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神於山保全活用推進協議会について
神於山の自然再生について
神於山は、今も昔も、地域で生き、暮らす人や動植物にとって恵みの山です。人々は神於山の自然と共生した生活を営んできました。
しかし、燃料革命以降、人々はエネルギーとして、山の恵みをあまり必要としなくなり、人と山の共生関係は崩れてしまいました。人の手があまり入らなくなった神於山はバランスを崩してその姿を変えてしまいました。竹やつる性の植物が繁茂し、植物相が激変しました。また、心無い人によるゴミの不法投棄の場になるなど、今までにない荒れた山となってしまいました。
平成10年頃から昔の里山の姿を取り戻そうという機運が高まり、さまざまな活動がおこなわれるようになりました。
平成15年には地域住民だけでなく公共団体も含めた36団体で構成される神於山保全活用推進協議会を立ち上げました。
そして自然再生推進法の適用を受け、現在も、漁業林業者、ボランティア、社会奉仕団体、学校、企業など、たくさんの方々が里山再生・自然再生のために活動しています。
その結果、当初問題とされていた荒れた山は、少しずつ昔の姿を取り戻し始めました。
ここでは、神於山での自然再生活動について紹介します。
神於山保全活用推進協議会
協議会では、町会をはじめ、市民協議会、ボランティア団体、社会奉仕団体、企業などたくさんの団体が参加しており、現在会員は43団体になっています。
協議会では、平成16年度に策定した「神於山地区自然再生全体構想」、平成17年に策定された「自然再生整備事業-神於山地区生活環境保全林自然再生事業実施計画書-」をもとに、子どもから大人までが集える里山の再生を目指しています。
また、活動開始後、新たに出てきた課題、団体間の連携や後継者の確保などについて方針を定めた、「神於山自然再生活動指針」を平成24年に策定しました。
自然再生整備事業-神於山地区生活環境保全林自然再生事業実施計画書- [PDFファイル/5.98MB]
神於山自然再生活動指針はこちら [PDFファイル/11.4MB]
(神於山自然再生活動指針【概要版】はこちら [PDFファイル/4.8MB])
神於山保全活用推進協議会の活動団体
特定非営利活動法人 神於山保全くらぶ 【Wood・木・樹(ウッキッキ)】
「Wood・木・樹の森」(7.0ha)
市の事業として実施した「里山ボランティア育成入門講座」の卒業生が中心となって組織されました。平成19年4月には「特定非営利活動法人」を取得し、平成23年には結成10周年を迎え、記念誌を刊行しました。
岸和田市有地内の約7haを中心に、「楽しむ、続ける、拡げる、伝える。」をモットーに、育林、竹林管理、自然調査、里山資源の利用、環境学習、自然啓発など、多岐に渡った活動に取組んでいます。「Wood・木・樹の森」の愛称があり、担当エリアでは、暗い森、明るい森、マント群、竹林など、生物多様性に配慮したきめ細やかなエリア分けを行い、それぞれの環境に適した作業が行われています。
現在、会員約90名で「ササユリが咲き、オオムラサキが舞う森」をコンセプトとした活動を行っています。また、活動の担い手育成を目指す「里山ボランティア育成入門講座」の受託や地元小学校による教育林保全活動のサポートなど、岸和田市の実施する事業にも貢献しています。
活動日にはいつもワイワイと楽しみながら作業をしています。
メンバーは、山仕事の経験がない人がほとんどですから、鎌で刈り、ノコギリで切るという昔ながらのやり方で無理せず作業を進めています。
この活動に興味がある方や自然と親しみたい方、森を美しくしたいという方は一度参加してみませんか。きっと新たな体験、発見があると思います。
詳しくは 特定非営利活動法人 神於山保全くらぶページへ https://kounoyama.jimdofree.com/
