岸和田市市制施行100周年記念誌
みんなでつくるまち岸和田
安全・安心が実感できる美しいまち48-49ページ

よりよい地域を自らの手でつくる
市民ボランティアが幅広く活動

地域住民による安全なまちづくり [城内地区市民協議会]

犯罪や事故のない「安心して暮らせるまち」の実現は岸和田市民すべての願いです。市や警察はもちろん、近年は地域で暮らす市民による自主的な防犯活動により、岸和田市の犯罪件数は減少傾向にあります。「城内地区市民協議会」では、平成20年(2008)から児童の下校の時間に合わせて校区周辺をパトロール車両で巡回する「青色防犯パトロール活動」を実施しています。活動は年間約250回、月200名の協議会会員やボランティアが参加し、地域の防犯に大きく貢献。令和3年度「大阪府安全なまちづくりボランティア団体」表彰も受賞しました。

青色防犯パトロール活動

市内でいち早くパトロール車両を用いた防犯活動を開始。ベスト・帽子を着用したボランティアが2人一組で乗車し、地域を巡回しています。同協議会では朝夕の児童見守りにも取り組むなど、地域に大きな安心感を与えています。
青色防犯パトロール活動中の画像
城内地区街頭犯罪発生件数の推移の表

私たちの活動が市内に広まり、各地域の「安心して暮らせるまちづくり」に少しでも貢献できればうれしいです。
城内地区市民協議会防犯委員/大野国晴さん

大野さんの画像

市民の自主的な清掃活動がまちの美観を守る

市民の財産である道路などの公共の場で、タバコや空き缶のポイ捨てにより美観が損なわれていることが社会問題となっています。岸和田市では「岸和田市きれいなまちづくり条例」を施行し、「きれいなまち岸和田」の実現を推進。また、市民や市民団体による自主的な活動として、「まちを美しくする市民運動協議会」を中心にボランティアによる清掃活動が積極的に行われています。磯上町の大海行雄さんは市の清掃活動の呼びかけに参加して以来、15年以上ほぼ毎日、ごみ拾いや緑化運動に取り組み、令和3年度には善行者表彰を受けました。

清掃活動中の画像
町会などボランティアによる清掃活動の様子(画像は野田町)

地域で暮らす子どもたちのためにも、美しいまちを守り、次代に残していきたいと思って活動しています。
大海行雄さん

大海さんの画像

防災への取組みを通して
「自助・共助・公助」の意識を高める

大規模自然災害による被害拡大を防ぐために [防災訓練]

近年、日本各地で地震や台風などによる災害が発生しており、岸和田市では平成29・30年(2017・2018)の台風が大きな爪痕を残しました。大規模自然災害の被害を最小限にするためには、ひとりひとりの「自助・共助の意識」と「公助との連携」、そして市民や事業者、ボランティアが一体となって災害に立ち向かう「災害対応力」を高めることが大切です。岸和田市では、岸和田市消防団や水防団、婦人防火クラブなどが参加する「総合防災訓練」を毎年実施。実践的な訓練を行っています。また、日頃から災害に備えるために「総合防災マップ」を全戸配布しています。

防災訓練の画像

災害対策本部設置・初動対策設置訓練

迫り来る風水害に対して迅速に行動するため、市職員、消防本部などが参加。災害時の司令塔となる災害対策本部の設置や警戒レベルに合わせた初動対策の実践的なシミュレーションを行っています。
災害対策本部の画像

総合防災訓練

市の消防本部や警察、自衛隊をはじめ、地域防災団体が参加。被災地の情報収集や被災者の捜索、クレーンを使った交通救助、医療救助活動、水防団による水防工法など、巨大地震発生を想定した訓練を行っています。
総合防災訓練の画像

Pick Up!

まちを守る地域防災の担い手

地域のことを自らの手で守るため、各団体が災害に立ち向かう技術を高めています。

岸和田市消防団

山手の大沢分団(大沢町)と葛城上分団(相川町・塔原町)の2つの分団に30名の団員が所属。平成29年(2017)台風21号での活動では、平成30年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞。

消防団の活動中の画像

災害の最前線で地域住民を守るのが私たちの使命。管轄内のパトロールや災害対応訓練などを行っています。
団長/椎木康宏さん

椎木さんの画像

岸和田市水防団

第1~5分団まで各60名、本団役員を含む総勢310名で構成。結成以来60年以上にわたって堤防や河川の決壊などを防ぐ水防活動に従事。市民の生命と財産を守る活動に取り組んでいます。

水防団の活動中の画像

水防の基本である「積み土のう工」や救助活動などの技術を団員同士で高め合い、日々災害に備えています。
団長/植田 功さん

植田さんの画像

Column

過去に発生した自然災害を教訓に

岸和田市では、これまでにも想定を超える規模の自然災害が発生し、大きな被害を受けました。全戸配布されている「総合防災マップ」では、市内で発生が想定される地震や津波、洪水、土砂災害、高潮のハザードマップを掲載。市民ひとりひとりの日頃の備え、万が一の時の災害対応に活用できるよう努めています。

岸和田市総合防災マップの表紙画像
市内で想定される災害
地震

上町断層帯による地震や南海トラフ巨大地震は、市内全域で大きな被害を引き起こします。

土砂災害

山やがけ地では、大雨によるがけ崩れなどの土砂災害が発生します。

土砂災害時の画像
ため池の氾濫

ため池の整備規模を上回る大雨や大地震により堤体が損傷を受け、氾濫が発生します。

洪水

台風による大雨や局地的大雨、集中豪雨などにより河川の氾濫が発生します。

洪水時の画像
液状化

地震の揺れにより液状化が起こり、建物の倒壊や道路の陥没などが発生します。

津波

南海トラフ巨大地震が発生した場合、海沿いの地域で津波による被害が発生します。

高潮

台風などの強い低気圧により、海沿いの地域では高潮による被害が発生します。