風物百選 07 だんじり
印刷用ページを表示する 2009年3月3日掲載
油彩 中井 和子
盆がすぎれば、泉州路、特に岸和田では、茅淳(ちぬ)の浜風に乗り、だんぢり囃子が流れ、岸和田っ子の血が騒ぐ。
泉州・岸和田 5万3000岡部の城下
すぎたるものがふたつある
だんぢり祭りに千亀利のお城
よくぞ 生まれた岸和田に!
だんぢりは、岸和田市民の誇りとロマンである。早朝6時の引き出しで花と咲き、血沸き肉躍る豪快勇壮な"やり回し"という男の花道で最高潮に達し、灯入れ曳行に入った途端、見事に、動から静に移行する。
灯入れ曳(えい)行"夜のだんぢり"は
遠き昔の走馬灯
今は亡き 肉親に手を引かれ
引き綱にぎった幼きころ
だんぢりの鈴なりちょうちん 風に揺れ
淡いローソクの光が ボーツとかすむ
だんぢり囃子が子守歌
舟をこぐのも"夜のだんぢり"
我が子も 勾欄にもたれ
だんぢりの揺れに身をまかせ
気持よく寝息をたてている
その姿は 己の姿
"夜のだんぢり"は
もの悲しい憂いをふくみ
遠き昔の郷愁を呼びおこす
文 若松 均
資料
明るい時のだんじりは勇壮活発である。夜の帷が下り、だんじりに灯がつけられると、一転、情緒的なムードが生まれる。昼の動に対して、夜は静のみやびをかもし出す。
交通
南海岸和田駅または蛸地蔵駅下車。
この「岸和田風物百選」は、岸和田市の市制60周年記念事業の一つとして昭和58年(1983年)に制作されました。
そのため、内容が古くなっている部分もありますが、交通手段を除いて、原本に忠実に再現しています。これは、実際に現地を訪れた際に、この間の時の移り変わりを感じていただければとの考えからです。
