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体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2020年11月1日掲載

子どもの権利が守られる体罰のない社会 へ

児童虐待の相談 対応件数は増加の一途をたどっており、子どもの命が失われる痛ましい事件が続いています 。
この中には、保護者が「 しつけ 」と称して暴力・虐待を行い、死亡に至る等の重篤な結果につながるものもあります。
こうしたことを踏まえ、2019年6月に成立した児童福祉法等の改正法において、体罰が許されないものであることが法定化され、2020年4月1日から施行されました。
今回の法改正による体罰禁止は、親が痛みや苦しみを利用して子どもの言動を統制するのではなく、体罰等によらない子育てを推進するため、子育て中の保護者に対する支援も含めて社会全体に啓発していくための取組の一環です。
法律の施行を踏まえ、子どもの権利が守られる体罰のない社会を実現していくためには、一人ひとりが意識を変えていくとともに、子育て中の保護者に対する支援も含めて社会全体で取り組んでいかなくてはなりません。

しつけと体罰

しつけとは、子どもの人格や才能等を伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにすること等の目的から、子どもをサポートして社会性を育む行為です。
親は、子どもを養育し、教育するためのしつけをしますが、 時には、しつけとして子どもに体罰を与えようとすることもあるかもしれません。
たとえ、しつけのためだと親が思っても、身体に、何らかの苦痛を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止されます。

これらは全て体罰です

・言葉で3回注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた
・大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた
・友達を殴ってケガをさせたので、同じように子どもを殴った
・他人のものを取ったので、お尻を叩いた
・宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった
・掃除をしないので、雑巾を顔に押しつけた
体罰以外の怒鳴りつけたり、子どもの心を傷つける暴言なども、子どもの健やかな成長・発達に悪影響を与える可能性があります。子どもをけなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動は、子どもの心を傷つける行為で子どもの権利を侵害します。

なぜ、体罰はいけないのか

体罰等が子どもの成長・発達に悪影響を与えることは、科学的にも明らかになっており、体罰等が繰り返されると、心身に様々な悪影響が生じる可能性があることが報告されています。
例えば、親から体罰を受けていた子どもは、全く受けていなかった子どもに比べ、「落ち着いて話を聞けない」「約束を守れない」「一つのことに集中できない」「我慢ができない」「感情をうまく表せない」「集団で行動できない」という行動問題のリスクが高まります。
また 、体罰は、親子関係の悪さ、周りの人を傷つける等の反社会的な行動、攻撃性の強さ等との関連が示されています。

虐待や体罰 、暴言を受けた体験がトラウマ(心的外傷)となって、心身にダメージを引き起こし、その後の子ども達の成長・発達に悪影響を与えます。

体罰等による悪循環

子どもが言うことを聞いてくれなくて、叩いたり怒鳴ったりしたくなることがあるかもしれません。
子どもは、叩かれたり怒鳴られたりすると、恐怖心等から一時的に言うことを聞くかもしれませんが、これは、どうしたらよいのかを自分で考えたり、学んでいるわけではありません。
このようなやりとりは、根本的な解決にはならず、むしろ子どもに暴力的な言動のモデルを示すことになります。つまり、自分も周りの人に対して同じように振る舞ってよい、と子どもが学ぶきっかけにもなり得ます。
子どもが保護者に恐怖心等を抱くと、信頼関係を築きにくくな るため、悩みを相談したり、心配事を打ち明けたりすることが難しくなります。
子どもが安心できる場であるはずの家庭が、自分の居場所であると感じられなくなり、対人関係のトラブルや非行、犯罪被害など、別の大きな問題に発展してしまう可能性があります。

体罰等によらない子育ての工夫

子どもとの関わりの工夫

1.子どもの気持ちや考えに耳を傾けましょう
相手に自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたという体験によって、子どもは、気持ちが落ち着いたり、大切にされていると感じたりします。
異なる考えや意見を持っていたとしても、まずは耳を傾けて、その上で、自分は違う考えを持っていることを伝えてみるのも一つです。
子どもに問いかけをしたり、相談をしながら、どうしたらよ いかを一緒に考えましょう。

