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平成30年度指定管理者監査の結果

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2019年3月28日掲載

第1 監査の対象

1 指定管理者

岸和田市観光振興協会

2 対象施設

岸和田城・岸和田だんじり会館・岸和田市営駐車場

3 所管部課

魅力創造部観光課

4 対象期間

平成29年度分(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)。ただし、必要に応じて他年度分を含む。

第2 監査の主な実施内容及び着眼点

監査対象施設の指定管理者及び所管部課から関係諸帳簿の提出を受け、岸和田市監査等の基準及び事務処理に関する規程に基づき策定した平成30年度公の施設の指定管理者監査実施計画に定める監査の着眼点について、実査、証憑突合、帳簿突合、計算突合、質問、閲覧により行った。

第3 監査の実施場所及び日程

1 実施場所

監査委員室

2 日程

(1) 調査期間 平成30年12月3日から平成31年1月29日まで

(2) 監査実施日 平成31年1月29日

第4 指定管理者の概要

1 設立

平成3年2月21日に設立された団体である。

2 設立の目的

岸和田市及びその周辺地域の観光・物産に関する事業の振興を図り、もって岸和田市の産業文化の向上発展に寄与することを目的としている。

3 役員数

会長1名 副会長3名 理事22名 会計1名 監事2名

第5 指定管理の状況

1 岸和田城

(1) 施設の所在地

岸和田市岸城町9番1号

(2) 施設の設置目的

本市における観光、文化及び地域の振興に資するために設置されている。

(3) 指定期間

平成28年4月1日から平成33年3月31日まで

(4) 指定管理者の業務範囲

ア 岸和田城の利用に関する業務

イ 岸和田城の施設及び設備の維持管理に関する業務

ウ 岸和田城で実施する事業の運営に関する業務

エ その他、岸和田城の管理に関し市長が必要と認める業務

(5) 指定管理者の選定方法

公募

(6) 施設の利用状況

 利用件数収入額
天守閣入場料41,565人8,922,690円
施設使用料1,359人320,000円
望遠鏡使用料1,422人142,200円

(7) 収支の状況

収入 
 岸和田市指定管理料26,018,000
収入合計26,018,000
支出 
 (1) 直接費9,509,649
    需用費3,792,369
    役務費176,197
    委託料5,517,785
    備品購入費23,298
 (2) 人件費16,039,449
支出合計((1)+(2))25,549,098
収支差引額468,902

2 岸和田だんじり会館(以下「だんじり会館」という。)

(1) 施設の所在地

岸和田市本町11番23号

(2) 施設の設置目的

岸和田だんじり祭りを広く総合的に紹介し、観光及び文化の振興に資するために設置されている。

(3) 指定期間

平成28年4月1日から平成33年3月31日まで

(4) 指定管理者の業務範囲

ア だんじり会館の利用に関する業務

イ だんじり会館の施設及び設備の維持管理に関する業務

ウ だんじり会館で実施する事業の運営に関する業務

エ その他、だんじり会館の管理に関し市長が必要と認める業務

(5) 指定管理者の選定方法

公募

(6) 施設の利用状況

 利用件数収入額
だんじり会館入場料34,415人9,151,000円

(7) 収支の状況

収入 
 岸和田市指定管理料62,558,000
収入合計62,558,000
支出 
 (1) 直接費35,398,371
    報償費365,000
    需用費12,223,655
    役務費971,636
    委託料21,153,400
    使用料及び賃借料589,680
    備品購入費95,000
 (2) 人件費26,581,238
 (3) 振興費1,199,675
    旅費153,810
    需用費393,069
    役務費163,356
    使用料及び賃借料19,440
    負担補助及び交付金470,000
支出合計((1)+(2)+(3))63,179,284
収支差引額△621,284

3 岸和田市営駐車場(以下「駐車場」という。)

