風物百選 64 盆おどり
印刷用ページを表示する 2009年3月3日掲載
水彩 坂 由紀子
立秋を過ぎると、風鈴の音も涼しさを増します。街のそこかしこに、盆踊りの櫓(やぐら)の組み立てに精出す人の汗が光ります。
その日がきますと、日暮れとともに、今は懐かしいげたの音もカラコロと……。浴衣がけにうちわを持った親子連れや、子どもたちのちょっとしたさんざめきが、家の前を流れて行くのです。
昔の人々の残した音頭の内容、振り付け、しぐさも大切に伝承され、地域ごとの特色を持たせながら、老若男女の集う盆踊り。けだし郷土岸和田の夏の風物詩の一つでしょう。
ハー桜咲くころ お城の庭で
撮った写真が ご縁となって
今日はちぎりの 名もうれし
そうやし そうやし ほんまやし
ほんまに 岸和田 よいところ
モテモテ ヒッパリ タコジゾウ
夜のとばりが訪れますと、浜風に乗り、池面を越え、山ふところの間をぬって流れる音頭は、夏の夜を快い眠りにいざなう子守歌でもあります。
文 大嶋幸子
資料
お盆の夜はもちろん、所によっては地蔵盆の夜も、各地区の広場で、運動場で、ある所はお寺の境内で、それぞれの伝統の音頭や、趣向でくりひろげられる夏の夜の風物詩である。
この「岸和田風物百選」は、岸和田市の市制60周年記念事業の一つとして昭和58年(1983年)に制作されました。
そのため、内容が古くなっている部分もありますが、交通手段を除いて、原本に忠実に再現しています。これは、実際に現地を訪れた際に、この間の時の移り変わりを感じていただければとの考えからです。
