禁煙支援グッズについて

印刷用ページを表示する 2009年3月3日掲載
タバコ・・・
 やめないといけないと思いながら吸ってしまう、やめるきっかけがほしい・・・
 家族に喫煙者がいるが、やめてほしい・・・
 そんなあなたに、平成20年5月28日(水曜日)保健センターで開催された定例健康教室「テーマ:禁煙支援グッズについて」(講師:岸和田市薬剤師会和田史子先生)についてご紹介します。

禁煙は世界的な取り組み
5月31日は「世界禁煙デー」、2008年の禁煙週間は5月31日~6月6日

WHOたばこ規制枠組条約(FCTC) 2003年5月

日本でもこの規定通り、実行されている。

  1. タバコ価格・税の引き上げ
     昨年7月に値上げされ、今の価格は300円程度
     タバコ税負担は消費税を含め1箱約189円で欧米の1/2~1/5程度
  2. 受動喫煙の防止
     喫煙場所の制限・公共の場所・病院、学校などの施設内は全て禁煙
  3. タバコの警告表示の強化
     1990年頃⇒「あなたの健康を損なうおそれがあります」、「健康のために吸い過ぎに注意しましょう」
     現在⇒「喫煙はあなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます」、「未成年の喫煙は健康に対する悪影響やタバコへの依存をより強めます」、「周囲の人から勧められても決して吸ってはいけません」
  4. タバコ広告の包括的禁止一昔前はテレビでもタバコの広告はよくみられたが今は全く見られない
  5. 禁煙治療の普及
  6. タバコの自動販売機の制限
     今年の6月より自動販売機では未成年者の購入を禁止するためタスポというカードがないと買えないようになる。

タバコはなぜよくないの?

タバコは絶対体によくないと知りながら、吸ってしまう。
がんになるリスクが高いことは良く知られているが、それ以外にも肺気腫(慢性閉塞性肺疾患COPD)、気管支喘息、虚血性心疾患、消化性潰瘍、歯周病、不妊、皮膚等の老化、手術後の合併症増加など、さまざまなリスクがある。

タバコは、タバコ依存という病気にかかっている

  1. 身体的依存(ニコチン依存)・1日の喫煙本数で現在の喫煙状況がわかる
    ・朝、目覚めてからタバコを吸うまでの時間でニコチン依存度がわかる
    目覚めてタバコを吸うまでの時間ニコチン依存度
    5分以内
    かなり強い
    5~30分以内
    強い
    30分~1時間
    1時間以上
    弱い
  2. 心理的依存
    ・タバコを吸って、物事がうまくいったなど

あなたも禁煙に取り組みませんか? 禁煙支援について

1.禁煙外来とは?

平成18年4月から、一定の基準を満たした施設での禁煙治療が保険適応となった。
(「ニコチン依存症管理料」算定のための以下の4要件全てを満たし、医師が必要と認めた場合、一定期間の禁煙治療に保険が適応される(外来診療のみ))

<禁煙外来の保険適応> (「ニコチン依存症管理料」算定のための4要件)
  1. 直ちに禁煙しようと考えていること
  2. TDS タバコ ディペンデンス(依存症)スクリーナによりニコチン依存症と診断(TDS 5点以上)されていること
  3. ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること
  4. 禁煙治療を受けることを文書により同意していること

*TDSテストとは・・・
 10項目のテストで、(はい いいえ)の形式で、はいが1点 いいえが0点
 内容は、

  • 自分が吸うつもりよりずっと多くタバコを吸ってしまったことがありましたか?
  • 喫煙や本数を減らそうと試みてできなかったことはありましたか?・・・・・など
    10項目がある。

※ 禁煙治療中に、タバコを吸っているか吸っていないかを調べるには・・・
 呼気一酸化炭素濃度測定器を使い、その結果で禁煙できているかできていないかを知ることができる。
 喫煙者の呼気一酸化炭素濃度は1日あたりの喫煙本数に対して用量依存的に増加する。

