務、社会教育関係団体運営補助金等の補助金交付事務等について、関係書類等により調査した結果、おおむね適正に処理されているものと認められた。
(2) スポーツ振興課
市民プール使用料等の収入事務、東京オリンピック・パラリンピック競技大会事前キャンプ地誘致等行動計画策定業務委託契約等の契約事務、岸和田市スポーツ振興事業補助金の交付事務、岸和田市総合体育館等の指定管理業務等について、関係書類等により調査した結果、次のとおりである。
ア 指摘事項
臨海青少年広場の電気料金、牛ノ口公園運動広場等のAED賃借料の支払いが遅延していた。
(3) 郷土文化室
きしわだ自然資料館入場料等の収入事務、岸和田城庭園(八陣の庭)測量図作成業務委託契約等の契約事務、岸和田市文化財保存事業補助金の交付事務等について、関係書類等により調査した結果、次のとおりである。
ア 指摘事項
教育財産の目的外使用許可において、岸和田市事務決裁規程では、市収入の減免の決定に関することは部長の専決事項とされているが、使用料の免除について室長専決で処理され、使用許可書の送付も遅れていたものがあった。
(4) 図書館
施設コピー料等の収入事務、図書館自動車文庫業務及び分館窓口等業務委託契約等の契約事務、教育財産の目的外使用許可等の財産管理事務等について、関係書類等により調査した結果、次のとおりである。
ア 指摘事項
冊子頒布収入について、受領した現金は速やかに市へ納付しなければならないが、遅延しているものが複数あった。
(5) その他部内における注意を要する事項
ア 収入事務において、領収書に必要事項が記入されていないものがあった。領収書には必要事項を正確に記入し、取扱いを適正に行われたい。
イ 契約事務において、契約書の編綴に不備があるもの、契約書に仕様書が合綴されていないもの、契約締結日が記載されていないものがあった。また、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号及び岸和田市財務規則第117条を適用し随意契約を締結しているものについて、岸和田市財務規則第117条の表の適用号が記載されていないものがあった。随意契約の根拠法令の条項や理由が明確に記載されていないもの、根拠法令の条項として適正と判断し難いものがあった。入札保証金、契約保証金を免除しているものについて、根拠法令の条項及び理由の記載に不備のあるものがあった。契約の際には、根拠法令、契約書の記載内容等を十分に確認し、不備や誤りのないように注意されたい。
ウ 備品管理において、取得価格5,000円以上の備品については、備品台帳に記帳し、整理しなければならないが、記帳されていないものがあった。台帳の整備を行い、適切に管理されたい。
エ 時間外勤務命令事務において、計画書・命令書・実績報告書に日付等の記載漏れ、記載誤りがあった。時間外勤務の適正管理に関する指針に基づき、適正に処理されたい。
オ 教育財産の目的外使用許可等を行う際に作成する指令文書において、文書の記号の記載に不備があった。岸和田市教育委員会文書管理規程を十分に確認し、適正に処理されたい。