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小出秀政(こいでひでまさ) 1540~1604
小出秀政は、豊臣秀吉の家臣で、室は秀吉の叔母。秀吉と同じく尾張国中村(名古屋市)出身。天正13(1585)年、根来寺攻めの後、秀吉から岸和田城主に任命され、岸和田・貝塚周辺に4千石の領地を与えられました。その後、次第に加増され、和泉国内に3万石を領する大名となりました。
それ以前の岸和田城は、石垣や櫓もなく、堀と土塁で館を囲った程度の粗末な城だったようで、秀政は岸和田城の整備にかかり、天守閣も慶長2(1597)年に完成し、近世城郭としての体裁が整いました。また、城下町建設にもかかり、本町・中町周辺を中心に城下町が形成されました。秀政は城下町岸和田が誕生し、地方都市として発展する端緒を開いた城主でした。
参考文献
『岸和田藩の歴史』(岸和田市立郷土資料館 1995年)
『戦乱の中の岸和田城―石山合戦から大坂の陣まで―』(岸和田市立郷土資料館、2004年)
『岸和田市史』第3巻(岸和田市 2000年)
小出秀政宛豊臣秀吉知行方目録(和泉市 新川善清氏蔵)