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問合せ 岸和田警察署交通課(電話:072-439-1234)
過去10年間の全国の交通事故による死者数推移を見てみると、事故死した人の約半数を、65歳以上の高齢者が占めていることが分かります(下記グラフ(1)参照)。
(1)高齢者(65歳以上)交通事故死者数の推移(警察庁調べ)
昨年は、交通事故の死者数は前年に比べ減っていますが、高齢者が占める割合は56・2%と過去10年のうち最も高い結果になりました。また、大阪府内で発生した高齢者の交通事故の死者数も、全年齢死者数124人のうち48人で約4割を占め、48人のうち33人は75歳以上でした(下記グラフ(2)参照)。
今後さらに高齢化が進んでいくと、高齢者が関係する交通事故の増加が懸念されます。
近年では、事故の被害者だけではなく、加害者になるケースが増えています。その背景には、高齢者人口の増加だけでなく、加齢による運動能力や身体機能の変化など高齢者特有の事情があります。誰もが年を取ります。高齢者の交通事故は他人事ではありません。高齢者の交通事故を防ぐには、本人だけでなく、周りの人の理解と協力も重要になってきます。
(2)令和2年大阪府年齢層別交通事故死者数(大阪府警調べ)
昨年の大阪府の高齢者交通事故死者数48人の状態別死者数を見てみると(下記グラフ(3)参照)、48人のうち44人が歩行中または自転車乗車中の事故で亡くなっています。歩行者25人のうち、道路横断中の死者が20人です。
(3)令和2年大阪府高齢者交通事故状態別死者数(大阪府警調べ)
※ グラフ内の数字は単位未満で四捨五入しているため、合計などが内訳の数字の和と一致しない場合があります。
また、高齢者が歩行中および自転車乗車中に死亡した交通事故の約6割が自宅から1km以内で発生し、高齢者の死亡事故の約8割が交差点および交差点付近で発生しています。
昨年、本市で起きた高齢者の交通事故件数は202件で、死傷者数は116人(死者1人)でした。歩行中または自転車乗車中の事故が5割以上を占めています。
歩行中や自転車乗車中の事故を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
信号が黄色や青色点滅になれば、無理に横断せず、次の青信号になるのを待ちましょう。
道路を渡る前に必ず安全を確認しましょう。横断中も近づいてくる車に注意し、慣れた道でも交差点や曲がり角では、一度止まって安全を確認しましょう。
斜め横断、横断歩道以外の横断、駐車車両付近からの横断、横断禁止場所の横断は絶対にやめましょう。少し遠回りでも横断歩道を利用しましょう。
自転車は軽車両で、原則、車道を通行しなければなりませんが、自転車歩道通行可の標識がある場合や、70歳以上の高齢者の場合などは、歩道を通行できます。危ないと感じる時は、歩行者に注意して歩道を通行するようにしましょう。
高齢者本人だけが気を付けていれば交通事故は防げるのでしょうか。そうではありません。車を運転する人も、歩くのが遅い、走行車両の速度や距離を見誤りやすいといった高齢者の特徴を理解し、高齢者を見かけたら、減速して徐行する、一時停止をするなど、思いやりのある運転を心掛けましょう。
安東 𠮷明さん 80歳
(小松里町在住)
「朝の児童の登校時見守り活動で、子どもたちに元気をもらっています。」と優しい笑顔で話す安東さんは、地域交通安全活動推進委員として、30年以上八木地区の交通安全に貢献してきました。自営業で毎日車を運転し、趣味はゴルフとお元気そのものでしたが、昨年の12月、80歳の誕生日に運転免許を返納しました。安東さんに返納を決めた理由をお聞きしました。
「一昨年6月、福岡市で81歳の男性が起こした事故(男性と同乗の妻が死亡。男女計8人が負傷)の報道を見たことがきっかけになりました。その男性は免許返納を迷っていましたが、自身が会長を務める自治会の活動を考えると踏み切れなかったそうです。その日も私と同じように朝の児童の見守り活動をしていたそうで、地域を支えてきた人がこんな大事故を起こしてしまい、どんなに無念だっただろうと思いました。おそらく運転中、体に異変が起きたのだろうということでしたが、80歳を超えるとこういうことが起こるんだ、そろそろ自分も返納を考えないと、と思いながら年が明けました。そして忘れもしない昨年の2月19日に、私自身が自宅前で、怖い経験をしました。妻と買い物から帰って来たところに対向車が来たので、できるだけ端に寄ろうとしたらタイヤが縁石に当たりました。