光明連合座中
光明連合座中とは、岸和田市の光明地区の氏神である菅原神社の氏子が集まり、神社や神社が所有する社寺林の管理することなどを目的とした団体です。いうなれば、協議会の中でも最も古くから活動している団体のひとつです。
平成15年9月神於山保全活用推進協議会が設置されると同時に協議会会員となりました。神於山にヤマザクラを植樹し、毎年2回社寺林を清掃、維持管理を行っています。
大阪府漁民の森づくり”魚庭(なにわ)の森づくり”協議会
大阪湾を豊かな漁場として育むため、森、川、海をつながっている自然として捉え、漁業者、府、市町村、森林関係者、ボランティアが連携をはかりつつ、府内河川上流域に存する森林への植樹・育林活動を通して組織的に漁民の森づくりを行うことを目的として、平成13年12月6日に魚庭(なにわ)の森づくり協議会は設置されました。
神於山は春木漁港に注ぐ春木川の源流であることから、主要活動地として選定されました。放置竹林を伐採した後(切り出した竹は大漁旗の竿として利用)、平成15年度の大阪府植樹祭で広葉樹の植樹を行い、その後草刈りや補植などの活動を行っています。
シャープ社友会 チーム神於山
「シャープの森」 (2.0ha)
森林整備を通じて地球温暖化防止や生物多様性の保全に貢献したいという企業と、整備を必要としている森林とを結びつける「アドプトフォレスト制度(*)」を活用し、シャープ株式会社が、この制度活用大阪府下第1号として、平成18年4月1日、岸和田市、大阪府と調印書を交わしました。
平成18年度は植林、平成19年度以降は育林と整理伐採に加え、ビオトープや竹ベンチ、竹柵など、“快適作業環境づくり”に楽しみながら取り組んでいます。
平成23年4月、調印から5年が経過し、新たな取り組みとして生物多様性を視野に入れ、「フクロウが棲みつく生物多様性豊かな森」を目標に再度、活動宣言書に調印しました。
平成28年4月からは、シャープ社友会 チーム神於山が継承し、《森・いきもの・人のつながりを理解し、きずなを深め、地球環境への優しい心をはぐくむ。》をコンセプトに、フクロウの棲む森づくりに取り組んでいます。
住友ゴム工業株式会社
「G E N K Iの森」(2.0ha)
神於山における「アドプトフォレスト制度(*)」活用第2号として、平成21年1月15日に岸和田市、大阪府と調印書を交わしました。
平成20、21年度は地拵えと郷土種を用いた植栽を行いました。現在は除間伐や下草刈など、神於山G E N K Iの森のネーミングのもと“元気な命を育む里山”を目指した育林活動を行っています。
丸紅株式会社
「丸紅の森」 (1.0ha)
神於山における「アドプトフォレスト制度(*)」活用第3号として、平成23年12月20日に岸和田市、大阪府、及びNPO法人神於山保全くらぶと調印書を交わしました。丸紅株式会社のアドプトフォレストは地元NPOと協働で山の活動を実践していくことにあります。神於山においては新しい企業参画の形であり「丸紅方式」として注目されています。
「丸紅の森」では、放置された竹林を適正に管理するとともに、モミジやツツジなどの落葉広葉樹を植栽し、季節で楽しめる里山を目指しています。
岸和田市立修斉小学校
「どんぐりの森(修斉の森)」(0.1ha)
修斉小学校は、平成15年に創立120周年を迎えた歴史ある小学校で、民俗学者の宮本常一も教鞭を取ったことがあります。従来から環境教育にも力を入れており、校区内にある神於山での自然観察等を行ってきました。
「どんぐりの森(修斉の森)」では、子どもたちによる植栽・育林活動を行っています。また、森林の機能や、里山と人との関わり、山遊びを通じた環境教育で、自然に親しむ心や大切さを学んでいます。
(*)大阪府のアドプトフォレスト制度について
大阪府のアドプトフォレスト制度についての詳細はこちら(大阪府ホームページへの外部リンク)