2.禁煙補助薬

喫煙習慣をニコチン依存ととらえニコチン依存を段階的に改善しながら、禁煙に導く補助的な療法に、ニコチンガムやニコチンパッチなどがある。この方法は、タバコから摂取していたニコチンを減らし、最終的に使用個数をゼロにすることで禁煙達成に導く。

1.ニコチンガム(薬局薬店で売っている。噛み方が十分理解されないと効果が出にくい)

ニコチンガムのかみ方

2.ニコチンパッチ(平成18年6月より保険適用)

  • ニコチンパッチは、ニコチンを含んだ貼り薬で、ニコチンが皮膚の毛細血管から吸収される。
  • 国内で発売されているニコチンパッチには、ニコチネルTTS30(ニコチン含有量52.5mg)、TTS20(同35mg)、TTS10(同17.5mg)の3 種類がある。
  • ニコチンパッチはニコチンガムに比べて、義歯など歯の悪い人や営業マンなどの接客関係の職業の人でも使いやすい。
  • ニコチンガムと異なり、使い方についての説明にあまり時間をかけなくても効果がみられる薬剤であるため、日常診療の場でも処方しやすい。

平成20年7月より、ニコチンパッチ(商品名はニコチネルパッチ、ニコレットパッチ、シガノンCQ14)が市販薬として発売されている。

以下のニコチンパッチの使い方は、医療機関の指導のもとでの仕様である。
ニコチンパッチの使い方

ニコチンガムとニコチンパッチにはそれぞれ利点と欠点があるため、個々の患者の状況に合わせて選択することが必要である。
ニコチンガムとニコチンパッチの比較

3.経口剤

平成20年5月に日本で始めて禁煙治療に経口剤が誕生した。
商品名はチャンピックス(ファイザー製薬)、成分名はバレニクリンという薬剤。

<バレニクリンの作用メカニズム>

  • ニコチンが結合するα4β2受容体にブロックし、喫煙による満足感を減らす⇒タバコを吸っても美味しくない
  • 同時にタバコを吸った時に出るドパミンが少量放出されるため、禁煙の離脱症状やタバコの切望感を和らげる⇒禁煙のイライラが減る

バレニクリンの作用メカニズム

<投与方法>

1週目:
禁煙開始の1週間前より、服用開始
1~3日目チャンピックス0.5mg1日1回
4~7日目チャンピックス0.5mg1日2回
2週目:
8日目に禁煙を開始。以降12週目までチャンピックス1mgを1日2回朝夕食後
(禁煙に成功した場合、禁煙を確実にするため24週まで延長可)
  • 新薬のため処方は14日分となり、2週間毎の受診が必要。
  • 禁煙外来初診日を禁煙開始日にできない。

<副作用> 副作用:嘔気 不眠 悪夢など。

3.日常生活の工夫について ~行動療法~

薬物療法に加え、行動療法に基づいた喫煙欲求に対する対処法をアドバイスしておくことは、禁煙の成功率を高めることに役立つ。

1.行動パターン変更法

喫煙と結びついている今までの生活行動パターンを変え、吸いたい気持ちをコントロールする方法である。

  • 洗顔、歯磨き、朝食など、朝一番の行動順序を変える
  • いつもと違う場所や店で昼食をとる。禁煙の店を選ぶ・食後早めに席を立つコーヒーやお酒を控える・食べ過ぎない
  • 過労でストレスをためないようにする・夜更かしをしない
  • 電話をかける時にタバコを持つ側の手で受話器を持つ など
    禁煙ガイドライン Circ J 69(Suppl IV) : 1024, 2005
    中村 正和、大島 明 : 賢者の禁煙 法研 : 76, 2006

