ページの先頭です。 本文へ
現在地 トップページ > 岸和田市立図書館 > 「まちライブラリー提唱者 礒井さんと話そう!」を開催しました

本文

「まちライブラリー提唱者 礒井さんと話そう!」を開催しました

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2022年5月23日掲載

一人一人が本を借りて帰るだけの場ではなく、新しい交流が生まれる場として、岸和田市には市立図書館の中に「まちライブラリー@岸和田としょかん」を開設しており、毎年春と秋に「岸和田ブックフェスタ」を開催しています。

今回のイベントでも、意見交換をしながら人と人が本を通じて繋がっていくところを体験していただけたらという思いも込めて企画しました。

第1部 「今から準備!秋のお堀で一箱古本市の企画を盛り上げよう!」

第1部では、11月に開催予定の一箱古本市とお城図書館復活イベントについて、まちライブラリー@岸和田としょかん世話人の領家誠さんと図書館スタッフから、イベントの趣旨や準備・計画の経過を報告させていただき、ご参加いただいた方からもご意見をいただきました。

説明の様子


お堀で一箱古本市は、人と人が繋がる場になればと考えて提案されたイベントです。不要な本を持ち寄るといういうよりは、次の人に読んで欲しい本を一箱に集めてもらい、本をきっかけに交流が生まれる場になることを期待しています。100周年に100名の方が参加してくださるのを目指します。

一箱古本市で使用する箱を作るワークショップも計画中です。

「2日間限定!!復活!お城図書館」では、昔お城が図書館だったころの資料を展示し、歴史を知ってもらえる場にできればと計画中です。、皆さんにお城が図書館だった頃の情報をいろいろ探していただき、いい展示ができればと考えています。

 イベントの写真 図書館スタッフが一箱古本市について説明している写真 

本の紹介

会場では以下の本もや古本市についての資料も展示して紹介されていました。

  • 「古本の雑誌」 本の雑誌編集部/編 本の雑誌社
  • 「一箱古本市の歩きかた」 南陀楼綾繁/著 光文社
  • 「ヒトハコ 創刊号(2016年秋)」  書肆ヒトハコ

本の紹介の写真1 本の紹介の写真2 

こちらは、一箱古本市で本を入れる箱の見本です。

一箱古本市の箱の見本写真 

ご参加いただいた方からのご意見

  • 全体的な盛り上がりが欲しい。個人のフリーマーケットではないので、のぼりを作ったりして特別感を出してはどうか。
  • モデルの箱を図書館に置いてもらって、協力金として販売してはどうか。
  • 自分も加わる楽しさを感じてもらいたい。
  • イベントは、先着順ではなく抽選にした方がいいと思う。

第2部 「本×人×地域コミュニティ×図書館 トークセッション 岸和田流まちライブラリーと公共図書館のデザイン~実践から考えよう~

これからの図書館に求められているものは何かを考えていく中で、5年前に「まちライブラリー」というキーワードが出てきました。学びや実践の中で「まちライブラリー@岸和田としょかん」を開設し、春と秋のブックフェスタを開催するイベント中心のまちライブラリーです。

「ブックフェスタ」は、個人がやってみたい企画を図書館に持込んで自分たちが企画者となり実施する本のお祭りです。

「まちライブラリー」と「ブックフェスタ」、この2つのキーワードについて、まちライブラリー提唱者の礒井純充さん、まちライブラリー@岸和田としょかん世話人の領家誠さん、七野司さん、まちライブラリー@猿とモルターレの冨田健介さんにお話していただきました。

まちライブラリーの提唱者である礒井純充さんに、「まちライブラリー」を始めたきっかけや、思い、そして礒井さんが携わってこられた全国にある「まちライブラリー」の紹介をしていただきました。

磯井さんのお話されている写真 

大阪の天満橋で生まれ、お父様が残してくれた小さなビルで「まちライブラリー」を作ったというお話や、六本木ヒルズで会員制ライブラリーを作ったお話、大学や企業と連携してまちライブラリーを作ったことなどいろいろなお話をしてくださいました。

世の中の大抵のことは予算がないとできない、仲間がいないとできない、バックアップがないとできないなど躓くことが多いが、まちライブラリーは、ひとりから始められる。一人でやれることは何だろうと考えて始めたことだと仰っていました。

参加者の皆さんがお話を聞いている写真 

次に、岸和田でも個人として活動をはじめられた冨田健介さんと七野司さんに、どのような活動をされているのか、お話をしていただきました。

冨田さんの写真 

冨田さんは、2年ほど前から「ブックフェスタ」に参加し、活動、イベントに参加していろいろな人を巻き込んで、自分も巻き込まれている中で、つながることの重要性を感じていると話してくださいました。

会場で、冨田さんが岸和田の竹を使って「竹あかり」を作っているというお話を聞いて、以前「竹あかり」を作るイベントをしたことがあるという方とつながりが生まれました。つながりをこのイベント内で体験できたことで、会場が盛り上がりました。

七野さんの写真

続いて、七野さんのお話しです。

人が好き、本が好き、僕の人生で何ができるかと考えたとき、「まちライブラリー」は自己実現と他己実現の場。隣にいる仲間が自己実現するのを見届けたい。図書館も手段であり、人とつながるための手段。まちライブラリーをさせてもらうための手段。

