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報道発表 「第33回 濱田青陵賞受賞者の決定」

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2021年7月28日掲載

概要

 令和3年7月12日、朝日新聞大阪本社で行われた濱田青陵賞運営協議会並びに選考委員会において、第33回濱田青陵賞の受賞者が、大阪大学大学院文学研究科東洋史学研究室准教授河上麻由子氏に決定しました。
 授賞式式典、記念シンポジウムは秋以降に開催予定。

詳細

受賞者プロフィール

受賞者氏名

河上麻由子(かわかみ まゆこ)

大阪大学大学院文学研究科東洋史学研究室准教授

河上麻由子さんの写真

経歴

1980年 1月23日 北海道生まれ(41歳)

2002年 北海道大学文学部人文科学科卒

2008年 九州大学大学院人文科学府博士後期課程単位取得退学 

2010年 九州大学にて博士号取得(文学)

2014年 奈良女子大学准教授 

2021年 大阪大学大学院文学研究科東洋史学研究室准教授

主な論著

「ベトナムバクニン省出土仁寿舎利塔銘、及びその石函について」『東方学報』 (京都第88冊、2013年)

『古代アジア世界の対外交渉と仏教』(山川出版 2011年)

『東アジアの礼・儀式と支配構造』共著(吉川弘文館 2016年)

『日本的時空間の形成』共著(思文閣出版、共著 2017年)

「論日本古写経中的«廣弘明集»:以巻二十二和巻三十為中心」『域外漢籍研究集刊』15(2017年)

『古代日中関係史』(中公新書 2019年)

「唐滅亡後の東アジアの文化再編」『国風文化 貴族社会の中の「唐」と「和」』(岩波書店 2021)

受賞理由

「仏教文化の視点による古代東アジアの対外交渉史の研究」

授賞理由概略

 河上氏はこの春、奈良女子大から大阪大に籍を移し、古代の東アジア外交、特に日中交渉史において「仏教」という視点から切り込む研究を意欲的に続けている。主に文献からのアプローチだが、その広い視野は古代日本が国際社会の一員として国造りに邁進していた時期の考古学にも大きな刺激を期待できる。
 その著書『古代アジア世界の対外交渉と仏教』は、中国南北朝・隋唐時代の仏教における政治外交的な機能を史書や仏典、出土文字資料を通して解明した。南朝から盛んになった為政者の仏教崇拝に対し、諸外国の対中国政策を分析、イスラム勢力への対抗などその政治的意図を読み解く一方、隋唐における皇帝たちの仏教勢力へのアプローチを受菩薩戒の視点から探った。日本もまた、遣唐使による仏教的朝貢を介して中国との交渉に向き合いつつ、国内的にも、孝謙天皇の受戒に唐の則天武后にならった仏教による権威強化の影響をみるなど、古代アジア世界におけて広く仏教外交が展開していたことを明らかにした。
 『宋書』が描く倭の五王の5世紀から遣唐使終焉の9世紀までを通史的にとらえた一般向けの中公新書『古代日中関係史』は「古代歴史文化賞」(5県共催)の優秀作品にも選ばれた。特に6世紀の百済からの仏教伝来については日本が積極的に「導入」したとし、仏教の理解が当時の東アジア外交に欠かせない教養であるとしてその重要性を力説した。また、隋の煬帝への倭国書状における対等さを主張した『隋書』の有名な記述について、その背景に、仏教復興を推進する中国皇帝を日本側が「菩薩天子」として称え、潤滑な外交手段とした視点を提供するなど、多角的で複眼的な研究を進めている。その旺盛な研究姿勢と斬新な視点が高く評価された。

岸和田市文化賞「濱田青陵賞」とは

 濱田青陵賞は、岸和田市にゆかりが深く、我が国考古学の先駆者として偉大な功績を残され、多くの後進を育成された濱田耕作(号 青陵)博士没後50年にあたる1988年に、「岸和田市文化賞条例」に基づき、岸和田市と朝日新聞社が創設しました。
 博士の業績を称えるとともに、我が国考古学の振興に寄与する目的で、業績のあった新進の研究者や団体を広く選考し表彰するもので、今回で33回目を迎えます。

問合せ先

生涯学習部郷土文化課 (電話:072-423-9688)


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