岸和田市市制施行100周年誌記念誌
みんなでつくるまち岸和田
みんながみんなを大切にするまち50-51ページ

誰もが健やかに暮らし続けられる地域づくり

介護予防の取組みを通して住み慣れた地域でずっと元気に!

近年は高齢者が健康上の問題で制限されることなく日常生活ができる期間である「健康寿命」が注目され、要介護状態の発生を防ぎ、また悪化をできる限り遅らせて軽減をめざすための介護予防の取組みが全国各地で進んでいます。岸和田市ではそうした取組みの一つとして、「いきいき百歳体操」「かみかみ百歳体操」を住民主体で開催。地域の町会館などの身近な場所で行われる体操や交流が、地域で暮らす高齢者の介護予防や認知症予防に繋がっています。

いきいき百歳体操

手足につけた重りで負荷をかけ、足腰の筋力を向上させる高知市発祥の介護予防体操。岸和田市では平成26年(2014)から取り入れ、現在は市内120以上の町会館や集会所で定期的に開催されています。
高齢者が楽しみながら参加し続けている東ケ丘町町会館でのいきいき百歳体操の様子の画像

いきいき百歳体操は1回30分、椅子に座った状態でもできる運動で、テレビ岸和田や動画サイトでも配信しています。このほか高齢者の関心が高い認知症予防や低栄養予防などの「フレッシュらいふ教室」も開催しています。
岸和田市介護保険課職員/市村真雅

市村さんの画像

支援が必要な人をサポートする地域ネットワーク

岸和田市では高齢者や障害のある人、ひとり親家庭など、支援を必要とする市民が安心して暮らせるように、行政、社会福祉協議会、医療機関、医師会、民生委員・児童委員などによるネットワークが作られています。市内6カ所設置の地域包括支援センターや障害者委託相談支援事業所、市内11カ所に配置されたコミュニティソーシャルワーカー(総合生活相談員)は身近な相談窓口。適切な支援を継続的に行うために、専門機関と連携して困り事に対応しています。

ネットワークを示す図の画像

岸和田市立福祉総合センター

「岸和田市立福祉総合センター」「岸和田市立総合通園センター」「市民活動サポートセンター」などの機能を持つ複合施設です。地域福祉の向上を担う拠点施設として、市民の多様化するニーズにこたえていきます。
平成29年(2017)に竣工・開館

市立岸和田市民病院

大阪府「地域医療支援病院」の承認を受けている、泉州地域の基幹病院です。地域の医療機関や介護施設、行政などと連携を図りながら、患者の入院から退院・転院、その後のケアまで、地域生活への早期復帰を支えています。
昭和11年(1936)から地域の医療を担う

Pick Up!

制度の隙間をカバーする市民団体やNPO法人が活動しています
日本語サロン

岸和田市国際親善協会が主催。岸和田市やその周辺で生活する外国人を対象とした日本語の学習支援を市内5カ所で定期的に開催しています。

日本語サロンの活動中の画像

参加者の個々のニーズに合わせ、日常会話や日本語能力試験の学習を支援。在住外国人のコミュニティにもなっています。
岸和田市国際親善協会事務局長/西村令子さん

西村さんの画像

NPO法人草の根福祉

岸和田駅前通商店街を拠点に、電球の取り替えや清掃など、地域の高齢者や障害のある人のちょっとした困り事から支援しています。

草の根福祉の活動中の画像

相談に来た方の人生が今より豊かになるように、小さな悩みにも耳を傾け、笑顔で帰れるようサポートしています。
理事/植野高志さん

植野さんの画像

ふれあいリビングほしがおか

府営荒木住宅の高齢者を中心に、世代を超えた居場所づくりに従事。ふれあい喫茶や朝市、こども食堂など幅広い活動を行っています。

ふれあいリビングほしがおかの活動の画像

各活動が高齢者の引きこもり防止や母子家庭の支援に。「地域にこんなものがあれば…」を今後も実現します!
代表/原口正彰さん

原口さんの画像

NPO法人自立生活センター・いこらー

障害当事者によるピアカウンセリングや登山、だんじり祭見物ツアーなどを通して障害者の自立と社会参加を支援しています。

自立活動センターいこらーの画像

障害者の自立生活運動を泉州地域に広げ、誰もが自分らしい生活を実現できる地域づくりをめざします。
代表/東谷 太さん

東谷さんの画像

互いを尊重する差別のない社会をめざして

市民や企業が参加して人権啓発に取り組む [岸和田市人権協会]

岸和田市は平成17年(2005)に「岸和田市人権尊重のまちづくり条例」を施行し、すべての人権が尊重される豊かなまちづくりの実現をめざして、教育委員会や各団体とともに研修や啓発活動を積極的に実施しています。その中核を担う「岸和田市人権協会」は校区連合町会や岸和田市人権啓発企業連絡会、人権擁護委員など31団体で構成されています。近年ではSNSやインターネット上の中傷、ハラスメント、性的マイノリティへの差別といった新たな人権問題が生じるなか、さまざまな角度から人権尊重の意識を高める取組みを行っています。

校区別人権問題研修会「なるほど!人権セミナー」

市民が気軽に人権について考え、意識を高める取組みとして、毎年10~11月に市内20カ所で人権問題についての研修を開催しています。
人権セミナー研修中の画像

だんじり祭に代表される各町内の絆の強さを、人権意識を高めることに繋げていきたいと思います。
右:会長/杉原俊次さん(町会連合会)
差別による悩みをひとりで抱え込むことなく、誰もがいつでも気軽に相談できる環境を整えていきます。
中:副会長/髙松弘子さん(人権擁護委員)
職場でのハラスメント対策の早期徹底のために、気づきの機会を設け、解決の具体案を企業間で共有していきます。
左:副会長/辻坂徳啓さん(岸和田市人権啓発企業連絡会)

会長・副会長3名の画像

講演会や寸劇などを通して男女共同参画を伝える [岸和田女性会議]

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」といった固定的性別役割分担意識は、時代とともに変わりながらも根強く残り、家庭や職場などでのさまざまな分野における男女共同参画の阻害要因となっています。「岸和田女性会議」は誰もが性別にとらわれることなく、自分らしい生き方を本音で語り合える場として昭和63年(1988)に結成。男女平等の実現に向けて、さまざまなテーマでの講演会を開催しているほか、日常生活の中の男女平等に関する問題をオリジナルの寸劇やジェンダー川柳などで表現し、啓発活動に取り組んでいます。

固定的性別役割分担意識の変化
(岸和田市「男女共同参画に関する市民意識調査」より)

Q あなたは「男は仕事をし、女は家事・育児をすべきである」という考え方についてどのように思いますか?

市民意識調査のグラフ画像。2014年より5年を経て反対が増えている

これからのまちづくりを担う若い世代の市民にも、男女平等に関する問題を意識してもらえるように取り組んでいきます。
右:代表/馬場由美子さん
言動を意識するだけでも男女の不平等は大きく改善します。そんな気づきの機会を設けることが私たちの役割です。
中:代表/中川麗子さん
6つの部会活動のほか、広報活動のひとつ「かしまし座」では公民館などで寸劇を披露。男女平等に関する問題をわかりやすく伝えています。
左:代表/熊取ちゑみさん

代表3名の画像

市制施行100周年記念事業の一環として開催された「きしわだ男女共同参画フォーラム」にもパネリストとして中川麗子さんが登場しました