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令和6年度施政方針

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2024年8月29日掲載

 この「令和6年度施政方針」は、2024年(令和6年)3月4日の岸和田市
議会定例会において市長が説明したものです。


 本日ここに、令和6年度の予算案及び諸議案をご審議いただくにあたり、
市政運営に臨む私の基本的な考え方と予算案の概要について申し述べ、議員
各位をはじめ、広く市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 新型コロナウイルス感染症が昨年5月8日に5類感染症へ移行となり、本
市においても多くの行事等が再開され、日常を取り戻してまいりました。
 そのような中、本年1月1日に北陸地方を震源とする「令和6年能登半島
地震」が発生しました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますとと
もに、被災された皆様が一日も早く安全で安心な暮らしを取り戻せることを
願う次第でございます。本市におきましても地震発生直後の1月1日から4
名の消防職員の第1次隊派遣を皮切りに第7次に及ぶ出動、また看護師・行
政職員の派遣や給水活動など、現地からの要請に迅速的確に対応した支援を
行っているところです。今後とも、被災地の一日も早い復興のため、できる
限りの支援を行ってまいります。
 一昨年、本市が市制施行100周年を迎える年に、私の2期目の市政運営が
スタートしました。昨年はこれからの100年のスタートの年であり、本市が
さらに豊かになる“新・岸和田”づくりの1年目と考え市政運営に取り組ん
でまいりました。そのため、本市のまちづくりの根幹である総合計画「将来
ビジョン・岸和田」、そして、行財政改革の要である「岸和田市新行財政改
革プラン」をスタートさせました。
 「将来ビジョン・岸和田」では、「笑顔にあふれ、誰もが“幸せ”を感じ
る都市の実現」を基本理念として、将来像である“新・岸和田”に向かって、
安心していつまでも住み続けることができる、個性豊かで魅力的なまちづく
りを進めています。
 また、「新行財政改革プラン」では、過去の行財政運営を省みたうえで体
質改善を図り、持続可能な市政運営の実現をさらに前進させるため、令和5
年度から7年度までを「行財政基盤強化期間」と定め、行財政基盤の強化に
向けて集中的に取り組んでいるところです。このプランを着実に推進してい
くことが、今後の本市の発展を左右すると言っても過言ではないと考えてい
ます。行財政基盤を強固なものとすることで、これからの岸和田の成長を図
るとともに災害等の非常事態や急激な変動にも備え、将来にわたって安定的
に市民の暮らしを支えていくことができると考えています。これからも
“新・岸和田”の礎を創る改革に、市民の皆様とともに取り組んでまいりま
す。
 それでは、「将来ビジョン・岸和田」に基づく「第1期基本計画」の重点
目標の考え方に沿って、令和6年度予算案に計上し、順次取り組んでいく主
な事業について、概要をご説明いたします。
 重点目標1「子育てしやすい岸和田の実現」の重点目標の方向性(1)「子
どもの保育・教育環境の向上」においては、令和7年4月開設予定の(仮称)
市立旭・太田認定こども園の工事に着手するとともに、令和8年4月開設を
めざす(仮称)市立春木・大芝認定こども園、令和9年4月開設をめざす
(仮称)市立桜台・光明認定こども園の整備に向けた取組を進め、未入所児
童を含む待機児童の解消とより良い教育・保育環境の充実を図ってまいりま
す。
 市内民間教育・保育施設に対しては、「保育士の確保」と「質の向上」を
目的に、キャリア・リターン保育士への補助金や、医療的ケアが必要な児童
を受け入れる際の補助金を新たに創設し、引き続き教育・保育環境の充実に
取り組んでまいります。
 令和2年度に策定した「小中一貫教育基本方針」に基づいた取組を進める
とともに、将来にわたって子どもたちに良好な教育環境・教育内容を保障し
