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「稲葉町内会」から要望書及び請願署名が提出されました。
また、令和3年4月8日には、「稲葉町内会」と「山直南校区を守る会」の連名による請願署名が提出されました。
これについて、令和3年4月26日付文書にて、市教育委員会の考え方を作成しましたが、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言下であったことから、宣言解除後の令和3年7月8日に、稲葉町内会長はじめ、役員の皆様へ手渡しました。
今後も、地域・保護者の皆様に十分な説明と話し合いを重ねながら丁寧に取り組んでいきます。
要望書内容及び教育委員会の考え方について
要望書 1.要望内容
現在、岸和田市教育委員会において策定されております「岸和田市立小・中学校適正規模及び適正配置実施計画(第1期)(案)」の【適正化の内容】(1)及び(2)についての設置計画内容について、稲葉町内会は反対することを表明し、新たに、現・山直南小学校所在地あるいは、その隣接区域に、新しく小中一貫校を新設することを要望します。
上記に対する教育委員会の考え方
稲葉町はじめ山直南小学校区の皆様が、同小学校の所在地、あるいは隣接地に小中一貫校を新設するよう要望されることは、ご地元の思いとして無理のないことと存じます。
これを実現するとすれば、中学校を新たに1校増やすか、既存の中学校を閉校して新たに中学校を開校することとなりますが、児童生徒数の減少により、学校の小規模化が進む山手地域の小中学校においては、さらにこの傾向が続くことは必至であり、新たな中学校を増やす状況にはありません。また、本市の中学校は、生徒の通学距離、通学時間等の地理的条件や、市域全体の配置バランス等を踏まえて設置されたものであり、現在の11中学校の立地状況は概ね妥当であることから、既存の中学校を閉校して新たに中学校を開校することは、極めて影響が大きいと言わざるを得ません。
以上の理由から、山直南小学校所在地あるいはその隣接区域における小中一貫校の新設は、できないものと考えています。
要望書 2.要望の理由(1)
第二次世界大戦後、新しい教育制度になって以来、山直南小学校の児童は、卒業と共に、(1)包近町・山直中町、(2)稲葉町・積川町という2つに分かれて中学校に行くという差別待遇を受けてきました。今回、長い差別の歴史を反省して、それが是正されるのかと思っていましたが、差別した経緯を、そのまま歴史的遺産の様に引き継ぐ案を出されたことは全く残念でならず、地元民からの要望で掲題の山直南地区での小中一貫校の新規設立を求めます。
上記に対する教育委員会の考え方
本市の中学校は、戦後、新制中学校の実施を含む教育基本法と学校教育法が施行されたことに伴い、昭和22年4月に6つの中学校が創立された当時、山直南校区については、岸和田市立第5中学校(現在の久米田中学校)が通学校となっていました。
その後、昭和23年4月1日に山滝村が岸和田市に編入されたことに伴い、同年同日から、岸和田市立第7中学校(現在の山滝中学校)の通学区域は、山滝小学校区、稲葉町、積川町、上白原町、神於町として改正されています。これは、中学校までの通学距離、通学時間等の地理的条件や、各学校の学校規模のバランス等を勘案して決定されたものであり、このことをもって、稲葉町会では差別とされていますが、その決定には、教育行政上の観点から合理的な理由があるものと考えています。
一方、1つの小学校から2つの中学校に通学区域が分かれることについては、義務教育9年間を通じた学びを保障する上で大きな課題であると認識しており、適正規模の確保と適正配置の取組を通じて、速やかに解消していくべきと考えています。
要望書 2.要望の理由(2)
教育委員会の案では自宅から小学校までの距離が遠すぎる。
教育委員会の出した案では、(1)包近町・山直中町の児童は、山直北小学校に、(2)稲葉町・積川町・岸の丘町の児童は山滝中学校所在地に行くということですが、児童にとって歩行での通学には学校が遠すぎます。
問題がある場合には、スクールバス等の手配をするということですが、スクールバスには、出発時刻等の制限が有り、各家庭に負担が増すことは明らかであり、自治会として在住者の負担増を容認することはできません。
上記に対する教育委員会の考え方
国においては、徒歩や自転車による通学距離について、小学校で4キロ以内、中学校で6キロ以内という基準はおおよその目安として引き続き妥当としていますが、教育委員会としては、このような距離だけでなく、児童生徒の状況や、交通事情等を総合的に勘案して、スクールバスを導入する方針です。他府県や近隣市ではすでにスクールバスが導入され、地域・保護者等のご理解とご協力により、支障なく運用されています。
