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6月12日(水曜日)、市内在住の山田さんが育てる珍しい植物「チーゼル」が花を咲かせたと聞き、畑へお邪魔しました。
チーゼルとはマツムシソウ科の2年草で、ヨーロッパ原産の植物です。大きなグリーンのつぼみに薄紫の花を咲かせるユニークな面持ちで、背丈の大きいものは2メートルを超えます。
その特徴はなんといっても鉤爪状になった棘! チーゼルは、古くからニットの起毛に用いられてきた植物で、今でも国産ニットの聖地・新潟県などで重宝され、高級ニットの起毛に使われているとのこと。実際に触ってみるとチクチクで、触れた指の皮がめくれるほど鋭利!
「昔は上町周辺で盛んに栽培されていて、自分も50年ほど前(!)から栽培している。時代の変化とともに作り手が減り、今は知る人ぞ知る存在になってしまった。〈この植物を絶やしてはならない〉という思いで毎年育てていますが、今年はたくさん元気に育って嬉しい。手間はかかるけど面白い植物ですよ」と話す山田さん。
今では貴重なチーゼルの作り手とあって、マスコミや全国のニット工場から取材・問い合わせが入ることもあるそうですが、山田さんはこの状況を嬉しく感じているとのこと。
繊維業で栄えたまち・岸和田でひっそりと、そして連綿と続く「チーゼル」の栽培。多くの人がその存在を知り、興味を持ち、実際に育ててくれる環境になれば素晴らしいですね!