ていくため、児童・生徒数の今後の推移を踏まえた実施計画案の修正の必要
性も含め、学校の小規模化が著しい校区を中心に、小・中学校の適正規模・
適正配置に向けた協議を進めてまいります。
 全小中学校に整備された一人一台の学習者用端末を効果的に活用し、子ど
もたちにとって個別最適な学び、協働的な学びを充実させるとともに、情報
活用能力の育成に努めてまいります。
 その際、教員を支援するICT支援員を派遣するとともに、大阪府GIG
Aスクール運営支援センターに参加し、自宅での学習の際の機器操作等に関
する問い合わせや、トラブルの相談を電話やチャットで対応いたします。ま
た、子どもの理解度に応じた問題を自動的に出題するAIソフトをモデル校
に導入してまいります。
 学力向上に向け、幼稚園・小学校低・中学年において、デジタル版コグト
レ教材の活用など、認知機能を高める取組をさらに拡充し、記憶や言語理解、
判断等の力を高め、学びの土台づくりに努めてまいります。
 市内幼稚園・小学校・中学校の水泳指導を民間事業者に委託し、より専門
的な指導を行う「みんな泳げるプロジェクト」を実施しています。令和6年
度は、令和5年度の29校園から33校園に拡充して実施し、幼児・児童・生徒
の泳力向上をめざしてまいります。
 増加する不登校への対応として、不登校指導専門の教員2名を市独自に配
置し、教育・相談体制を拡充するとともに、民間の支援機関との連携を進め
るなど、児童・生徒の自立に向けた取組を強化してまいります。
 重点目標1の方向性(2)「子育て世代の定住促進と『子育てしやすいまち』
のイメージアップ」においては、令和6年4月から、児童福祉法に規定され
たこども家庭センター機能である「こども家庭すこやかセンター」を設置し、
母子保健業務と児童福祉業務を一体的な組織として行い、両業務の連携をよ
り強化してまいります。妊娠期から出産・子育てまで継続して支援する伴走
型支援により、妊産婦や子育て家庭の孤立感や不安感を軽減するとともに、
健康診査などの機会に子育てに困難を抱える家庭を把握し、福祉面からの支
援や児童虐待の未然防止・早期発見・早期対応につなげてまいります。
 重点目標2「経済・交流が活発な岸和田の実現」の重点目標の方向性(1)
「地域経済の軸となる産業・観光の活性化」においては、海から山までの地
域連携型の都市構造の構築をめざし、新しい都市軸形成の海側の拠点となる
木材コンビナートについて、令和3年度に策定した利活用ビジョンを基に、
引き続き忠岡町との共同調査を継続し、「貯木場」、「整理場」を含む木材港
地区全体の新たなまちづくりに向けて取り組んでまいります。大阪ベイエリ
アから大阪・関西の産業を牽引し、時代をリードする近未来的な機能を創造
するための新たな産業拠点として、大阪府に対し、埋立造成の早期の事業化
が図られるよう引き続き要請してまいります。
 また、鉄道により分断されている東西交通の円滑化と市街地の一体化を図
るため、連続立体交差事業の検討に着手します。
 市内中小企業者・個人事業者の積極的な売上増進、販路開拓を図るため、
令和元年度から取り組んでまいりました「岸和田ビジネスサポートセンター
Kishi-Biz(キシビズ)」における伴走型支援の成果を踏まえ、新
たな支援体制の構築に向けて関係機関とともに取り組んでまいります。
 本市の社会課題の解決、岸和田発の新しいビジネスの創出、新規企業立地
などをめざして市内実証事業の促進に取り組んでまいりました。これまでの
実証フィールドの調整・提供等に加えて新たに市内で行うデジタル技術関連
ビジネスをはじめとした先進的な実証実験の取組に対し補助金を交付するこ
とで、さらなる促進を図ってまいります。
 重点目標の方向性(2)「泉州山手線沿道を中心とした拠点形成とアクセス
性の向上」においては、多様な世代の移動ニーズに対応した利用しやすい地
域交通の実現に向け、ローズバスのルート改正や公共交通の利用が困難な地
域における生活交通の確保等に取り組みます。
 公共交通の利用が困難な春木大芝地区での生活交通確保に向けた実証運行
や黄金塚地区における生活交通の確保に向けた検討、小規模の移動ニーズに
応える共助型交通への支援など、地域主体による交通手段の確保に向けた、
