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「山直図書館本棚リレー」第14回目は、「ひつじのいえ」家主の藤原美和さんです。
山直図書館に「山手」「農業」「まちづくり」をキーワードに地域情報コーナーを設置しました。合わせて、このキーワードで活躍されている地域の方にお願いをして、本を1冊紹介していただく「本棚リレー」のコーナーも設けています。第14回目は、「ひつじのいえ」家主の藤原 美和(ふじわら みわ)さんです。
おすすめの1冊
『おじいちゃんがおばけになったわけ』 キム・フォップス・オーカソン/文 エヴァ・エリクソン/絵 菱木 晃子/訳 あすなろ書房
この絵本を手に取った瞬間、やっと出会えたような感覚になり、嬉しくてすぐにレジへ向かったことを覚えています。「おじいちゃん」「おばけ」のフレーズに惹かれたのです。
当時、こども達はまだ小学生でした。おじいちゃんの温もりを感じながら育っていました。
そんな中でこの絵本に出会い、主人公エリックとおじいちゃんとの大切な時間と孫を思う温かさに、読み聞かせている私が、いつも胸が熱くなり感動していました。
私はおじいちゃんの温もりを知らずに育ちました。私の母が小学生の時におじいちゃんはすでに他界していたのです。胸の奥に眠っていた、私のこども時代の感情「私にもおじいちゃんが居たら良かったのになぁ」という気持ちを思い出させてくれた大切な絵本です。
人はみんな先行く人に見守られながら今を生きている。
どんなに今が辛くてもひとりじゃないと知ることのできる絵本です。
藤原さんからのメッセージ
土生町にある一軒家でこども食堂や居場所運営をしている任意団体です。
築40年以上の戸建ての一軒家(夫の元実家が空き家だった)を家族で改修工事をし2017年11月7日にオープンしました。
自らの生育歴や子育て経験を通して、地域で孤立・孤独な子育てをなくしたい、また生きにくいこどもや人達の心のよりどころとなる居場所を作りたいと思ったことが始まりです。
今では、共感してくださる地域の方々、お手伝いの方々、たくさんの人に支えられて幸せを日々感じながら続けています。来年9周年を迎える時には法人化を目指し、泊まれる居場所に取り組みたいと思っております。支えてくださる方が一人でも増えて頂けると地域のこども達の為にもなります。まずは「ひつじのいえ」を知っていただけると幸いです。