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岸和田市議会議員一般選挙に係る当選の効力に関する異議申出に対する決定の告示について
岸和田市議会議員一般選挙に係る当選の効力に関する異議申出に対する決定の告示について
平成31年4月26日付で提起された平成31年4月21日執行の岸和田市議会議員一般選挙における当選の効力に関する異議申出に対して、岸和田市選挙管理委員会(以下「当委員会」という。)は次のとおり決定し、公職選挙法第215条に基づき、その要旨を告示しましたので、お知らせします。
1.告示日
令和元年5月22日
2.異議申出人
高比良 正明(候補者)
3.主文
本件異議申出を棄却する。
4.異議申出の趣旨
平成31年4月21日執行の岸和田市議会議員一般選挙における最下位当選人岡林憲二の当選を無効とするとともに、異議申出人を当選人とすることの決定を求める。
5.異議申出の理由
(1)申出人の名字は「たかひら」であり、岸和田市内では非常に珍しい姓であることから、本件選挙期間中も「たかはら」などと錯誤されやすく、有権者からも間違った呼びかけがなされることがしばしばあった。
(2) 本件選挙における開票作業は、多くの市民の一刻も早く当選人を知りたいとの希望に当委員会が応えるため、開票の速報を公表しているが、これらは一般的な岸和田市の事務とは異なる性格の事務であり、限られる時間内での事務であることから、本件申出のような無効票の確認が不十分となる蓋然性があり、当委員会において、上記に示す錯誤について、開票作業に当たった職員等に対して、十分に周知されうる事前知識もなかったと推測される。
(3) 2017年の奈良市長選で落選した候補者が開票に不正があったとして当選の無効 を求めた裁判で、大阪高裁は原告の訴えを棄却しているが、2018年12月に一部の無効票627票について異例の検証を行い、無効票のうち8票を有効投票と解釈できるとしている。
(4) 申出人が開票立会人を開票作業に立ち会わせる申出もしなかったため、「たかはら」などの記載やくずし字などで「たかひら」と読みにくい票があった場合は、それを無効として判別された可能性がある。
以上のことから、無効票599票中に申出人の有効票となりうる票が16票以上見込まれるものである。
6.決定の理由
当委員会は、本件異議申出を適法なものと認め、これを受理し、当選の効力について審理した。
当委員会が審理した結果は次のとおりである。
(1)申出人が当選の効力について疑義を示している候補者、及び申出人の得票数は4月21日開会の選挙会において、次のとおり決定されている。
岡林 憲二 1641票(当選)
高比良 正明 1626票(落選)
(2)申出人は、限られた時間内における開票作業において、「たかはら」などの錯誤の可能性がある票について、当委員会が開票作業にあたった職員等に対し、十分に周知されうる事前知識もなかったと推測されるとしている。
当委員会事務局職員に聴取したところ、4月18日に開票事務主担者打合せ会を開催し、開票事務の流れ、担当事務の内容及び注意事項等を、また同日開催の審査係打合せ会では、公職選挙法の規定や判定例を参考に判別すること、及び判別し難い票は、詮議とするよう徹底している。
さらに、審査係打合せ会の内容に則り、開票事務を進めたことを審査担当者より確認した。
(3) 申出人は、開票立会人を立ち会わせる申出もしなかったことから、無効票として判別された票のうち申出人の有効票となりうるものが存在する蓋然性があるとしているが、本件選挙の選挙会において、選任された8名の選挙立会人は、開票手続き、投票の効力の決定等において、異議申し立てがなく閉会している。
以上のことから、当委員会は開票事務における無効の判定については適正に行われたものと認め、申出人の主張する得票の確認により、得票数に影響をおよぼさないため、選挙会の当選確定は適法であると判断する。
よって、当委員会は、本件異議申出を棄却する。
7.その他
なお、この決定に不服があるときは、この決定書を受け取った日から21日以内に、大阪府選挙管理委員会に対し、書面により審査を申し立てることができる(公職選挙法第202条第2項) 。