(1) 施設の所在地

岸和田市本町1819番地の7

(2) 施設の設置目的

道路交通の円滑化を図り、もって市民の利便に資するために設置されている。

(3) 指定期間

平成28年4月1日から平成33年3月31日まで

(4) 指定管理者の業務範囲

ア 駐車場の利用に関する業務

イ 駐車場の維持管理に関する業務

ウ その他、駐車場の管理に関し市長が必要と認める業務

(5) 指定管理者の選定方法

公募

(6) 施設の利用状況

 利用件数収入額
駐車場使用料7,213台2,183,500円

(7) 収支の状況

収入 
 岸和田市指定管理料4,424,000
収入合計4,424,000
支出 
 需用費447,201
 役務費71,875
 委託料4,111,384
 使用料及び賃借料132,888
支出合計4,763,348
収支差引額△339,348

第6 監査の結果

岸和田城、だんじり会館及び駐車場の管理運営については、設置条例及び基本協定書に基づき、おおむね適正に実施されているものと認められたが、所管部課・指定管理者ともに、一部、指摘事項が認められた。

指摘事項については、是正・改善の必要があるため、適切な措置を講じられたい。なお、所管部課は、指定管理者による管理運営の状況を確認し、必要に応じ指導する立場にあるため、措置を講じたときは、指定管理者による措置の状況も確認した上で、遅滞なく通知されたい。

指摘事項及び注意を要する事項と判断した基準は、次のとおりである。

指摘事項
 (1) 市に損害を与えている、又は損害を与える恐れがあるもの
 (2) 収入確保に適切な措置を要するもの
 (3) 予算を目的外に支出しているもの
 (4) 不必要な予算執行をしているもの又は損害を生じているもの
 (5) 法令や条例、通達等に違反しているもの
 (6) 契約や協定等に反しているもの
 (7) 機関の意思決定が適切になされていないもの
 (8) 書類の隠匿や改ざんその他の故意による違反行為があるもの
 (9) 重大な過失又は著しい怠慢によって誤りを生じているもの
 (10) 正確性、経済性、効率性又は有効性の観点から改善を要するもの
 (11) 前回、指摘事項又は注意を要する事項とした事項のうち、是正・改善されていないもの
 (12) その他、不当又は適正を欠く事項で指摘が適当であると認められるもの
注意を要する事項
 (1) 不当又は違法ではないが適切でないもの
 (2) 執行機関等に改善・検討などを促し、又は注意を喚起することが必要と認められるもの
 (3) 上記の指摘事項以外で、金額、手続、処理、方法等から見て比較的軽微な誤りと認められるもの

1 指摘事項

(1) 共通事項(所管部課・指定管理者)

ア 基本協定書では、指定管理者が自主事業を実施する場合は、自主事業実施計画書を市に提出し、事前に書面で承諾を受けなければならないが、自主事業実施計画書及び市の承諾に関する書類を確認できないものがあった。また、自主事業は、収支の面からも指定管理業務とは明確に区別する必要があるが、自主事業の計画書及び報告書において、自主事業と指定管理業務が明確に区別されていなかった。自主事業が不明確な計画書について、市は承諾をしていた。(判断基準 (6))

イ 基本協定書では、指定管理者は管理備品をその費用負担区分や所有区分により、1種・2種・3種に区分して管理することになっているが、市が指定管理者に貸与している備品等(1種)について、廃棄されているにもかかわらず市の備品台帳に記載されたままになっているもの、所在不明で現物確認できなかったもの、備品の所管施設が変更されているにもかかわらず市の備品台帳の整理がされていないものがあった。また、指定管理者の費用で取得した備品等(2種)について、指定管理者の備品台帳に記載されていないものがあった。(判断基準 (6))

ウ 基本協定書では、モニタリングの実施について、岸和田市公の施設の指定管理者制度に係る運用指針に基づき、市及び指定管理者が必要な確認等を行うものとされている。モニタリングにおいて、利用者アンケートは、施設内の設備の整備状況や利用者への職員の対応などサービス水準の確認として位置づけられており、同指針では、原則として指定管理者が主体となって通年で実施することになっている。利用者アンケートを実施することは、サービス向上のための方策として重要な意義があり、利用率や利用者数の向上にもつながるものであるが、岸和田城及びだんじり会館で開催されたイベントの参加者や来場者に対するアンケートは一部実施されていたものの、年間を通じての一般利用者に対するアンケートは実施されていなかった。(判断基準 (6))

