ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織でさがす > 広報広聴課 > 風物百選 59 久米田寺

風物百選 59 久米田寺

印刷用ページを表示する 2009年3月3日掲載

久米田寺の油彩油彩 美濃部勝行

 4月21日は久米田寺の縁日で、近くに住む私たちは"21日のおだいっさん(お大師)"といって楽しみにしていました。
 昔は気候が順調だったので、そのころから人々は"たけのこ(羽織を脱ぐこと)"になりセルの単衣(ひとえ)(毛織)に帯をしめた姿がたくさん見られました。朝からしゅんのタケノコとフキ・シイタケ・高野豆腐・カマボコ等の煮しめや巻きずしを重箱につめて、昼ごろには"おだいっさん"へと集まってきます。寺の周りのあちこちに、ムシロやゴザを敷き詰めて、親類の人を招いているところや、従業員のある家では、その人たちと共に"春ごと(行楽)"をしたものです。子どもたちも、授業が終わると急いで帰り、家にカバンを置くと直ぐ久米田寺へと向かいます。境内にはたくさんの露店が並びました。印象に残っているのは、バナナのたたき売りでした。子ども心に、桜の花が咲いているころだったら、もっともっといいのに、とよく思ったものです。
 久米田寺の桜は、今もなお美しく、花時には八角堂の周りにゴザを敷いて、酒宴を張る人々の姿が見えます。
 7月15日には、参拝者がうちわをもらって帰ります。道を行く人がうちわをもっているのを見ると夏の風情があるので、子どものころ、朝早くもらいに行ったことが思い出されます。
 また秋祭りは"行基参り"ということで十余台の地車が境内に入り、笛や太鼓の音で大変にぎわいます。正月は、千本つきなどの行事があり、久米田寺はほんとうに1年中、私たちを楽しませてくれるのです。この久米田寺から歩いて5分とかからない所に生まれ育ったことを、私はしみじみと幸せに感じています。

文 西河輝子

資料

 僧行基(ぎょうき)が、天平10年(738年)に開基したが、永禄年間の三好氏と畠山氏の戦火で焼失。現在の建物は、江戸時代中期に再建されたものである。久米田寺所蔵の文書のうち、「楠家文書」などが、国から重要文化財として、指定されている。

交通

 バス停久米田から南東600メートル


 この「岸和田風物百選」は、岸和田市の市制60周年記念事業の一つとして昭和58年(1983年)に制作されました。

 そのため、内容が古くなっている部分もありますが、交通手段を除いて、原本に忠実に再現しています。これは、実際に現地を訪れた際に、この間の時の移り変わりを感じていただければとの考えからです。