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シゲモリミレイ?国指定名勝「岸和田城庭園(八陣の庭)」(ミニ岸和田再発見第5弾)

印刷用ページを表示する 2015年8月4日掲載

 重森三玲(しげもりみれい)。現代の作庭家。今をときめく女優の桐谷美鈴ではありません。重森三玲は、岡山県賀陽町(現在の岡山県中央町)に生まれました。生け花を志し上京、、、ややこしいな。詳細は本を用意しているから図書館で調べてね。でも、シゲモリミレイ?聞き覚えのない名前です。でも知ってほしい大事な名前なのです。

 みなさん、岸和田城の中庭に何か石造りの庭園があることをご存知でしょうか。実はこれが国指定名勝に答申された岸和田城庭園(八陣の庭)という庭園で、先にご紹介した重森三玲氏の代表作なのです。まず国指定名勝から説明が必要ですね。文化財保護法第2条の四に「貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は鑑賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地、および渡来地を含む。)、植物(自主地を含む)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)」で我が国にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)」とあります。長くてすみません。つまりこの庭は芸術上又は鑑賞上価値が高いと国から認められたのです。

 では、庭を観てみましょう。この庭は重森が得意な「枯山水(かれさんすい・かれせんずい)」の庭です。この枯山水の庭というのは、中世室町時代以降、流行した庭園形式で、それまでの浄土式、園地式庭園などの水や土、草木を活かした構成ではなく、それらをより抽象化させ、石と空間のみで表現した庭園です。ちょっと難しいなと思われるかも知れません。しかし、よく観察してみると通常のお庭とは違うエッセンスがちりばめられているのです。

(1)どこから見ても成立する庭

 これは重要なポイントです。通常庭園とは、ある一定の方向、例えば縁側とか、茶室とかから眺めて、楽しむ構造になっています。例えば有名な竜安寺の石庭、これは縁側から観て最もうつくしいとなるよう設計されています。枯山水庭園とは特にこういう方式が多いのです。しかし、八陣の庭は違います。どこから鑑賞してもよいのです。もちろん天守閣からも鑑賞できます。重森自身も天守閣からの鑑賞を視野に入れて設計をしています。

(2)活用できる庭

 この庭の特徴は、どこから観てもいいだけではありません。中に入って活用できる点に特徴があります。作庭以降、様々な催しが行われてきました。薪能、創作生け花、創作ダンス・・・最近では砂紋描きなどなど。重森三玲自身が、生け花の研究家でもあったため、こういう枯山水庭園で生け花などという大胆な発想が生れたのかも知れません。

(3)城を護る

 この庭が作庭されたきっかけは、本丸に公園が造られるという話があったとも聞きます。しかし、当時の関係者は公園ではなく、後世に残る名庭園を造りました。その結果、現在まで本丸跡が保存されているという背景があります。

 岸和田で、国の指定を受けている文化財は3件しかありません。和泉葛城山ぶな林、摩湯山古墳、そしてこの岸和田城庭園(八陣の庭)です。知らなかった方も、これから知っていってくださいね。