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風物百選 78 奥家の椋

印刷用ページを表示する 2009年3月3日掲載
奥家の椋の油彩油彩 植田藤四郎

 樹齢はわからない。専門家に見てもらえばすぐわかるのかも知れないと思いながら、その機を得ないまま今に至っている。
 幹の空洞は、50年ほど前には子どもたちのかくれんぼのいい隠れ場だったけれど、いつのころからかその入り口の一部がふくらんで、今ではもう小さな子どもしか入れない。紙芝居屋さんが子どもを集め、魚屋が荷を下ろし、行商のおじさんが行厨(こうちゅう)(弁当)をとった。何人の人がこの大緑陰に憩ったことか。
 秋にはおびただしい数の実をつける。台風のあとなど、まだ青いのもまざってたくさん落ちるのを、こけの上に落ちて傷のついていないのを拾っては口に入れる。特有の芳香と、何ともいえない品のいい甘さを持っている。
 毎朝の落ち葉掃きも楽しい。葉が落ちつくしてからも実は無数に残っていて、たくさんの色鳥を呼ぶ。ただ、虫で大枝が枯れたり、だんじりの通る時に邪魔になる由で、青年団が 来て思いきりよく枝を切って行く。毎年のことなので秋祭りが近づくと心が痛む。
 戦死した弟が、父にしかられてこの洞の中に夜半まで隠れていたことなど思い起こし、感無量である。

文 奥静代

資料

 阿間河滝にはいり、橋を渡り、道をのぼっていくと、椋の大木が目につく。この木の中は空洞となっているが、木の勢いは盛んで、しめ縄がかけられ、大事に保護されている。木の高さ5メートル余、周囲3メートル強で、枝が四方に張った姿はみごとである。昭和41年3月、市天然記念物に指定。

交通

 バス停土生滝下車700メートル


 この「岸和田風物百選」は、岸和田市の市制60周年記念事業の一つとして昭和58年(1983年)に制作されました。

 そのため、内容が古くなっている部分もありますが、交通手段を除いて、原本に忠実に再現しています。これは、実際に現地を訪れた際に、この間の時の移り変わりを感じていただければとの考えからです。