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市立図書館「本棚リレー」第10回目も市立図書館のスタッフです
本棚リレー 6月
先月から「図書館スタッフのおすすめ本」を月替わりで紹介しています。
図書館にご来館の際には、ぜひご覧ください。
本が貸出中の場合は、気軽に予約を受付しています。ぜひカウンターまで声をかけてください。
6月のおすすめの本
「保健室経由、かねやま本館。」 松素 めぐり/著 講談社
心に問題を抱えた中学生が、その傷を癒す場所「かねやま本館」という謎の湯治場が物語の舞台。
各巻で独立した主人公がいますが、巻を追うごとに「かねやま本館」の謎が明かされてゆき、二重に楽しめるところがオススメポイント。読みやすく、読後は湯上りのように気分爽やか。
「さよなら田中さん」 鈴木るりか/著 小学館
小学6年生「花ちゃん」こと田中花実と太っ腹で明るい母とのビンボーだけど笑いに満ちた生活。
その中で、大小様々な事件が。
花ちゃんの昭和な発言やお母さんの説得力のある名言に笑ったりジーンとしたり。
著者は、当時(14歳中2)で文学界の藤井聡太と言われたが、私は文学界の芦田愛菜だと思っている。
とにかく、言葉をいろんな意味でよく知っている!
「底辺女子高生」 豊島 ミホ/著 幻冬舎
1990年代末、また陽キャ・陰キャ・パリピということばがなかった時代。
家出・保健室登校・補習の日々を経てみんなから遅れた一人だけの卒業式までの日々を自虐的に振り返ったエッセイです。
今、学校生活がしんどい方、昔しんどかった方の支えになる本だと思います。
「農ガール、農ライフ」 垣谷 美雨/著 祥伝社
ある日突然、何もかも変えてみたい!と思ったことはありませんか?
この本の主人公は、あることがきっかけで、農業をやろうと決意したものの・・。
その後の主人公については、ぜひこの本をお読みください。ちょっとしたことで、人生は大きく広がっていくもんなんだと元気をもらえる作品です。
「竜馬がゆく1 立志編」 司馬遼太郎/著 文芸春秋社
司馬遼太郎作品の魅力の深さを思った出来事がありました。
読書家の友人の父が、郊外のご自宅を売り、終の棲家となるであろう街中のマンションに引っ越した際、何回かに分けて蔵書を処分しました。
書斎に入りきらなかった全集が応接間の本箱に並んでいたことを覚えています。ロシア文学を専攻し、その他たくさんの本を読まれた方が、最後まで手放さなかった本が司馬遼太郎さんの作品の数々だったそうです。
私が読んだいくつかの司馬遼太郎作品の中では、これが一番好きです。
自分は終の棲家にどの本を持ち込むのだろうかと思いながら読み返しています。