移動ニーズへの対応を進めてまいります。
 バス事業者にとって、新型コロナウイルス感染症の影響により利用者が激
減し、経営がひっ迫している状況であることから、本市においても、市民生
活に欠かせない公共交通として路線バスを今後も維持確保するため、市内路
線の一部について引き続き「路線バス運行存続補助金」を支給するとともに、
新バス停留所設置を含め、路線バス利用者のさらなる利便性向上を図ってま
いります。
 また、路線バス等の魅力を広く市民に伝え、利用者開拓につなげるため、
市内バス無料DAYを開催してまいります。
 ローズバスにおいても路線バスと同様、「路線バス運行存続補助金」を支
給するとともに、利用者の利便性向上を図るため、ルート改正等を実施して
まいります。
 現在策定中の「岸和田市スマートシティ構想」に基づく「移動がスムーズ
なまちづくり」として、公共交通事業者等の関係者連携のもと、デジタルサ
イネージや次世代モビリティ等を活用した取組を進めてまいります。
 丘陵部の「ゆめみヶ丘岸和田」については、企業誘致や住宅地供給に加え、
令和6年春にオープンを迎える商業施設とも連携し、引き続きにぎわいのあ
るまちづくりの実現に向け取り組むとともに、令和6年度末の基盤整備完了
をめざしてまいります。
 また、「ゆめみヶ丘岸和田」の自然エリアについては、民間企業やゆめ
みヶ丘岸和田まちづくり協議会とも連携しながら、地域課題である竹資源の
循環等を積極的に進め、竹を再利用し、SDGsに貢献する民間主導のリサ
イクル施設となる「パンダバンブーファクトリー」の整備実現に向け取り組
んでまいります。
 広域幹線沿道まちづくりについては、広域的な都市連携を強化し、様々な
交流と活動の活性化を支える広域連携軸を形成するため、地元関係者ととも
に、令和6年度の都市計画変更及び土地区画整理組合の設立支援など、山直
東地区のまちづくりを積極的に推進するとともに、泉州山手線の整備促進に
向け、大阪府と連携・協力してまいります。
 駅周辺の利便性を向上させるため、南海春木駅周辺及びJR久米田駅周辺
の道路拡幅整備を進めてまいります。
 重点目標3「都市課題を解決する仕組みづくりの実現」の重点目標の方向
性(1)「地域活動の活性化に向けた支援」においては、地域におけるコミュ
ニティ活動の活性化や地域課題の解決を図るため、市民活動団体が行う公益
的な活動に対して引き続き助成してまいります。
 市民活動初動支援補助金として、発足から5年未満の市民活動団体が行う
事業を対象に助成を行い、活動が継続できるよう支援してまいります。また、
ふるさと寄附を活用したクラウドファンディングにより、市民活動団体によ
る事業資金の調達を支援してまいります。
 重点目標の方向性(2)「未来志向の都市経営」においては、国がSDGs
の実現、社会課題解決に向けてSociety5.0(ソサエティゴーテン
ゼロ)の実現をめざして、令和4年6月に「デジタル田園都市国家構想基本
方針」を定めました。本市においても、デジタル化の恩恵を市民や事業者が
享受できる社会、いわば「どこでも誰でも便利で快適に暮らせる社会」をめ
ざし、現在策定中の「岸和田市スマートシティ構想」に基づき、地域課題の
解決を産学官が連携して進めるため、企業等にも参加いただき「岸和田市ス
マートシティ推進協議会」を設立してまいります。
 加えて、全国的にデジタル人材が不足している中、デジタルスキルを有す
る人材を計画的に育成し、DXを推進するため、「岸和田市職員デジタル人
材育成方針」を策定してまいります。その方針に基づき、全職員のデジタル
スキル・デジタル知識を底上げし、業務効率化や市民サービスを向上できる
人材を育成してまいります。
 また、会議等の議事録作成に係る業務の効率化を図るため、「AI音声認
識会議録支援システム」を、また行政文章作成やキャッチコピー作成などに
係る業務の効率化を図るため、「生成AIサービス」を導入してまいります。
生成AIサービスは、多くの行政機関や地方自治体でも、行政分野への利活
用について注目が集まっているもので、効果の出る利用シーンや活用方法な
ど解説する手引きを策定し、職員へ周知し有効活用できるよう進めてまいり
