いきいき学びのプラン(40号) 2面,3面

印刷用ページを表示する 2010年9月1日掲載

ひと つなぎの輪

 皆さん、こども会のキャンプやクリスマス会で子どもたちを相手にキャンプファイヤーやカレーづくり、レクリエーションゲームなどをしているお兄さん、お姉さんを見たことがありますか?
 岸和田市には岸和田市新緑会(しんりょくかい)という中学・高校生の団体があります。
 今回は、その新緑会の現役生および卒業生に集まっていただき、新緑会活動や野外活動キャンプなど、当時の思いや経験がどのように活かされているのかをお聞きしました。

江 豊治 (こう とよはる)さん            

江 豊治(こう とよはる) さん                   
   昭和48年度卒業。
   岸和田駅前商店街でスポーツ店経営 

川岸 代 (かわぎし やすよ)さん

川岸 靖代(かわぎし やすよ)さん
   昭和61年度卒業。華道 生真流副家元。 岸和田市教育委員
   

 森 俊文(もり としふみ)さん 

森 俊文(もり としふみ)さん 
   平成8年度卒業。 青少年カウンセラー協議会会長(平成20・21年度) 

   原 智美(はら ともみ) さん                             

 原 智美(はら ともみ)さん
    新緑会 現役生。高校3年生。 新緑会会長 (平成21年度)
                     

世代や学校を超えたつながり

  立場、年齢、世代は全く違いますが、共通するのは岸和田市新緑会の経験者。その新緑会活動を始める最初のきっかけが岸和田市教育委員会が主催するジュニアリーダー養成研修会です。
 「こども会役員のおっちゃん、おばちゃんに『行ってこい!!』って言われて。最初はなんで行かなあかんのか分からず嫌々でした」
 「でも、すぐにとても楽しくなってきました。学校ではなれないぐらい仲良くなりましたね」
 ジュニアリーダー養成研修会の中学1年生(現在は小学6年生)から新緑会を卒業する高校3年生まで続けると、5歳上の先輩から5歳下の後輩まで10年間の世代のつながりを経験することができます。
 「10年間の上下の世代が仲間というのは珍しい。その当時の仲間とはもちろん、今回のように世代が違う人とも新緑会の話だけですぐに仲間になれます」
 それは単純な顔見知りではなく、野外活動キャンプなどで寝食をともにする共同体験から生まれる結びつきの強い人間関係、深い絆ができる場を共有しているからです。このように家庭や学校でできない体験が、何十年と受け継がれています。

身につけたことを「 みんな」のために

 中学、高校生といえば、クラブ活動・アルバイト・恋愛など興味が多い時期なのに、どうして新緑会活動を続けてこられたのでしょうか?
 「両立はできませんでした。新緑会かクラブ活動をするかの選択で、新緑会を選びました。先輩がカッコよかったし、教えてもらったことを自分も誰かに教えたかったからです」
 人前で大きな声で話したり、ゲームやキャンプファイヤーで盛り上げたり、火を操ってご飯を作ったりできる、怖くても優しい、そんな年上の先輩に憧れ、次第に自分もそういう人になりたいと思うようになったそうです。
 「クラブ活動やアルバイトができないことを何とも思いませんでした。自分が上の人にやってもらったことを下の子にやってあげたい、伝えたいという思いで続けてきました」
 人の良い所を吸収する姿勢を持ち、下の世代やこども会の子どもたちへ教えることができる人が育つ環境が新緑会に存在します。

価値観・人生が変わる

 新緑会に参加して何が変わったのでしょうか?
 「私とは考えや行動が違う子がいっぱいいて、この子たちと仲良くなったら、自分の人生が変わるかもと思いました。明るくなったし、人前に出て行くのが得意になりました」
 「新緑会活動に参加して悪くなることは無いような気がします。人としゃべる、みんなで役割を担う、自分たちの力で完成させる、境がない上下関係などがあるからです」
 新緑会はコミュニケーションの場、役割と責任、自主性の尊重、濃い人間関係を土台に、野外活動キャンプを作り上げていくことで、新たな価値観に気づき、大きく成長する自己形成の場となっています。

 場×仲間×機会

 新緑会活動のように、考え方の違う人たちと広く交流し、狭い範囲にとどまらず、学び合う体験が大切であり、特に青少年期の成長にとって大きな糧になるようです。
 今回の取材を通して感じたことは、世代や学校を超えた仲間たちと「みんな」のために力を発揮することは、様々な価値観に気づき、成長を促し、豊かな人生を送ることにつながるということです。それこそが生涯学習活動の実践に他なりません。
 新緑会活動に限らず、身近には様々な世代による地域活動やボランティア活動など多くの場があります。あらゆる年代の人が、そのような『場』で、助け合える『仲間』とともに、力を発揮できる『機会』を持つことが個性豊かな岸和田の発展につながると考えさせられる機会となりました。

 

 岸和田市新緑会とは

 新緑会は昭和46年(4と6で"しんりょく")に始まった団体で、岸和田市の中学1年生から高校3年生までの青少年で構成されています。
 地域のこども会の大人たちとともに、身近な子どもたちのお兄さん・お姉さんとしてレクリエーションゲームや野外活動のリーダーなどを担っています。
 自分たちでも色々な行事を行っており、企画内容を考えるところから、行事の準備のための会議、当日の運営進行をしたりするなど、大人の育成者がこども会を運営しているのと同じように新緑会の高校生が中心となって自主的に運営しています。
 また市教育委員会の事業にも積極的に協力し、市教育委員会と一体となって後輩となる子どもたちの育成に関わっています。

こんなことをしています!!

総会・新入生歓迎会(4月)、こども会への派遣活動(通年)、夏キャンプ(8月)、教育キャンプへの派遣活動(7・8月)、クリスマス会(11月)、卒業会(3月)、市教育委員会主催の野外活動キャンプ(適宜)

闇夜に浮かぶキャンプファイヤー

 

 岸和田市青少年カウンセラー協議会とは

 青少年カウンセラー協議会は、大阪府主催の青少年カウンセラー認定講習会の受講者により昭和38年に組織され発足した会です。
 野外活動キャンプカウンセラーを中心としながら、自主的なボランティア活動を実践するとともに会員相互の研修を行い、教養並びにカウンセラー技術の向上を図っています。
 新緑会とともに市教育委員会主催の事業や市民フェスティバルへの参加、新緑会との合同運動会などを行っています。
 現在は、新緑会の卒業生を中心に運営されています。

 

ジュニアリーダー養成研修会とは

 昭和40年に地域の推薦を受けた中学生を対象に市教育委員会が開催したのが始まりです。
 リーダーとしての見聞を広め、野外活動やレクリエーションの方法を習得することを目的に行っています。
 現在は小学6年生を対象に年3回開催し、新緑会が中心となって飯ごう炊さんやキャンプファイヤー、ゲームなどのプログラム企画を行い、運営に貢献しています。
 当時の修了生が新緑会を結成し、現在も毎年たくさんの修了生が新緑会に入会しています。

食事づくりの基本 まきに火をつける     息を合わせてこぐカッター 

青少年期からスタートする、まちづくりの関係図

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