風物百選 92 段々畑風景

印刷用ページを表示する 2009年3月3日掲載
段々畑の日本語日本画 杉原晋弘

 段々畑は、斜面を切り開いて作られる。大きな岩や石が出てくると、運び出すことができないので、そのまま利用して石垣にし、その間に小さな石を積んであぜが作られている。だから一口に段々畑といっても、面積、形などみな異なっている。
 ところで畑には水が必要である。川から水路を引き、全部の畑の水取り入りロへ水が入るように工夫されている。また、畑を耕す牛・米・麦等を運ぶために、あぜ道が必要である。昔、このような段々畑を作るためには、多大な人力と年月がかけられたものと思われる。最近は、この段々畑で田植えする人影もなく、田植え機がエンジンの音を山々にこだまさせる時代と変わっている。
 戦争中、私たちが血のにじむ思いで米づくりをしたあの段々畑。食べるものほしさに、栄養失調でやせた体で、たい肥を担いで登った細いあぜ道は、変わりゆく段々畑をどんな思いで見ているのだろう。

文 竹本勝巳

資料

 大沢谷を遡ると、谷が狭くなり、所々の、河岸段丘や小扇状地に、耕地がへばりついている。等高線に沿い、できるだけ、水平面を確保するように、石を掘り出し、石積みの高畦がつくられている。水を掛けるにも工夫が施され、その景観は自然の造形美となっている。

交通

 バス停牛滝山から北200メートル


 この「岸和田風物百選」は、岸和田市の市制60周年記念事業の一つとして昭和58年(1983年)に制作されました。

 そのため、内容が古くなっている部分もありますが、交通手段を除いて、原本に忠実に再現しています。これは、実際に現地を訪れた際に、この間の時の移り変わりを感じていただければとの考えからです。