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私たちは、いつ、どこで、突然のけがや病気におそわれるか予測がつきません。このようなとき、病院に行くまでに、家庭や職場でできる手当てのことを応急手当といいます。
脳卒中や心筋梗塞などの病気で、呼吸や心臓が止まってしまうもの、大けがをして大出血でショックになり心臓が止まってしまうものなど、特に重篤なものがあります。このようなときには、救急車がくるまで何らかの処置をしないと命は助かりません。
このようなときに役立つ応急手当の方法を、特に救命処置といいます。
総務庁長官官房交通安全対策室から、一般市民が行った応急手当については責任を問われることはないとの見解が出ています。平成6年「交通事故現場における市民による応急手当促進方策委員会報告書」より
また、市民によるAEDの使用については、たまたま居合わせた市民がAEDを用いることは、反復・継続した使用とはみなされないため医師法違反とはなりません。平成16年6月厚生労働省「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会」より
怪我や病気はもちろん心停止はいつあなた自身の身に起こるかわかりません。そういったときのために誰もが応急手当の方法を知っておき、応急手当を行う勇気を持つべきであるというのは言うまでもありません。
しかし、一方でがんや他の重い病気などで終末期の身である方のなかには、もしもの場合でも蘇生行為などの処置が行われることなく安らかに亡くなりたいと望む人もいます。そういった望みがあってもそれが事前に意思表示されていなければ、“そばにいた人々による心肺蘇生とAEDの使用”、“駆けつけた救急隊や搬送された医師たちによる高度な処置(気道確保のため喉にチューブを挿入、点滴と薬剤の投与など)”が生命を救うために行われます。
もしもあなたがそのような終末期の立場になった場合に備え、日ごろから家族やかかりつけ医と事前に相談し、あなたが急変時にどのようにしてほしいのかあらかじめ意思表示をしておきましょう。