安心・安全な通学環境を確保することは、教育委員会としての責務であり、今後、地域・保護者の皆様とともに具体化を検討していきます。
要望書 2.要望の理由(3)
教育委員会の案では、現・山滝中学校所在地に小中一貫校を新設するとありますが、そこで予想される児童数は、現・山直南小学校の児童数より少なくなり、現・山直南小学校を2分する必然性がありません。教育委員会が出した今回の適正規模案が容認されるのなら、我々は山直南小中一貫校の新規設立を求めます。
上記に対する教育委員会の考え方
山直南校区については、岸の丘町の住宅開発等に伴い、仮に300世帯で1000人程度の入居者があり、100人程度の児童が増えたとしても、令和8年度の山直南小学校の児童数は250名程度となり、小規模校として適正化を検討する学級数を上回ることはなく、その後は、さらに小規模化していく見込みであることから、そのまま存置することはできません。
また、中学校の新設や移設によって山直南小中一貫校を整備することができないのは、1でご説明したとおりです。
要望書 2.要望の理由(4)
地域自治の継続性を求めるので、教育委員会の案に反対する。
山直南校区は、戦前より山直上村として独立性を保って存続してきました。現在も、山直南校区として独立しており市民協議会を始め、老人クラブ、青年団、年番等の祭礼関係者も山直南校区として独立しています。今回の教育委員会の案は、山直南校区を分割し、名称をこの世から消滅させることにより、地域が持っていた歴史的継続性を、この世から抹殺してしまうことになる暴挙です。このような暴挙には地元住民として反対せざるを得ません。
上記に対する教育委員会の考え方
小学校は地域の皆様に支えられ、育まれてきたものであり、教育以外にも、地域の皆様の地域活動の拠点としての機能を有することは承知しておりますが、そのあり方については、まずは子どもたちの教育の場であることを最優先に考えるべきものと考えます。
今回の適正規模・適正配置は、子どもたちが将来にわたってより良い教育環境の下で、充実した学校教育を受けることができるようにするためのものであり、子どもたちの教育を最優先にした取組です。
地域自治の継続性のためという理由で、子どもたちの将来の教育を左右する適正規模・適正配置の取組みを止めることはできません。今回の取組みにより閉校となり、使用しなくなる学校施設については、地域の方々のご意見も踏まえ、幅広い視点から有効に利活用される方策を検討するなど、引き続き、市長部局と連携して地域のコミュニティ活動を支援していきます。
要望書 2.要望の理由(5)
山直北小学校の規模が拡大しすぎる。
教育委員会の案では、山直南小学校の廃校に伴い、(1)包近町・山直中町の児童を山直北小学校に入れることになっていますが、資料によると、その場合の児童数は、教育委員会の適正規模を超えることになります。資料より先の将来の児童数は未知ですが、これは明らかに問題です。この点からも教育委員の案には反対です。
上記に対する教育委員会の考え方
令和8年度の(仮称)山直小学校の児童見込数は約900人、23学級の見込みであり、大規模校として適正化の検討対象となる25学級以上の学校規模には該当しません。その後の児童数は減少傾向となり、令和13年度には学校全体で20学級と、現在の山直北小学校と同程度になる見込みです。
教室数の確保や安全面の確保については、校舎の建替え工事等により、適切に対応していきます。
要望書 2.要望の理由(6)
現山滝小地区・東葛城小地区の児童について
教育委員会の案では、新・山滝小中一貫校に、現山滝小地区・東葛城小地区の児童が入るということですので、一言付け加えますと、山直南地区に新設を要望する小中一貫校に、現山滝小地区・東葛城小地区の児童が入るか否かは、山滝地区・東葛城地区の住民が決めることだと考えます。
上記に対する教育委員会の考え方
現山滝小地区・東葛城小地区の児童の通学先については、現在の実施計画(第1期)(案)に基づいて、各学校の児童・保護者、地域の皆様とともに協議していきます。
令和3年4月8日提出 請願署名における請願内容について
【請願署名 内容】
山直南小学校を廃校とし、山直南小学校の児童を
山直北小学校と山滝小中一貫校に分散させる教育委員会の案に反対し、
現・山直南小学校所在地あるいは、その隣接区域に、
新しく小中一貫校を新設することを請願する。
【署名数】
岸和田市内在住者:1176名
岸和田市外在住者:47名
合計:1223名