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「都市農業」ってなんだろう? 「生産緑地制度」ってなんだろう?
なんとなく聞いたことはあるけれど、よくわからない。
今号では、そんな「農」の疑問にお答えしながら、都市農業の持つ魅力や今後の課題などについてお伝えします。
問合せ 生産緑地制度…都市計画課都市計画担当(電話:072-423-9629)、
新たな貸借制度・防災農地登録制度…農林水産課農林水産振興担当(電話:072-423-9488)
額原町・岡本さんご夫妻。豊かに実った稲穂の前で。
都市農業とは、市街化区域(すでに市街地を形成している区域、及び市街化を図るべき区域)内で行われる農業のことです。
人口増加や経済発展に伴う土地の需要増加により、都市農地は徐々に減少してきましたが、都市の貴重な緑地が減り、都市住民の環境保全の意識が高まってきたことにより、都市農地の持つ価値が見直され、改めて都市農業の重要性が注目を集めています。
農地の役割は、農産物の生産だけではありません。私たちの生活にとって、大切な役割をいくつも持っています。
ここで、都市農業の持つ多様な機能をご紹介します。
水田には昆虫類など多くの生物が生息しています。例えば、オタマジャクシ、カエル、ゲンゴロウ、トンボ…。水田は子どもたちにとって身近に生物を観察できる場所です。しかし近年、水田や水路で見られたメダカが、環境省から絶滅危惧種として指定されるなど、生息域の減少が課題となっています。
水田や農作物、ため池から水分が蒸発する際に熱が奪われます。これにより、農地周辺は夏の気温上昇が緩和されます。
農地は雨水を吸収し、少しずつ流す機能を持っています。これにより大雨の際に、雨水が一気に水路や川に流れ込んで洪水が起こるのを緩和してくれます。近年、記録的な豪雨が見られるなか、農地の持つ雨水貯留機能が改めて見直されています。
阪神・淡路大震災では、農地が避難地や避難路、さらには延焼遮断帯となるなど重要な防災空間であることが認識されました。
また、東日本大震災では、応急仮設住宅の建設用地として、公有地に加えて農地などの民有 地活用の必要性が高まり、国が市町村に農地情報の提供協力を依頼しました。
こうした状況を受けて、本市では今年10月に「防災農地登録制度」を創設し、災害時の避難空間などへの使用を承諾いただける農地を募集しています。
尾生町の農地。周辺の住環境に、日当たりの良さや開放的な空間を提供することができ、火災時には延焼を防ぐ効果も。
都市農地は、子どもたちが身近な農地で収穫体験を行うなど、食や自然について学ぶ大切な場でもあります。
また、近年は市民農園など農作業を通した交流の場にもなっています。
磯上町の畑で、地域の人たちと毎年行われる大芝幼稚園のサツマイモ掘り。
水田は、春にはレンゲ畑、夏は水面が輝き、秋には稲穂が実り、田起こしの際にはシラサギが舞い降りるなど、四季折々の風景を見せ、私たちを楽しませてくれます。
都市農地は、市街化調整区域内の農地と比較して地価が非常に高いため、税の影響に配慮した制度として、30年間耕作を続けることを選択した農地を「生産緑地」に指定し、税を軽減する制度があります。本市では、3年後には多くの生産緑地が指定から30年を迎え、宅地化を選択することも可能になります。
また、農業従事者の高齢化や後継者の不在など、農の担い手不足も課題となっています。
そこで、多様な機能を持つ都市農地を維持していくために、生産緑地法等の制度改正(下記参照)が行われました。
面積300平方メートル以上の農地から追加指定が可能になりました(一部指定できない地域があります)。
都市農地の貸借の円滑化に関する法律により、生産緑地を貸しても、相続税の納税猶予が受けられるようになりました。
生産緑地の指定を受けてから30年間耕作し、さらに10年間耕作を行う「特定生産緑地」の指定を受けると、現行の税制度を引き続き10年間継続できます。特定生産緑地の指定を受けるためには、最も早い人で、令和3年8月15日までに手続きが必要です。
問合せ 生産緑地制度…都市計画課都市計画担当(電話:072-423-9629)、新たな貸借制度…農林水産課農林水産振興担当(電話:072-423-9488)
地元産の新鮮な野菜や果物の販売、抽選会など楽しいイベントが盛りだくさんです。
日時 11月23日(祝日)午前10時~午後3時(式典は午前9時半から。荒天中止)
場所 中央公園(西之内町)
※ 駐車場(有料)は数に限りがありますので、車での来場はご遠慮ください。
内容 特設ステージでの音楽やダンス、豚汁や地場野菜料理の試食、ふれあい動物園、「ビッグバン」移動ミュージアムなど
問合せ 農林水産課農林水産振興担当(電話:072-423-9488)
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