『まさか自分がこんな運転ミスを?』と思ったその時、右足にこむら返りが起こりました。アクセルとブレーキの間に足が挟まって抜けない。パニックになり、ニュートラルにしたりエンジンを切る余裕がありませんでした。幸い大きな事故にはなりませんでしたが、その晩に家族を集め、今日を最後に車を降りる、今後一切運転しないと伝えました。私が周りの高齢者に言っているのは、自分では分からないかもしれないが、確実に老いは進んでいるということ。みんな私は大丈夫、今まで事故を起こしたことがない、信号も守っていると言うんです。それでも判断力は鈍っている、身体の異変も私のようにいつ起こるか分からない。他人事だと思わず、自分にも起こりうることだと常に頭に入れておいてほしいです。」
運転免許証を自主返納して、運転経歴証明書の交付を受けると、様々な特典が受けられます。詳しくは、府ホームページ「高齢者運転免許自主返納サポート制度」をご確認ください。
必要な物 運転免許証、交付手数料1,100円、写真(縦3cm×横2.4cm)1枚
申請・問合せ 岸和田警察署(電話:072-439-1234 月~金曜日午前9時~午後5時)
府ホームページはこちらから(http://www.pref.osaka.lg.jp/dorokankyo/anzen/zisyuhennou.html)
一昨年の4月に発生した東池袋自動車暴走死傷事故は、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。乗用車が暴走して交差点に進入し、歩行者や自転車などを次々にはね、母子2人が亡くなり、9人が負傷しました。運転していたのは当時87歳の高齢者でした。
あのような悲惨な交通事故は、二度と起きてはなりません。
しかし、高速道路での逆走や、アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違え、店舗などに突っ込むなど、高齢ドライバーが起こした事故の報道は後を絶ちません。高齢者が交通事故を起こさないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
個人差はありますが、誰もが年を取ると、運動能力や判断力が低下していきます。視力などの身体機能も衰えていきます。高齢ドライバーはそういったことを自覚し、自身の運転技術を過信せず、意識して衰えをカバーすることが大切です。併せて、周囲の状況に目を配る習慣を身につけましょう。また、運転する日の体調や天候、路面状況などに合わせた安全運転を心掛けましょう。
先進安全技術を備えた安全運転サポート車(サポカー)などへの乗り換えを考えてみるのも一つの方法です。
運転に自信がなくなったり不安を感じたりしたら、ご家族や周りの人に相談して、運転免許証の自主返納についても検討しましょう(上記参照)。
警察では、加齢に伴う身体機能の変化などのため、運転に不安のある高齢ドライバーやその家族が、専門知識の豊富な職員に直接相談できる窓口を設けていますので、下表の相談窓口までお問い合わせください(月~金曜日午前9時~午後5時)。
相談窓口 |
問合 |
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門真運転免許試験場適正試験係(門真市) |
電話:06-6908-9121 |
光明池運転免許試験場適正試験係(和泉市) |
電話:0725-56-1881 |
また、安全運転相談専用ダイヤル(#8080 月~金曜日午前9時~午後5時)を設け、電話での相談も受け付けています。ぜひ利用してください。
市内では、交通事故件数は、減少傾向にありますが、自転車に関係するものと道路を横断中の歩行者の交通事故が依然として多く発生しています。道路を横断するときは遠回りでも横断歩道や信号のあるところを横断し、必ず左右の安全を確認しましょう。
また、自転車に乗るときは道路の左側を通行し、夕方や夜間に出かけるときには、ライトを点灯し、白っぽい服装や反射材などを身につけるなど、車などから見つけやすくし、事故に遭わないようにしましょう。
全国重点 (1)子どもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保 (2)自転車の安全利用の推進 (3)歩行者などの保護を始めとする安全運転意識の向上
大阪重点 信号遵守の徹底
スローガン 交差点 青でも左右 確認を
交通事故死ゼロを目指す日 4月10日(土曜日)
問合せ 建設管理課交通安全担当(電話:072-423-9499)