エ 基本協定書では、指定管理者は施設総合損害賠償保険を付保することになっているが、付保されていなかった。(判断基準 (6))

オ 岸和田城天守閣の入場料及びだんじり会館の入場料について、各条例施行規則において、身体障害者等の手帳の交付を受けている者が入場料の減免を受けようとするときは、手帳を提示の上、入場許可申請書及び減免申請書により市長に申請することになっているが、団体入場者については申請書の提出を受けていたものの、個人入場者について、申請書の提出を受けずに減免していた。(判断基準 (5))

カ 自主事業に係る経費は、指定管理業務に係る収支とは明確に区別しなければならないが、岸和田城の指定管理業務に係る収支決算書において、自主事業に係る経費が含まれていた。また、だんじり会館の指定管理業務に係る収支決算書において、だんじり会館で実施されたイベントに係る経費が含まれていたが、収入した参加費を岸和田市観光振興協会の収入としているものがあり、指定管理業務に係る収支と岸和田市観光振興協会の収支が明確に区別されていなかった。(判断基準 (6))

キ 指定管理業務として管理物件敷地内に設置されている自動販売機及び公衆電話について、自動販売機の売上金の一部として設置者から支払われる販売手数料及び公衆電話機内から回収した現金を指定管理業務の収入とするところ、岸和田市観光振興協会の収入としていた。(判断基準 (6))

ク 基本協定書では、指定管理者が、施設、設備、外構を維持補修するときは、あらかじめ書面で市の承認を得ることになっているが、指定管理者が実施した設備の維持補修について、市の承認に関する書類を確認できなかった。(判断基準 (6))

ケ だんじり会館の指定管理業務に係る収支決算書において、久米田池桜まつりへの負担金等、基本協定書に定められていない業務の経費が含まれていた。(判断基準 (6))

第7 意見

今回の指定管理者監査において、基本協定書に基づく手続きが適正になされていない等、複数の不備が見られた。その中でも、自主事業に係る手続き、備品の管理については、平成21年度に今回と同じ施設について同じ指定管理者を対象に実施した監査においても不備が見られ、改善を求めていた事項で、当時の所管部課から措置状況の通知が当職になされていたにもかかわらず、なお一部改善が見受けられなかったことは、誠に遺憾である。また、指定管理業務に係る収支は、自主事業に係るものや団体の収支とは明確に区別しなければならないが、収支決算書において、明確に区別されていないものがあった。このことは、指定管理業務とそれ以外の業務が明確に区別されていないことに問題があると考える。指定管理者制度は、公の施設の設置の目的を効果的に達するため必要があると認めるとき、市が指定する法人その他の団体に公の施設の管理を行わせる制度である。基本協定書等に定められている業務の範囲を再確認し、明確に区別されたい。地方自治法第244条の2第10項では、市は指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地調査し、必要な指示をすることができると規定されている。今回、指定管理者の事務処理において複数の不備が見られたが、市による点検が十分に行われておらず、指定管理者による管理・運営の実態把握が適切になされているとは言い難い。市は施設の設置者として、指定管理者による管理・運営が協定書等に基づき適正に行われているか、事業収支は適正か、利用者に対してサービスが安定的に提供されているか等について、常に点検・調査し、必要に応じ適切な指示を行われたい。

また、岸和田城の特定施設、だんじり会館の会議室等の使用許可の手続きにおいて、使用許可書の交付がされていなかった。各条例及び施行規則では、使用許可書の交付について定められていないが、各施行規則では、使用料を還付する際に使用許可書の添付を求めており、また、使用者との疑義の発生防止及び使用を許可しない場合を想定し、使用許可書の交付は必要であると考える。市と指定管理者で十分協議の上、使用許可書の交付について検討を望む。

今後、必要に応じた市の指導・助言等により、利用者満足度を高め、利用促進を図ることで、本市の観光、文化及び地域の振興等に寄与できるよう、より一層の努力を望む。


Danjiri city kishiwada