ます。
 令和5年度に策定の「岸和田市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」
と整合を図り作成した「市有施設LED化対応」により、脱炭素化推進事業
債を活用しながら、市有施設に設置されている照明の効率的かつ集中的なL
ED化への改修を推進してまいります。また、低炭素型まちづくりを推進す
るため、公用車をリース更新時期に合わせて、「次世代自動車等」に入れ替
えてまいります。
 現在、岸和田市が所管する市営プールは、施設の劣化や温暖化の影響など、
様々な課題を抱えながら管理運営に取り組んでいるところです。特に近年で
は、炎天下の屋外活動における熱中症などの健康被害が社会問題となってい
るため、天候や季節に左右されることなく、市民が安全に安心して水に親し
める健康づくりの場として、また学校園の水泳指導の場として活用できる屋
内プールの整備の具体化を進めてまいります。
 持続可能で安全な施設運営を確保し、市民一人ひとりの学習活動の充実と、
市民主体のまちづくりを「学び」を通じて促進していくことを目的とした
「岸和田市立公民館及び青少年会館再編基本方針」に基づき、昨年9月に、
具体的な公民館等の再編などを示した「岸和田市立公民館及び青少年会館再
編第1期実施計画」を策定しました。令和6年度は、この計画に基づき、関
係する施設の地域の方々や利用者の方々と協議していくとともに、公民館等
が多くの市民に利用され、魅力ある施設になるよう取組を行ってまいります。
同じく、社会体育施設の再編についても、第2期実施計画の策定に向けて
取り組んでまいります。
 続いて、その他に、令和6年度に取り組む事業について、「将来ビジョ
ン・岸和田第1期基本計画」の基本目標に沿ってご説明いたします。
 基本目標「岸和田の次世代を育むまち」においては、保護者から学校への
欠席連絡や学校から保護者への連絡配信をオンラインで行う「学校・家庭相
互連携システム」を導入いたします。保護者がスマートフォン等を使用して、
欠席や遅刻の連絡をアプリを活用して簡単にすばやく行うことで、電話連絡
や受付に係る保護者及び教職員の負担軽減を図ることができます。また、学
校から保護者への連絡配信についても、お知らせプリントなどの従前の配布
物をデジタルに置き換えることにより、直接保護者に届けることができると
ともに、印刷や配布に係る時間的・金銭的コストを削減することもできます。
 基本目標「健康で自分らしく生きられるまち」においては、市民の暮らし
と命を守り、持続可能な地域医療提供体制を確保していくため、市立岸和田
市民病院では、令和6年度から始まる「経営強化プラン」を着実に実行して
まいります。令和6年度は「急性期医療・がん治療・救急医療の推進」を病
院目標に掲げ、ウィズコロナにおける診療体制の確立を図るとともに、公立
病院としての市民病院の役割を果たしてまいります。
 市民一人ひとりが健康で実り豊かな生涯づくりを実現することをめざし、
前計画の終了に伴い、「岸和田市保健計画(第3次)・岸和田市食育推進計
画(第2次)」を策定してまいります。
生活保護を受給している世帯に対しては、家計に関する課題を抱えている
世帯への支援や大学などへの進学に向けた費用についての相談や助言を行う
被保護者家計改善支援事業を令和6年度から実施してまいります。
 基本目標「安全で安心して暮らせるまち」においては、近年、激甚化・頻
発化する自然災害や南海トラフ地震など様々な危機事象に対して、命を守る
ためには日頃からの災害への備えや防災訓練の実施がたいへん重要であると
考えています。本市では、消防団や水防団に加え、祭りをベースとして培わ
れた地域の結びつきや強固なコミュティもあります。これは本市ならではの
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誇るべき財産であります。これらを最大限活かして、市民の皆様と一緒に
「日本一災害に強いまち」岸和田を創造してまいります。
幅広い年齢層の人たちが防災福祉コミュニティなどの自主防災組織が実施
する訓練へ積極的に参加していただき、地域の防災力や防災意識の向上につ