公共の図書館に対していろいろな思いがあるが、僕は僕の思いがあって実現させてもらっている。

また、いろんな人を巻き込みながら関わっていっている。人前に出て話すのも自己実現、イベントをするのも自己実現、こういうものがしたいということがあれば図書館でしていきたいなど、「まちライブラリー」への思いや図書館への思いをお話をしてくださいました。

ディスカッション

次に、礒井純充さん、領家誠さん、七野司さん、冨田健介さん、4名でお話をしていただきました。

トークセッションの写真 トークセッションの写真2

  • 個人で図書館の場所をうまく使って、本をからめてブックフェスタを楽しんで欲しい。個人ではじめることができる、カフェでなくても図書館でもできるのが岸和田流。
  • 岸和田のまちライブラリーは熟成してきている。発酵させていくのが大事。
  • 全国的に図書館が従来の「本の貸出中心」だけの場所だけではないようになってきている。
  • 今までの図書館の固定概念を打ち破って。
  • 集会所で集まるのではなく、農園を使って交流しているところもある。
  • 来ない人をどうするか、という視点はあるようでない。目が向いていないところがある。

ご参加いただいた方からのご意見

参加してくださったみなさま一人一人にも、今回のイベントの感想や図書館への思いなどお話していただきました。

参加者の方がお話されている写真

  • 図書館は本の好きな人が関わるのは当たり前。岸和田市民でも本に触れるのは本屋さんという方が私の周りには多い。図書館では、コロナ禍では特に、誰が触ったかわからない本を子どもに渡したくないという意見を聞く。
  • 100周年イベントでは、夜店には行くけど古本市には興味がないという人にも来てもらうために、ダンスする人がいたり、竹あかりを作るイベントがあったりするような、何かイベントで巻き込んではどうか。
  • これまで図書館に勉強会などのイベントで関わってきているが、今日のお話を聞いていると、知識の広がりを感じ、追いつこうとしても追いついていけない悔しさもある。
  • 半年ほど前から山直ラボに参加している。「まちライブラリー」について、これまで点でしか分からなかったものが、今日線で繋がって、お話を聞けてよかった。時代の流れが速くなっている中で、本の役割の変化を感じる。図書館にデジタルな取り組みを取り入れていくべきだと思っている。
  • 大阪府立大学の「まちライブラリー」に2回ほど行ったことがあり、それが今日のお話を聞いてどういうものなのかがよくわかりました。
  • 市民の中でも図書館が本を借りて返すだけの場所だと思っている人がいるけれど、いろいろお話を聞けるというのを知って欲しい。
  • 「まちライブラリー」のいろいろな形をみせてもらって、いろいろあって面白いと思いました。
  • 23年の図書館まつりの歴史を考えつつ、新しいことを取り入れてよいように融合させていきたい。
  • 辞書が好きで、辞書を読むことの楽しさを子どもたちにも伝えたい。辞書を引くと1つの言葉のまわりにほかの単語があり、気づきがある。子どもたちに気づいてもらえるようなことができたら。本離れ、理科ばなれを感じる中で、お役に立てるかなと思っています。
  • 自動車文庫がなくなって残念という意見を私の周りでもよく聞く。本は、見て、手に取って選びたい。
  • 古本市が読書離れ、活字離れの子どもたちが活字に触れる機会になれば。
  • 短歌の会に入っていろんな形で図書館に関わることが増えた。
  • 「まちライブラリー」は自分のためのイベント。自分が気持ちいいかどうかだけで参加させていただいています。
  • おもしろい遊びをいっぱい見つけたらいいと思う。それが岸和田流だと思う。
  • 新しい箱をつくるよりも、中身をよくしたい。岸和田の教育を支える図書館にしてほしいと思っている。市役所職員も図書館を利用するようになるように図書館を良くしたら、もっと岸和田は良くなると思う。
  • 礒井さんにお仕事で「まちライブラリー」について取材させていただいたときに、数でも質でもない、人の思いが大切だと仰っていた。一人から何かを始めたいというもの。一人一人、一つ一つの思いを大切にしていこう、ここからたくさんのものが出発するんだなあと、お話を聞かせてもらった。一人でも何かを、一人が発する磁力に人が集まってくる。自分が楽しむことが大切。

最後に

礒井さん、領家さんからも一言いただき、今回のイベントは終了しました。

  • 今日は感謝しかありません。「ブックフェスタ」に参加してもらえたらと思います。一人一人が面白ければ、人がついてきます。人が主役です。
  • いろんな意見、いろんな感想があってよかったです。
  • 友の会や図書館まつりなど、歴史ある活動に対してまちライブラリーは新参者ですが、これがメインというわけではなく、いろんな活動が重なって岸和田の土壌になっていくんだろうと思います。面白みになっていくと思う。今日がそういう場になり、交わりができそうな、いい会になったと思う。いろんな人と話をして、交流してもらえたら。

100周年記念事業の秋のブックフェスタ「一箱古本市」と「お城図書館復活イベント」に向けて、いただいたご意見を参考に、準備を進めていきます。引き続き、図書館にご注目ください。