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自治基本条例逐条解説 第4章 市長、他の執行機関及び職員の責務(第11条ー第13条)

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2009年3月3日掲載

条文

(市長の責務)
第11条 市長は、市政の代表者として、毎年市政の基本方針を明らかにし、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。
2 市長は、市民の意向を適正に判断し、市政の課題に対処したまちづくりを推進しなければならない。
3 市長は、人材の育成を図るとともに、職員を指揮監督し、その能力を評価し、適正に配置するよう努めなければならない。

解説

 市長は、市民の信託を受けた者として、また市政を代表する者として、この条例の目的を達成するため、毎年市政の基本方針を明らかにし、公正かつ誠実に職務を執行しなければならないとします。

 「毎年市政の基本方針を明らかにし」とありますが、この「基本方針」は市長が責任を持って示すものであり、通例ですと市長は3月議会で基本方針として施政方針を表明しています。
 一方、総合計画や予算も市政の方針といえますが、予算は金額にかかる内容であり、総合計画は長期的で抽象的な大きな目標なので市長が何をやろうとしているかが具体的にわかりにくいところがあります。この第11条は、そのあたりのわかりにくさを何とかするため、予算と総合計画の両者を媒介するため、また、市長に施政方針の表明等の手段を通じて、市政の方針をより明確化させようという意図があります。

 第2項では、市民の意向というものを重要視して、適正に判断することで、直面する市政の課題や様々な問題に対処し、まちづくりに取り組んでいかなければならないというものです。
 「市民の意向を適正に判断し、市政の課題に対処」とは、例えば、自治基本条例の個々の条文では、広く市民の声を聞いたり、市民の市政の意思形成過程へ参画する機会を保障していますが、具体的な手続・方法については、さらに個別の条例や規則を制定し、制度として確立していかなければなりません。

 職員に対する施策については、「指揮監督」「人材育成」「能力評価」「適正配置」を明確な柱として規定し、個々の具体的手段はここには規定していませんが、例えば、人材育成という点では「様々な研修体制」であったり、能力の適正評価という点では「人事考課制度」のように具体的な制度を実施していますが、このように、それぞれの条文を実現させるために様々な事業を行うことや制度の整備が義務付けられてくることになります。

条文

(他の執行機関の責務)
第12条 市長を除く執行機関は、その職務に応じて、市長と同様の責務を負い、市長及び他の執行機関と協力して市政の運営に当たらなければならない。

解説

 市長を除く他の執行機関も、市長と同様の責務を負い、市長や他の執行機関とも協力して市政運営に当たるというものです。
 「他の執行機関」とは、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、固定資産評価審査委員会、農業委員会、監査委員などを指します。
 これらの執行機関は、もちろん市政全般の運営に当たるわけではありませんので、地方自治法等で認められた各々の権能の範囲内で第12条に定める責務を負うことになります。

条文

(職員の責務)
第13条 職員は、市民本位の立場に立ち、公正かつ誠実で効率的にその職務を遂行しなければならない。
2 職員は、職務の遂行に当たっては、法令及び条例等を遵守しなければならない。
3 職員は、職務についての必要な知識や技術等の能力開発及び自己啓発を行うとともに、職務の遂行に当たっては、創意工夫に努めなければならない。

解説

 職員は、まず「市民本位」の立場に立って、公正で誠実で、かつ効率的に職務を遂行しないといけません。職員として当然のことですが、常にそれを意識して行うためここに明記するものです。
 また、その職務の遂行に当たっては、「法令や条例、規則等を遵守」しなければならないというものです。

 職員個人としては、きちんと法令を遵守する必要があり、私益のために法律を独自に解釈することがあってはならないというもので、基本的に、法令は遵守すべきというものです。
 もうひとつ、法令を市民に適用するような政策の主体となるものについては自主解釈の余地があり、法律を執行する上では、法令所管省庁の法令解釈とは別に、地域の実情を踏まえた岸和田市独自の解釈があってもいいというもので、これについては第26条に規定しています。

 さらに、職務の遂行に当たっては、個々の職員としても、自ら積極的に情報を収集して、職務に必要な知識を得るよう努めなければなりません。また、職務に関する技術等を磨いたり、既存の能力を高めたり、新たな能力開発を行ったりしなければなりません。さらに、自己啓発を行うとともに、慣例に流されることなく創意工夫に努めなければならないとしています。


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