ながるよう働きかけをしてまいります。また、発災時の円滑な災害対応をめ
ざした「総合防災訓練」については、多くの市民の皆様に興味を持っていた
だけるような新たな手法も取り入れながら実施してまいります。
 能登半島地震においては、住家(じゅうか)の全壊、半壊も多数見られ、
本市においても南海トラフ地震等の巨大地震により、多数の建物の倒壊が予
測されていることから「岸和田市住宅・建築物耐震改修促進計画第2期」に基
づき、住民・建物所有者に対して耐震化の重要性などについて周知啓発を積
極的に行い、耐震化を促進する支援策である耐震診断や耐震改修工事・耐震
シェルター設置工事への助成を継続し、市民の生命・財産を守り安全で安心
して暮らせるまちをめざしてまいります。
 防災無線設備については、機能の強化を図るため設備の更新を行ってまい
ります。
 岸和田市消防施設計画のもと、令和7年度開設をめざし、ゆめみヶ丘岸和
田に市民、企業、消防団員、水防団員等の防火防災の拠点となり、大規模災
害発生時には緊急消防援助隊等の集結場所・活動拠点となる消防施設を建設
してまいります。消防職員が常駐し災害対応することにより、山手地区への
消防・救急サービスの向上をめざします。
 大規模な自然災害により水道管が破断され、消火栓が使用できなくなった
場合に備えるため、防火水槽の数が少ない地域に対して、防火水槽を新たに
設置いたします。防火水槽の新設にあたっては、整備費用のみならず、巨大
な設備を埋設する公共用地の確保も重要であることから、大門公園の整備に
合わせ埋設するなど、今後の防火水槽の計画的な整備に努めてまいります。
 令和5年4月から、改正道路交通法の施行により、すべての自転車利用者
のヘルメット着用が努力義務となったことから、自転車用ヘルメットの普及
を目的として、事故の際に受傷する危険性が高い小学生以下の児童及び高齢
者のヘルメット着用を促進するため、ヘルメット購入に要する費用の一部を
補助してまいります。
 消防団用小型動力ポンプ付き積載車両2台及び自動体外式除細動器2器の
更新を行ってまいります。大沢分団及び葛城上分団の消防車両はともに、令
和6年度で20年目となり老朽化しているため、令和7年開設予定のゆめみヶ
丘地区における消防団員の拠点施設を併設する消防施設開設と時期を合わせ
て更新し、自動体外式除細動器についても、耐用年数が到来するため、更新
してまいります。それにより消防車両や消防資機材の充実、高度化をはじめ
とする装備の近代化を図ってまいります。
 また、消防車両については、昼夜問わず傷病者を乗せて緊急走行を行う救
急車の安全運行に支障をきたさないよう、計画的に更新整備を行うとともに、
多種多様な災害に的確に対応するため、車両の高度化を図り災害対応に万全
を期すよう努めてまいります。
 基本目標「人と自然が共生した住みよいまち」においては、「岸和田市水
道事業ビジョン」に基づき、配水施設等の耐震化及び第3次施設更新事業等
に取り組み、災害に強い水道の施設整備を推進してまいります。また、広域
化については大阪広域水道企業団との統合に向けて、検討を進めてまいりま
す。
 令和8年度供用開始に向け、岸和田市・貝塚市共同で新斎場の整備を進め
てまいります。令和6年度は造成及び建設工事を行い、最後のお別れの場に
ふさわしく、市民の皆様が安心して利用できるよう、地元関係者の協力も得
ながら進めてまいります。
 少子高齢化によるライフスタイルの変化や価値観の多様化など、これから
の社会情勢を見据えた社会全体で供養する合葬式墓地について、令和6年10
月から供用を開始いたします。
 公園緑地は、市民の身近なオープンスペースとして、子どもの遊び場や、
健康づくりなど様々な活用が図られているほか、災害時の避難場所など重要
な役割を担っています。引き続き安全に安心して利用いただけるよう、公園
の機能分担による適正配置を行い、質の高い公園づくりをめざし、「スマー
ト公園・岸和田~アクションプラン~」の策定を進めてまいります。
 また、世代を問わず高い人気を誇るスポーツである3人制バスケットボー
ル「3×3(スリー・エックス・スリー)」競技を可能とするコートの整備