2.環境改善法

喫煙のきっかけとなる環境を改善し、吸いたい気持ちをコントロールする方法である。

  • タバコ、ライター、灰皿などの喫煙具を処分する
  • タバコが吸いたくなる場所を避ける(喫茶店、パチンコ店、居酒屋など)
  • タバコを吸う人の周囲に近づかない
  • 宴席などではタバコを吸わない人の横にすわる
  • タバコが購入できる場所に近づかない
  • 自分が禁煙していることを周囲の人に告げる
  • 「禁煙中」と書いたバッジや張り紙をする
  • 周囲の喫煙者にタバコをすすめないように頼んだり、自分の近くで吸わないようにお願いする など
    禁煙ガイドライン Circ J 69(Suppl IV) : 1024, 2005
    中村 正和、大島 明 : 賢者の禁煙 法研 : 76, 2006

3.代償行動法

喫煙の代わりに他の行動を実行し、吸いたい気持ちをコントロールする方法である。

  • 口寂しいとき⇒シュガーレスガムや干し昆布を噛む、歯をみがく
  • 手持ちぶさたのとき⇒机の引き出しなどの整理をする、プラモデルの制作など細かい作業をする、庭仕事や部屋の掃除をする
  • その他⇒音楽を聴く、吸いたい衝動がおさまるまで秒数を数える
  • イライラ、落ちつかないとき⇒深呼吸をする・水やお茶を飲む、タバコ以外のストレス対処法を見つける
  • 体がだるい、眠い時⇒散歩や体操などの軽い運動をする
    禁煙ガイドライン Circ J 69(Suppl IV) : 1024, 2005
    中村 正和、大島 明 : 賢者の禁煙 法研 : 76, 2006

禁煙は様々な効用が期待できる

  1. 禁煙は短期的にも長期的にも様々な医学的な効用が期待できる。
  2. 禁煙後20分で血圧や脈拍が正常化し、12時間後には血液中の一酸化炭素濃度が正常になる。
  3. 禁煙後2週間~3ヵ月すると心機能、肺機能が改善し、1~9ヵ月後には咳、息切れが改善する。
  4. 禁煙1年後には上昇していた冠動脈疾患のリスクが半減し、5年後には脳卒中のリスクが非喫煙者と同じレベルにまで低下する。
  5. 禁煙後10年経過すると、肺がんによる死亡率が喫煙者の半分となり、口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、子宮頚がん、膵臓がんになるリスクが低下する。
  6. 禁煙後15年経過すると、冠動脈疾患のリスクが非喫煙者と同じレベルになる。

タバコの一酸化炭素やニコチンが皮膚の血流障害を起こしてしみ・しわを増やす。また、ビタミンCを破壊し、老化が10年以上進む。下の写真は22歳の双子が40歳まで喫煙した場合(左)と喫煙しなかった場合(右)にどんな顔貌になるかを特殊メイクで示したものである。白髪頭やうす毛になる人も喫煙者に多くなる。また、外見だけではなく、内面的な美しさをもつためにも禁煙はかかせない。

老化が10年早まります

禁煙継続のためのコツ

  • タバコの害について自分なりのイメージを持つ
  • 気楽な気分で禁煙を続ける
  • 禁煙しようと思った理由や禁煙中の努力を思い浮かべる
  • 禁煙できたことに誇りを持つ
  • 禁煙して良かったことを考える
  • 周りの人に禁煙をすすめる

禁煙継続に大切なこと

  • 禁煙の意志
  • 依存の乗り切り
  • 禁煙支援
  • 行動変容
和田先生からのメッセージ

自分自身の禁煙するという強い意志を持つことを前提に周囲の理解や支援は禁煙を目指す本人に一番強い薬だと思います。
吸わない人は吸ってしまう人を理解しサポートしてあげ、禁煙外来を受診するなど禁煙に導いていただきたいと思います。
どうぞ禁煙を始める人、支援する人にとって健康的な生活を続けていただきたいと思います。

禁煙応援ホームページ

インターネットでも禁煙を応援しているサイトがたくさんあります。その中の一例をあげています。