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岸和田ブックフェスタ企画 知的書評合戦ビブリオバトルを開催しました
5月19日(日曜日)、岸和田市立図書館3階視聴覚室にて、ビブリオバトルを開催しました。
この日の発表者(バトラー)は6人でした。
播 輝子さん 「はじめてのおつかい」 筒井 頼子/さく 福音館書店
観戦スタッフからのコメント
みいちゃんがママに頼まれて牛乳を買いに出かけるお話です。表紙はみいちゃんが牛乳をもって満面の笑顔の絵が描かれています。バトラーの『大人は字が読めるがために、まず字に目がいくが、今回は絵に注目してほしい」の言葉通り読み進めていくと、表紙の絵がこの場面かなど新しい発見がありました。
岸田 等斉さん 「エトルリアの微笑み」 ホセ・ルイス・サンペドロ/著 渡辺 マキ訳 日本放送出版協会
観戦スタッフからのコメント
頑固で、無口で、昔気質の田舎育ちの老人が、都会で暮らすことになり、彼と家族の心の奇跡を描いたお話です。バトラーは図書館で表紙に惹かれ、この本に出会ったそうです。都会の生活になじめない老人が孫に出会ったことにより、どのように心に変化が起こるのか興味深いお話だと感じました。
中村 道彦さん 「書斎曼荼羅-本と闘う人々」 磯田 和一/絵と文 東京創元社
観戦スタッフからのコメント
2巻にわたり京極夏彦や小池真理子など34名の著名人の書斎を味のあるカラーイラストで再現した本です。普段知ることのできない書斎の様子がわかり、また書斎から作家の特性や創作の秘密など垣間見ることができそうで、読んでみたくなりました。
甘木 なな子さん 「一行物語世界は蜜でみたされる」 飯田 茂実/著 水声社
観戦スタッフからのコメント
物語333編をたった1行で描かれた本です。バトラーは1行なのに想像が膨らみ読み終えるのに時間がかかったそうです。あえて続きを書かず、読者の想像にまかせるこの本を読んでみたいと思いました。読んだ後、みんなで感想を言い合うといろんな受け取り方がありそうで面白そうだなと思いました。
前田 浩和さん 「数学と論理をめぐる不思議な冒険」 ジョセフ・メイザー/著 松浦 俊輔/訳 日経BP社
観戦スタッフからのコメント
数学論理学に関わった数学者を通して解析学、確率など幅広い分野の題材を取り上げ数学的論理に迫る物語です。数学好きでなくても、読み物として楽しめる作品だそうです。表紙も幻想的なきれいな絵で、観戦者から、発表と表紙から「不思議の国のアリス」を連想したとの質問があり、実際に本文にも出てきているそうです。
田中 秀紀さん 「秘蔵浮世絵大観」 楢崎 宗重/監修 講談社
観戦スタッフからのコメント
風俗・文化資料として貴重な物も多い優品150余点を厳選し、カラー・モノクロで収録した、全13巻の浮世絵名品集です。バトラーお気に入りは1巻から3巻の「大英博物館」だそうです。見開きで掲載されたページなど非常に優れた作品集とのことで、一見の価値があるのではないでしょうか。
今回の記念すべきチャンプ本は・・・
観戦者の投票の結果、チャンプ本に選ばれたのは『一行物語世界は蜜でみたされる』(飯田茂美/著・水声社)でした。チャンプ本の発表者には図書館職員から賞状が贈られました。
今回テーマは自由だったのですが、偶然にも発表された本すべてに「絵」が共通していて、その偶然も面白く、発表作品すべてを一度読んでみたいと思うビブリオバトルでした。
これからも引き続き素敵な本との出会いや本を介したコミュニケーションの場を提供していきたいと思っています。ぜひ、お気軽にご参加ください。