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新たに市の有形文化財を指定しました
下記の文化財を市の有形文化財(彫刻)に指定しました。
名称および員数
木造十二神将立像(もくぞうじゅうにしんしょうりゅうぞう)12躯
所有者
宗教法人泉光寺
所在地
岸和田市門前町2―4―1
時 代
南北朝時代
指定年月日
平成26年5月1日
説 明
十二神将は、薬師如来と薬師経を信仰する人々を守るとされ、甲冑を着けた武将の姿で表現されます。古くから十二支と結び付けて信仰されてきました。この仏像は、泉光寺本堂に隣接する薬師堂内に安置され、頭頂部に十二支を表す彫刻があり、それぞれ子神像・丑神像などと呼んでいます。像の高さはいずれも50cm前後です。
12躯のうち、未神像と戌神像の台座に墨書銘があります。未神像の銘から、本像が元は「泉州日根郡大井関法花寺」に安置されていたこと、康永2(1343)年に根来寺の山籠快基という人物の発願により、根来寺において「大仏師法□慶円」が製作したことがわかります。「大井関法花寺」は今の日根神社(泉佐野市)にあった寺院ですが、他に記録がなく詳細はわかりません。作者は名前に「円」がつく仏師の流派である円派の一人と考えられています。根来寺内で仏像が製作されていたことを示す資料としても注目されています。
戌神像の墨書銘は磨滅が著しいのですが、「正平廿三年(1368年)」の年号が認められます。銘のない他の仏像も作風や大きさもよく似ており、南北朝時代に製作された一組の十二神将像と考えられます。本市内で確認される十二神将像の最古の例であり、美術史資料として、また歴史的資料としても文化財的価値は高く、このたび市の有形文化財に指定しました。
なお、拝観希望の場合は、予め泉光寺(072-427-5610)までご連絡ください。
未神像
未神像台座裏の銘文