本文
1月13日(木曜日)、NHK大阪放送局は、平成23年の秋に放送開始する連続テレビ小説が「カーネーション」に決まったと発表しました。
物語のモデルは、2006年に92歳でその生涯を閉じた本市出身のファッションデザイナー、小篠綾子さん。そして脚本は、『ジョゼと虎と魚たち(2003年)』 、『メゾン・ド・ヒミコ(2005年)』、『火の魚(2007年)』などの作品で有名な渡辺あやさんです。パワフルで笑いに満ちた女性の一代記を愛情たっぷりに描いていただけるようです。
■脚本家の言葉――渡辺あや
小篠綾子さんの92年の生涯。それはそのまま大正から平成にいたる日本の女性史、と同時にファッション史、生活文化史でもあります。激動も波乱もてんこもりな三つの時代を背景に、しかし物語はあくまでも、ひとりの女性のそぼくな愛情の歴史でありたいと思っています。
綾子さんが晩年に書かれた言葉があります。「敗戦の瓦礁の中から、戦勝国も目を見張る高度経済成長を遂げ、今日の繁栄を築いた、バイタリティあふれる戦後の復興。それを支えたほんとうの力は、日本中の母親たちの母性愛だったのではないか、と私は思っています。子供たちに少しでもいい暮らしをさせてやりたい。その純粋な思いで、一心不乱に、ひたむきに働いてきたのは私だけではありません。男はんをぎょうさん戦争にとられ、(中略)焼け跡でほんとうに生きる根性を見せたんは、日本中のお母ちゃんやったと思うのです。」綾子さんの、こんな鮮やかな誇り。そして、同じ時代を生きた女性たちへのやさしい敬意。これから私たちがドラマの中に育て咲かせるべきも、きっとそういうかたちの「花」である気がしています。
一輪の花のような毎日の15分が、やがて大きな花束となって、抱かれることができますように。あの花の意味が、時間も場所も立場も超えて、届きますように。
NHKによる制作発表(外部リンク)(掲載終了しました)