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広報きしわだ 平成31年(2019年)1月号8・9面

印刷用ページを表示する 2018年12月28日掲載

伝統の和菓子 むらさめの魅力

問合せ 産業政策課商工振興担当(電話:072-423-9485)

ご存知ですか? 岸和田ブランド

 岸和田には、包近の桃や水なすなどの農産物、しらすなどの水産物、繊維・木材関連の製造業など、全国に誇れる産業がたくさんあります。
 そういった優れた産品の中で「岸和田らしさ」と個性を兼ね備え、厳しい審査をクリアしたものを、市では「岸和田ブランド」として認定し、その魅力を広める取り組みを行っています。現在、21事業者・22品が岸和田ブランドとして認定されています。
 今回は数ある岸和田ブランド認定品の中から、みなさんおなじみの和菓子「むらさめ」にスポットを当て、その歴史をひも解きます。

江戸時代に誕生したむらさめ

◆名前の由来
 一般的に「むらさめ」と呼ばれる和菓子は、泉州地域に古くから伝わる棹物の蒸し菓子で、岸和田でも長年愛されてきました。
 むらさめは広辞苑などの辞典では「時雨羹(しぐれかん)」と掲載されています。時雨羹の「時雨」とは、秋から冬の時期に降ったり止んだりする雨のことです。手に取るとぱらぱらとこぼれる様から、時雨と名付けられたと言われています。泉州地域では時雨を「村雨」と呼ぶことから、のちにむらさめの名前で普及したと言われています。

◆むらさめの始まり
 むらさめが誕生したのは今から約250年前、江戸時代の明和2年(1765年)まで遡ります。
 現在の泉佐野市の豪商・食野(めしの)家番頭、形部(ぎょうぶ)庄兵衛が主命のために奥州(現在の秋田県)を旅し、地域の特産の小豆を持ち帰り、小豆を材料とした蒸し菓子を作って主人の食野次郎左衛門に差し出しました。この蒸し菓子は主人に大変好評で、これがむらさめの起源とされています。
 ある時、岸和田藩主・岡部美濃守が病気で食欲不振ということで、食野家がお見舞いの品としてこの蒸し菓子を献上したところ、藩主は小豆の淡白な風味を大変気に入りました。そして、まだ名前がなかったこの菓子に「時雨」と名付けたと言われています。
 その後、泉州地域の菓子店で広く作られるようになり、現在まで長く親しまれています。

むらさめの材料と製法

 むらさめは小豆と砂糖と米粉を用いて作られます。
 まず、小豆をじっくりと炊き、皮を剥いて裏ごしし水分を絞り出した生あんを作ります。そこに砂糖と米粉を加えて、「通し」と呼ばれる道具でふるいにかけ、そぼろ状にします。最後に蒸籠で蒸し上げて完成です。
 むらさめは材料も作り方もシンプルなため、作り手の技量が問われる菓子なのです。

蒸したてのむらさめ 蒸したてのむらさめ

岸和田ブランドが誇る3つのむらさめ

 企業と共同で商品開発や販売促進などに取り組む近畿大学経営学部の学生に、岸和田ブランド認定品のむらさめを食べ比べてもらいました。

むらさめの食べ比べをした学生の2人近畿大学4回生 唐津凌介さん・近畿大学3回生 吉岡実咲さん

殿様にも献上。岸和田の歴史を物語る銘菓
梅花むらさめ

梅花むらさめの写真

 色は濃い小豆色で、小豆本来の味を楽しめます。3つの中でそぼろの粒が一番大きく、口に入れるとほろほろとくずれつつも、もっちりとした弾力。表面に散りばめられた小豆は梅の花びらに見立てていて、名前の由来になっているそうです。(学生の感想)

御菓子司 小山梅花堂(本町)

天保10年(1839年)創業。百八十年の歴史を誇り、岸和田藩主岡部公の御用菓子司を務めた岸和田最古級の老舗。
初代の板谷藤兵衛にちなみ「板藤(いたとう)」の名で親しまれている。

小山梅花堂の外観写真

ちりばめた甘納豆としっとりした舌触りが特徴
玉時雨

玉時雨の写真

 小豆の味と甘みのバランスが絶妙。甘みはしつこくなくて程よく、食感はほろほろともちもちの中間。しっかりと食べごたえがあります。表面には雨をイメージした大納言の甘納豆が散りばめられ、味のアクセントになっています。(学生の感想)

御菓子司 岸和田風月堂(本町)

明治35年(1902年)創業。東京銀座にある「凮月堂」で修行をしていた創業者が、のれん分けで出店したことが店名の由来。創業以来、岸和田本町で代々伝統の技術をのれんに込め、味を守り続けている。

風月堂の外観写真

伝統に基づいた新しい工夫
だんぢり

だんぢりの画像

 しっとりした見た目で、食感はもちもち。そぼろの粒は3つの中で一番細かく、なめらかです。あっさりした優しい味なので、あんこが得意じゃない人も食べられるかも。だんじりの絵が描かれたパッケージが目を引きます。(学生の感想)

だんぢり屋製菓株式会社(五軒屋町ほか)

昭和21年(1946年)創業。屋号は岸和田だんじり祭に由来する。創業以来、地元岸和田の郷土を生かし、昔ながらの製法を守りつつも工夫を凝らすなど、誇りを持って菓子づくり一筋に励んでいる。