2.「言うことを 聞かない」 にもいろいろ あります
保護者の気をひきたい、子どもなりに考えがある 、言われていること を子どもが理解できていない 、体調が悪いなど、様々です。
「イヤだ」 という のは、子どもの気持ちです。こうした感情を持つこと自体はいけないことではありません。
重要なことでない場合、今はそれ以上やり合わない、というのも 一つの方法かもしれません。

3.子どもの成長・発達によっても異なることがあります
子どもの年齢や成長・発達の状況によって、できることとできないことがあります。
また、大人に言われていること が理解できず、結果として「言うことを聞かない子」と見えることもあります。
子どもによって成長・発達の状況にも差があることを理解することも大切であり、そのばらつきによって子ども自身が困難を抱えているときは、それに応じたケアが必要なこともあります。

4.子どもの状況に応じて、身の周りの環境を整えてみましょう
乳幼児の場合は、危ないものに触れないようにするなど、叱らないでよい環境づくりを心がけましょう。
子どもに触られたくないものは、見えないところや届かないところにしまうなど、環境を変えることで、イライラすることが減ることもあります 。
子どもが困った行動をする場合、子ども自身も困っていることがあります。
例えば片付けをしない場合、何をどこに置いたらよいかが分かると、自分で片付けがしやすくなるかもしれません。

5.注意 の方向を変えたり、 子どものやる気に働きかけてみましょう
子どもはすぐに気持ちを切り替えるのが難しいこと もあり、待つことで子どもの気持ちや行動が変化するかもしれません。
場面を切り替えること(家から出て散歩をする等)で注意の方向を変えてみてもよいでしょう。
課題に取り組むことが難しい等の場合は、子どもが好きなことや楽しく取り組めることなど、子どものやる気が増す方法を意識してみましょう。

6.肯定文でわかりやすく 、時には一緒に、お手本に子どもに伝える
大声で怒鳴るよりも 、「ここでは歩いてね」など、肯定文で何をすべきかを具体的に、また、穏やかに、より近づいて、落ち着いた声で伝える と、子どもに伝わりやすくなります。
「一緒におもちゃを片付け よう」と共に行うことで、やり方を示したり教えたり、静かにしていなくてはならない場所に行くとき は、小さな声で話す練習をしてみる等も一つの方法です。

7.良いこと、できていることを具体的に褒めましょう
子どもの良い態度や行動を褒めることは、子どもにとって嬉しいだけでなく、自己肯定感を育むことにもなります。
「靴をそろえて脱いでいるね」など、肯定的な注目を向ける ことで、その態度や行動が増えることにもつながります。
結果だけではなく、頑張りを認めることや、今できていることに注目して褒めることも大切でしょう。
子どもの態度や行動を褒めるときは、何が良いのかを具体的に褒めると、子どもにより伝わりやすくなります。

保護者自身の工夫

否定的な感情が生じたときは、まずはそういう気持ちに気付き、認めることが大切です。そして、それは子どものことが原因なのか、自分の体調の悪さや忙しさ、孤独感など、自分自身のことが関係しているのかを振り返ってみると、気持ちが少し落ち着くことがあるかもしれません。
子どものことより、自分の状況(時間や心に余裕 がない等)が関わって いる ときは、深呼吸して気持ちを落ち着けたり、ゆっくり5秒数えたり、窓を開けて風にあたって気分転換するなど、ストレスの解消につながりそうな自分なりの工夫を見つけられるとよいでしょう。
子どもと関 わる中でいろいろな工夫をしても、上手くいかないこともあります。そのようなときは、周囲の力を借りると解決することもあります。子育て相談窓口や保健センターなどへ相談するのも一つです。
まだ気付いていない支援やサービスに出会えたり 、それによって疲れやイライラが軽減 したりするかもしれません。

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