いきいき学びのプラン(41号) 2面,3面

印刷用ページを表示する 2010年12月1日掲載

学びのプラン紙芝居「私がやること できること」

「誰もが住みよいと思えるまち」にするためには、お互いが理解しあい、支えあい、協力しあいながら共に育ちあうことが大切です。『いっしょにね!!』は、障がい児も健常児もそして大人たちも生き生きと過ごせることを目標に活動しています。
今回はそんな『いっしょにね!!』の活動を紙芝居形式でご紹介します。
それでは、はじまり はじまり。

紙芝居 合計6枚のうち1枚目     

ある日、岸和田市内の小学校で、出前紙芝居が行われました。
でも、普通の紙芝居とはちょっと様子が違います。話をしに来てくれたのは、自分たちの親と年齢の変わらない、少し緊張気味のお母さんたちです。紙芝居の内容も昔話やおとぎ話ではありませ
ん。目の前にいるお母さんたち手作りの実体験を基にしたハンディを持つ子どもたちのお話です。 

岸和田市内の小学校で、出前紙芝居が行われている様子                                                
  

紙芝居 合計6枚のうち2枚目

紙芝居が始まると、子どもたちは自然と話に引き込まれていきます。知っていること、初めて聞くこと、改めて確認すること・・・。
普段の生活の中にも、高齢であることや障がいの有無などにかかわらず、すべての人が快適に利用できるようにと工夫されたものがあること、いろんな人の立場で物事を考えていくことの大切さを学びます。
出前紙芝居は障がいを正しく理解してほしい、障がいのある子もない子もみんなが笑顔で過ごせるように、そんな思いが詰まった『いっしょにね!!』の活動のひとつなのです。

『いっしょにね!!』による、学校での出前紙学習の代表作。手書き紙芝居「わたしのいもうと」     『いっしょにね!!』の皆さんによる手書き紙芝居「わたしのいもうと」の一部

 

紙芝居 合計6枚のうち3枚目

そんな活動に至るまでには、生まれたわが子のハンディを知り、育てていく上でたくさんの不安と葛藤がありました。
「この子の親と堂々と言えるのか?」
「どんな育て方をしたらいいのか?」
「この子はどこまで成長できるのか?」
支援の情報は乏しく、まるで暗いトンネルの中。

 「まるで暗いトンネルの中を歩いているようだ」と感じている親を表す絵

紙芝居 合計6枚のうち4枚目

「とにかく、この子を育てなければ!」
一筋の光が見えたのは、見守り支えてくれる家族、友人、近所の人とのつながりがあったからでした。
そして、「助けて!」と言える環境づくりが必要だという思いが集まって、ハンディを持つ子と持たない子と大人たちの出会いの会として1995年(平成7年)、『いっしょにね!!』が立ち上がったのです。

          見守り支えてくれる家族、友人、近所の人を表す絵1995年(平成7年)、自主学習グループ『いっしょにね!!』が立ち上がる車椅子に乗っている男の子の絵

紙芝居 合計6枚のうち5枚目

『いっしょにね!!』では、共に学び、考え、思いやりの気持ちを育みながらたくさんの経験をしています。
みんな同じ命。障がいを正しく理解し、それを個性として受け止め、命の尊さ、人とのつながりの大切さを感じてほしい。未来を担う子どもたちにひとりでも多く届くようにと願いながら、『いっしょにね!!』は日々活動しています。


岸和田市内の小学校で、出前紙芝居が行われている様子

紙芝居 合計6枚のうち6枚目

一時は外出するのを躊躇(ちゅうちょ)していたメンバーも、今では「みんなに会うのが楽しみ」と話します。
まずは一歩踏み出し、自らの意思で視野を広げる努力をすることが大切なのです。ひとりひとりが、愛情をかけ、互いのことを思いやり、つながることで解決できる様々な問題があるのではないでしょうか。

おさそい

『いっしょにね!!』の仲間になって、一緒に楽しみませんか?
 ・会費 1家族年間  1,000円 
 ・問い合わせ 岸和田市立公民館 072-423-9615

※活動内容、活動場所、活動日時は以下になります。
 ・クッキング
    場所:久米田青少年会館 毎月第4土曜 10時~12時
 ・遊びの会
    場所:サン・アビリティーズ 毎月第2土曜 10時~12時
 ・大人の学習会・講演会・映画会など
    場所:サン・アビリティーズ 毎月1回程度 10時~11時半
 ・出前紙芝居
    小学校や公民館など、要望があればどこへでも出前します

 

まずは知ってもらうこと

『いっしょにね!!』による学校での出前学習のレパートリーは、代表作である″わたしのいもうと〞の手書き紙芝居のほか、身の回りにある障がいを持った人のためのサインを児童に問いかけるクイズや、自作のパネルシアターによる劇など、趣向を凝らしたものです。それは自分たちの実体験に基づいています。
「この子のために自分は何をしてあげたらいいのだろう?と考えたとき、やっぱり子どもが生活していきやすい環境を作ることかなぁと思いました。そのためには自分自身が地域で障がいについて知らせていくことが大切だと考えました」
「実際に関わりを持った子どもたちは、自分たちが工夫をしてあげたり、待ってあげたり、助けてあげたら、障がいがあっても一緒に勉強運動、遊ぶことができるんだと分かってくれました」
そうしていくうち、グループの中だけではなく、外へ行って、もっと多くの子どもたちに障がいを持つ子どもたちのことも分かってもらいたいという思いが強くなり、出前学習を始めることになりました。
「人前で話したり、演技をしたり、慣れないことはあるけれど、子どもたちの反応を見ているとすごく楽しいし、やりがいがあります」
「障がいを知ることで、【怖い】とか【何やろう】という偏見や誤解が無くなり、理解してもらえたことで、親が思いもしなかった嬉しいことが起こっています。例えば、たくさんの同級生が家に遊びに来てくれるようになったり、リコーダー笛を教えてくれ笛を吹けるようになったり、一緒に外で遊ぶようになったり」
『いっしょにね!!』には障がいを持っていない子どもや親も一緒に活動しています。その子どもたちは障がいを持った同級生をサポートしたり、また学校生活の様子を伝えてくれたりする中で、思いやりの気持ちを育んでいます。

つながることで変わること

『いっしょにね!!』の活動から、つながることの大切さやもたらすものが見えました。同じ悩み・不安を持つ人やそれをサポートする人が出会い、お互いを支え合い、励まし合い、助け合っていることが活動の核になっていると言ます。
活動に参加する子どもたちは、様々な個性に触れ、障がいの有無に関係なく、ありのままを受け入れ、相手の立場に立って物事を考えたり、想像したり、相手の気持ちをくみ取ったする人権意識を自然と身につけています。親も子どもたちの反応に喜びや楽しみ、やりがいを感じています。それは人と関わることで生まれるものです。そして、たくさんの人と接することで親の自分育ちにもつながっています。子どもたちがつながる環境になるためには、親自身がつながることが必要だということを『いっしょにね!!』の皆さんが教えてくれました。
『いっしょにね!!』のメンバーと同じ悩みや不安を持っていても、様々な理由で一歩足を踏み出すことに躊躇(ちゅうちょ)している親もたくさんいると思います。また子育ての不安、子どもの虐待、孤立して孤独死する高齢者など、想像もしなかった問題が身近で起こっています。
私たちの生活は便利になり、周りの人と接しなくても完結できるようになってきています。それは人と接する煩わしさをできる限り取り除いてきた結果のように感じます。便利な生活と引き換えに失われていく大切なことが、『いっしょにね!!』の活動には詰まっていました。