ページの先頭です。 本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 総合政策部 > 広報広聴課 > 風物百選 27 南海岸和田駅

本文

風物百選 27 南海岸和田駅

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2009年3月3日掲載

南海岸和田駅の油彩油彩 重光となみ

 岸和田市の玄関、南海岸和田駅はもう50年以上もの年月を経ている。ドームの正面、半円型の明かり窓はところどころガラスが破れ、天井の黒ずんだ壁もはがれている。でも、装飾の施されたひさしまわりにはクラシック調がただよい、昔の名残りをとどめている。喜びや悲しみを秘めてこの駅を乗り降りした人は数えきれまい。
 だんじり祭りのためにわざわざ帰郷する若者たちは、赤いちょうちんに飾りたてられたホームに胸をときめかせて降り立ったに違いない。祭りの当日の駅は人の波。まっすぐにのびた商店街を勢いよく駆け抜けて来ただんじりは、次々に駅前で見事なかじ取りを見せて方向転換し、屋根の上の大工方は誇らしげに踊り狂う。
 祭りの後、再び静けさを取り戻した駅には、赤い羽根募金の人が立つ。新空港建設反対の人、選挙演説をする人と、駅はその時々の顔を見せて年月を重ねていく。
 駅のすぐ横のバス待合所がまた古めかしい。天井が低く暗く、垢じみたいすは、なじめない者には座りにくい。でも、しばらく座って、土地のなまりで話し合っているおばあさんたちの話を聞くともなしに聞くのも面白い。少し酔っぱらった男が、戦争でなくした父親のことを、だれに言うともなくくどくどと話していたこともあった。何でも新しいものに変わっていく世の中で、いつまでも残ってほしいたたずまいの一つである。

文 莨谷雪子

資料

 明治30年に、岸和田駅ができたが、現在の駅舎は、昭和4年に建てられた二代目のものである。南海電鉄の駅舎で、昭和初期以前に建てられたものは残り少なく、近代建築様式をとどめるものとして貴重である。しかし、連続立体交差化事業に伴い、近い将来姿を消すことになっている。


 この「岸和田風物百選」は、岸和田市の市制60周年記念事業の一つとして昭和58年(1983年)に制作されました。

 そのため、内容が古くなっている部分もありますが、交通手段を除いて、原本に忠実に再現しています。これは、実際に現地を訪れた際に、この間の時の移り変わりを感じていただければとの考えからです。


Danjiri city kishiwada