を中央公園で進めてまいります。
 基本目標「にぎわいと活力を創造するまち」においては、泉州山手線沿道
まちづくりの取組に合わせて、必要な都市計画手続きを引き続き行ってまい
ります。また市民とともに岸和田らしい景観形成を推進してまいります。
 全国的な観光需要の高まりを受け、岸和田城においても、今後、国内外か
らたくさんの人に来ていただくため、岸和田城の再建70周年に合わせて、お
堀からの天守閣ライトアップを更新いたします。全方位から鮮やかに照らさ
れたお城を中心とした城下町の魅力を発信することで、城周辺のさらなるに
ぎわいの創出を推進してまいります。
 基本目標「みんなでつくる持続可能なまち」においては、新庁舎建設につ
いては、市民、職員等の安全を早期に確保し、また有事においても市民のた
めに業務継続ができるよう、老朽化が著しく、耐震性に問題のある現庁舎を
速やかに建て替えなければなりません。令和6年度においては、公募による
庁舎建設の事業者選定の手続きを進めてまいります。
 岸和田競輪場においては、「第75回高松宮記念杯競輪G1」・「第2回パー
ルカップG1」の開催により、売上及び収益の向上に努めてまいります。
 障害者施策については、令和3年3月策定の「第5次障害者計画」及び、
令和6年度から始まる「第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画」につ
いて、障害者施策推進協議会において進捗状況を確認し、新たな課題につい
て協議・検討を行いながら、推進を図ってまいります。
 最後に、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」関連事業について
です。
 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博が令和
7年4月に開幕することは、様々な社会課題解決に向けた極めて重要な機会
であり、本市においても本市の魅力を国内外へ発信するとともに、次の100
年に向けた新しい岸和田づくりへの取組を推進する契機と考えています。こ
のため、令和5年8月に策定した「岸和田市における大阪・関西万博に関す
る取り組み基本方針」に基づき、催事参加や国や府の補助金等を活用した万
博関連の新規事業の企画・検討等により、本市のさらなる成長やシビックプ
ライドの醸成、万博の機運醸成に取り組んでまいります。
 本万博が史上初の四方を海で囲まれた会場で開催される、言うなれば「海
の万博」であることから、海に面した本市においても、“海”をキーワード
に、大阪・関西万博プレ事業として、「泉州“海”の万博」を開催してまい
ります。
 本市では、子どもたちが大阪・関西万博に出向き、最先端の技術やサービ
スに直接触れる体験を重ねてもらうため、大阪府の無料招待事業に加え、市
独自の施策として、子どもたちの無料招待を実施してまいります。
 また、本市万博プレイベントにおいて、大阪・関西万博に向けて提供され
る電子ポイントサービス「ミャクポ」を活用し、大阪・関西万博との連動性
を創出することで機運醸成と集客力向上に取り組んでまいります。
 その他の万博関連事業では、令和6年11月に再建70周年を迎える岸和田城
において、この節目であるメモリアルイヤーに古希をお祝いする3つの周年
記念事業を実施してまいります。春には、城・歴史愛好家の方を対象とし、
城について語る「お城談義」、夏には、本市に語り継がれる伝説などをテー
マとした怪談話めぐり「岸和田城がふるえる」、冬には、蛸地蔵合戦(かっ
せん)になぞらえた甲冑武者が市内を練り歩く「岸和田城武者行列」を実施
します。
 また、市内の周遊促進の取組として、グルメや名所旧跡などを自転車で周
遊することで、本市の魅力あるコンテンツを体験してもらうサイクリング周
遊キャンペーンを実施いたします。“岸和田オンリーワン”と誇れる本市独
自の魅力をより多くの人に知っていただき、地域のにぎわいの創出にもつな
げてまいります。
 さらに、ニーズの高い「食」については、多種多彩な農水産物を観光コン
テンツとしてPRしていくため、SNSを用いた情報発信の充実とともに、
