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2 紀州街道の町並み
岸和田だんじり祭は、岸和田城を仰ぐ城下町の賑わいによって育まれてきました。
古い町並みの再現や、現存する岸和田最古のだんじり・近代のだんじりから、今日に受け継がれている、だんじりの原点に接することができます。
岸和田最古のだんじり(旧五軒屋町地車)
このだんじりは、かつて五軒屋町で曳行されていたもので、現存する岸和田型最古のだんじりとして知られています。
制作は彫物や、だんじりの形態から、文化・文政年間(1804~1829)につくられたと推定されています。
構造的な特徴としては、木製の車軸や、大屋根が上下に動く「からくり」などがあげられますが、いづれも近代のだんじりには無い、江戸期のだんじりの特徴がはっきりと示されています。
近代だんじり
このだんじりは明治34年(1901年)の製作で百年の長きにわたり曳行され平成13年(2001年)沼町より寄贈されたものです。大工棟梁は藤原朝臣の末裔、櫻井新六。
彫物師匠は明治の甚五郎こと櫻井義國です。
近代のだんじりの代表格にふさわしい名だんじりです。
ミニだんじり
だんじり大工として、数々の名作を世に送り出した吉野為雄が手がけた、だんじりのミニチュアモデルです。
実物同様、材料にはけやき材を使用し、実物の1/5のスケールで制作されています。
旧五軒屋町地車の腰廻り
土呂幕(ドロマク)・正面 長坂橋の張飛翼徳
土呂幕・右 劉備玄徳、壇溪を渡る
土呂幕・左 関羽雲長
旧五軒屋町地車の見送り
見送り・正面 素盞鳴尊八岐大蛇退治
見送り・右 ハンカイの門破り
見送り・左 不明