だんぢり屋製菓本店の外観写真

職人×学生インタビュー
むらさめへの思い

小山梅花堂 小山啓一さん 小山梅花堂 小山啓一さん

岸和田風月堂 竹内健治さん 岸和田風月堂 竹内健治さん

だんぢり屋製菓 土井康司さん だんぢり屋製菓 土井康司さん

和菓子づくりの道に進んだきっかけは

小山:天保時代から代々やっている店で、小さい頃から「次は自分が継ぐもの」と思っていたので、自然にこの道に入りました。私で7代目。店ののれんを守るため、無我夢中で40年間やってきました。

竹内:先代の父が病気になったのがきっかけです。7年前、24歳のときでした。元々継ぐ気でいましたが、改めてこの味をなくしてはいけないと強く思いました。それから必死に仕事を覚えました。

むらさめへのこだわりを教えてください

土井:100%手作りにこだわっています。むらさめは小豆・砂糖・米粉というシンプルな材料だけで出来ているだけに、ごまかしがきかない。だから、国産の厳選した材料を使っています。

小山:むらさめは岸和田藩主に献上していた由緒ある菓子なので、特に思い入れがあります。材料は国産品を使用、添加物は一切使用しないなど、こだわりを持って作っています。

竹内:むらさめは代々大切にしてきた商品なので「むらさめ嫌い」と言われると悔しいんです(笑)。「やっぱりむらさめって美味しい!」と思ってもらえるように、お客様の顔を思い浮かべながら作っています。

材料の小豆の写真 厳選した国産の小豆

苦労しているところは

土井:気温や湿度などの違いで仕上がりにばらつきが出るから苦労しますね。材料の配合や火力などを日々変えて、どんな条件でも均一に仕上がるようにしています。自分の感覚と経験が頼りです。

材料をふるいにかけている様子 ほとんどの工程が手作業

今後の抱負や思いを聞かせてください

小山:世の中には美味しいスイーツがたくさんありますから、和菓子が生き残っていくのは大変です。店を絶やさないために、むらさめに主軸を置きつつ、茶道の上生菓子や新しい洋菓子づくりにも力を入れ、伝統を重んじながら日々精進していきたいと思っています。

竹内:若さを生かしてチャレンジしていきたいです。若い世代にも気軽に来てもらえる明るい店づくり、季節に応じた生菓子づくり、SNSでの情報発信の充実など、これからも工夫や改良を重ねて、先代よりも美味しいものを作れるように努力していきます。

土井:これからも「美味しいものを作る」という思いを込めて菓子づくりをしていきたいです。そういう気持ちはきっとお客様に伝わると思いますから。そして、むらさめに並ぶ看板商品の開発にも挑戦したいと思っています。

岸和田ブランドに期待することは

小山:岸和田ブランド認定品ということでむらさめを購入されるお客様もいます。厳しい審査を経て岸和田ブランドに認定された商品なので、これからも自信を持ってお客様におすすめしていきます。ブランドの認知度が上がることを願っています。

竹内:岸和田の名前や岸和田ブランドがもっと有名になって、たくさんの人にむらさめのことも知ってほしいです。

土井:岸和田ブランドに認定されているのは一つの宣伝になっています。逆に、うちの菓子を通じて岸和田ブランドを知ってもらったりと、ブランドとむらさめが相乗効果を発揮して互いの認知度が上がると良いですね。

次世代に伝えたい岸和田のええもん

 今回取材を行った学生の2人は、「むらさめを初めて食べました。取材の中で、職人のみなさんが、むらさめに対する熱意やこだわりを持っていることや、良いものを作るんだという信念のもとに、朝早くから夜遅くまで一生懸命働いていらっしゃることを知りました。そうした背景を想像しながら食べると、より一層むらさめが美味しく感じられました。
職人のみなさんのこうした努力や熱い思いの結果が、岸和田ブランドという形となって現れているのではないでしょうか。岸和田ブランドは岸和田のみなさんが誇れる宝だと思います」と話しました。
 むらさめに込められた作り手の思いとともに、その歴史や文化、味などを私たちが次の世代に伝えていけたらいいですね。
 今回紹介したむらさめの他にも、岸和田には様々なエピソードを持つ岸和田ブランド認定品があります。
 岸和田のいいところがいっぱい詰まった品々は、市ホームページやパンフレット、下記QRコードからご覧いただけます。
 みなさんも岸和田ブランドの逸品を手に取り、おでかけの際の手土産にしたり、商品の背景にあるストーリーを周りの人に語ってみてはいかがでしょうか。

岸和田の自慢がココにある!

岸和田ブランドのロゴマーク

 岸和田ブランド特設サイトでは、「岸和田らしさ」や「技術力」「品質」など厳しい基準をクリアした、岸和田ブランドの逸品を紹介しています。

岸和田ブランドのQRコード 岸和田ブランド特設サイトQRコード

まだまだある岸和田の宝
岸和田ブランド認定品工場見学バスツアー

 岸和田ブランド認定品の製造現場を見学するバスツアーに参加しませんか。集合・解散は市役所です。
対象 市内在住・在勤者(小学生以下は保護者同伴で)
日時 1月26日(土曜日)午後0時半~5時
見学場所 林キルティング、井坂酒造場、株式会社田中家具製作所、株式会社大下工務店
定員 20人(抽選)
費用 無料
申込・問合せ 1月15日(火曜日)(必着)までにはがき(1枚につき4人まで。参加者全員の〒住所・氏名・フリガナ・生年月日・電話番号を記入)で産業政策課商工振興担当(〒596-8510 電話:072-423-9485)へ

大下工務店での見学の様子 以前のバスツアーの様子