岸和田産の農水産物を使用した和食とイタリアンを融合させた「泉州和タリ
アンコンテスト」や「スイーツコンテスト」を実施します。
 また、地域の方々との共創により、フードダイバーシティへの対応にも努
めてまいります。
 令和4年8月に岸和田市・和歌山県白浜町・アドベンチャーワールドの3
者で「パンダバンブーSmile広域包括連携協定」を締結しました。本市
の地域資源である豊富な竹を白浜町のアドベンチャーワールドで飼育されて
いるジャイアントパンダに食事として提供し、食べ残した竹のアップサイク
ルを互いの強みとして活かしながら、広域的に進めています。竹のアップサ
イクルとして、これまで廃棄してきたパンダが食べ残した竹の幹を竹チップ
舗装や堆肥化して利用したり、アドベンチャーワールドでは竹の集成材を用
いたテーブルウェア「PANDAYS(パンデイズ)」に加工し、販売した
りしています。このテーブルウェア「PANDAYS(パンデイズ)」につ
きましては、1月から本市ふるさと寄附の返礼品としたところです。
 令和6年度の新たな取組として、パンダバンブーESD環境教育プロジェ
クトを実施いたします。本市においては、白浜町の子どもたちが巨大な竹の
アート(パンダバンブーアート)の制作の中で、竹の伐採やアートの制作を
体験し、白浜町では岸和田の子どもたちが、パンダバンブーで、海洋資源保
全のための竹漁礁(アオリイカ産卵床)の制作や海底に沈める作業を体験す
るなど、実践体験を通じてパンダバンブーESD環境教育プロジェクトを実
施してまいります。
以上の内容を盛り込んだ令和6年度の当初予算案は、
一般会計で、 867 億 4,213 万3千円、
特別会計(5会計)で、 807 億 5,007 万2千円、
企業会計(3会計)で、 388 億 8,256 万9千円、
財産区特別会計で、 12 億 5,196 万6千円で、
これらを合わせますと、2,076 億 2,674 万円となり、前年度と比べ、一般
会計で3.1%の増加、特別会計で0.2%の増加、企業会計で1.4%の減少と
なっています。
 以上、令和6年度の主な取組について、その概要をご説明申し上げました。
 こうして、本市の新年度にかかる施政方針を述べてまいりましたが、世界
に目を向けると、紛争が続く地域や、また、日本も含めて、自然災害の被害
を受けた地域があり、そのニュースは、毎日のように報道されています。そ
のような中で、目にするのは、住民の方々がふるさとを思う心です。その地
域、地域の自然や歴史・文化は、時に、自身の誇り・アイデンティティ・心
の支えとなりうるものだと感じます。
 本市では、「将来ビジョン・岸和田」に基づく分野別計画として、令和5
年12月に「文化創造ビジョン・岸和田」を策定しました。これは、これまで
の地域文化の継承に留まらず、市民一人ひとりが岸和田らしい新しい文化・
芸術の創造に取り組み、誰もが心豊かに暮らせる“文化・芸術のまち岸和田”
づくりをめざすものです。
 また、本市には、豊富な農産物・水産物を使った「食」をはじめとする他
にはない「食文化」が育まれています。それらを幼いころから身近に感じて
子どもたちにはさらに新しい「食文化」の創造に取り組んでほしいと考えて
います。
 地域で育まれ、創造された文化・芸術は、ふるさとへの誇りや愛着を養い、
まちの個性や魅力を向上させ、さらに産業や観光などに波及効果を生み出し、
地域ににぎわいや潤い、活性化をもたらす力があります。
 “文化・芸術のまち岸和田”の実現は、魅力ある岸和田を世界に発信する
ための第一歩です。岸和田のすべての人が夢と希望を持って、地域の誇りを
共有し、安心・安全で豊かな暮らしが実現するよう、「将来ビジョン・岸和
田」の基本理念である「笑顔にあふれ、誰もが“幸せ”を感じる都市の実現」
をめざし、引き続き全身全霊で市政運営に取り組んでまいります。
 なにとぞ、市民の皆様並びに議員各位の一層の温かいご理解とご協力を賜
りますよう心からお願い申し上げます。

   令和6年度施政方針 [PDFファイル/696KB]

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Danjiri city kishiwada