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3月3日(金曜日)のひな祭りの日に、河合町を訪ねました。この地域では毎年、3月3日に「ひなあらし」と呼ばれる行事が行われています。
「ひなあらし」は、「ひなさん 荒らしに来たで」の掛け声とともにひな人形を飾っている家庭を回る子どもたちに、大豆とあられを炒ったものを振舞います。最近では大豆ではなくお菓子を用意し子どもたちに手渡します。河合町だけでなく内畑町周辺でも見られる行事です。
(内畑町では「ひなさん見せて 豆おくれ」の掛け声が使われているそうです。)
参加していた子どもたちに話を聞くと、今は「ひなさん 荒らしに来たで」は恥ずかしさもあり言わないけれど、その掛け声は知っていると教えてくれました。付き添いで来ていた、親御さんたち世代が子どものころは、実際にその掛け声で各家庭を訪ねていたそうです。
この日は幼稚園から小学生までの約20人ほどが一つのグループになり、町内の10軒ほどの家庭を回りました。子どもたちは大きなカバンを片手に「めっちゃ楽しみ」と話しながら、「ひなあらし」がスタートしました。
どのご家庭もたくさんのお菓子を準備し、子どもたちが来ると笑顔で迎え入れてくれました。入り口には「きてくれてありがとう」や「ひなあらしはこちら」などが書かれた、お手製のポスターが張られているご家庭も。
坂道が多く、大人たちがへとへとになる中、子どもたちは元気いっぱいに一軒のお宅が終わるとすぐさま、次のお宅へ向かっていました。
最後のお宅を回り終える頃には、持ってきたカバンはお菓子でパンパンになっていました。
地域の人たちが一丸となって、昔ながらの行事を守り、子ども達のために取り組んでいる姿は素敵だなと感じました。これからも大切にしていきたいですね。