広報きしわだ 平成22年(2010年)5月1日号2-3面
地震に備えて 耐震バンクに登録を
市では、耐震診断・耐震改修工事を考えている人が事前に登録できる制度を2月1日から始めました。登録すると、耐震化促進に関するお知らせを、ダイレクトメールなどにより優先的に受けられます。
いつどこで発生するのか予測が困難な地震に備え、建築物の耐震化を進めましょう。
問合せ 建設指導課建築防災担当(電話:072-423-9569)
なぜ、住宅の耐震化が必要?
阪神・淡路大震災では約25万棟の家屋が全半壊し、死亡者の約8割は、住宅の倒壊などによる圧死が原因でした。
被害は特に旧耐震基準と呼ばれている昭和56年5月以前の建築物に集中していました【下図参照】。
阪神・淡路大震災における木造住宅(在来工法)の倒壊率

※ 倒壊した木造住宅の多くは昭和56年以前に建築されたものでした。
※ 昭和56年、建築基準法の大改正で耐震基準が強化されました(新耐震基準)。
大阪府内でも上町断層帯や生駒断層帯など、多数の断層帯が確認されており、東南海・南海地震などを含めて甚大な被害をもたらす大地震の危険性が指摘されています。
今後30年以内に50%~70%の確率で東南海・南海地震が発生すると言われており、その規模はマグニチュード8.5前後で、広範囲で震度5強を超えると予測されています。
また、上町断層帯地震は被害が最も大きい(広範囲で震度6強以上)と言われており、大地震への対策が非常に重要になってきています。
本市の住宅の耐震化の現状は、市内にある住宅総戸数約72,900戸のうち、耐震性を満たしているのは約52,300戸で、耐震化率は72%です。つまり、耐震性が不十分なものは住宅全体の3割を占め、そのうち7割強が一戸建の住宅です。中でもその大多数を占める木造住宅などは特に耐震化が必要となっています。
市の耐震改修促進計画では、耐震化率を90%以上に引き上げる事を目標としており、耐震診断・耐震改修工事の助成も始めていますが、現実的にはなかなか耐震化は進んでいません。
そこで新たに、耐震診断・耐震改修工事を希望または検討している人を対象に、事前登録制度を始めました。
昭和56年5月31日以前の木造住宅や非木造住宅、特定建築物の所有者が、耐震バンクに登録いただくと、無料耐震診断・耐震診断補助・耐震改修補助の内容について、ダイレクトメールなどで案内します。また、耐震診断や耐震改修についてわかりやすく説明したパンフレットなどもお送りします。
登録方法 直接または、はがき、電話、ファクス、電子メール(〒住所、氏名、電話番号、所在地番、建築年月などを記入)で、建設指導課「耐震バンク」担当(〒596-8510 電話:072-423-9569 ファクス:072-423-7252 電子メール:kensi@city.kishiwada.osaka.jp)へ
※ 申込用紙はホームページからダウンロードできます。
まずは耐震診断から
耐震診断とは?
耐震診断は、言わば、建物の「健康診断」です。建物の屋根や外壁の仕上げ、柱・梁・筋かいなどの接合部、壁の位置や量、床や土台、基礎の状況などの構造的強度を調査し、大規模な地震に対する建物の安全性を数値で評価し、耐震改修が必要かどうかを総合的に判定します。「建物の安全」を確かめるため、無料耐震診断、耐震診断補助制度をご活用ください。
●無料耐震診断
対象 建築基準法に基づく確認済証の交付を昭和56年5月31日以前に受け、かつ検査済証の交付を受けた市内の一戸建の木造住宅で、所有者またはその親子、夫婦、兄弟姉妹が居住する建物
●耐震診断補助制度
対象 建築基準法に基づく確認済証の交付を昭和56年5月31日以前に受けた市内の住宅(空き家を除く)
補助金額 木造住宅は診断にかかる費用の9割(上限額4万5千円)、非木造住宅は診断にかかる費用の5割(上限額2万5千円)
耐震診断の流れ

耐震診断の結果は
耐震診断報告書の中に上部構造評点というものがあり、これは、建築物の耐震強度を示す指標で、建物の地震に対する強さを表します。
上部構造評点の判定は4段階に分かれ、診断結果が1.0未満となった場合は、耐震改修が必要ということになります。
上部構造評点の判定
評点0.7未満…倒壊の可能性が高い
評点0.7以上1.0未満…倒壊の可能性がある
評点1.0以上1.5未満…一応倒壊しない
評点1.5以上…倒壊しない
次に耐震改修工事へ
耐震改修とは?
耐震改修は、言わば、建物の「治療・手術」です。
耐震診断の結果、住宅の耐震性が不十分な場合、耐震性を高めるために耐震補強工事を行う必要があります。
木造住宅の耐震改修工事を行う場合は、耐震改修補助制度をぜひご活用ください。
補助対象となる耐震改修工事は、原則として耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満の場合で、耐震改修工事後に、上部構造評点が1.0以上となる改修設計です。
●耐震改修補助制度
対象 昭和56年5月31日以前に建築された市内の木造住宅(空き家を除く)
補助金額 耐震改修計画の作成費用及び耐震改修工事費用の15.2%または23%(世帯の月額所得による。60万円を限度)
費用の目安(木造2階建て100平方メートル程度の場合)
▼耐震改修設計費 15~25万円程度
▼工事監理費 15~25万円程度
▼耐震改修工事費 100~250万円程度(リフォームの工事費を除く)
※ 改修内容により費用が異なります。
※ 所得税額の控除や固定資産税の減額を受けることができます。
耐震改修工事の流れ
(1)業者などから設計や工事の概算見積もりをもらう
(2)建設指導課に補助金の交付を申請する
(3)業者と設計内容を打ち合わせる
(4)設計内容について市のチェックを受ける
(5)工事に着手する
(6)工事の途中で市の中間検査を受ける
(7)市の工事完了検査を受ける
(8)業者にお金を支払い領収書をもらう
(9)建設指導課に補助金の請求をする
(10)補助金を受け取る
住宅の耐震性確保のポイントと補強方法
接合部の補強

木造住宅は、壁・柱・梁が一体となって地震に耐えるようになっています。できる限り金物などでしっかりとつなぎ合わせて固定するようにします。
屋根の軽量化

屋根を軽い材料に変えることで、耐震性を向上させることも可能です。屋根が重いと大きな地震力(地震による建物への力)がかかります。屋根の軽量化により、地震力を低減します。
基礎の補強
無筋コンクリートでは耐震性に乏しく、崩壊しやすくなります。新たに鉄筋コンクリート造の基礎を抱き合わせ、ひびの入った部分は、樹脂などを注入して補強します。
壁の補強

耐力壁の量を増やすと建物は丈夫になります。耐力壁とは単にボードを張っただけの間仕切り用の壁と区別され、構造用合板などを張り、地震力に抵抗できる壁で、筋かいの入った壁も含みます。
耐震改修工事で安心

津田良美さん(下池田町2丁目)
●耐震診断を利用したきっかけは 他市で耐震診断をしているのを以前から知っていたので、岸和田市でもそんな制度が早くできないかなと思っていました。
無料で耐震診断できるということだったので、とりあえず診断してもらおうと申し込みました。
●耐震改修工事をして
耐震診断の結果、改修工事が必要となり、接合部の補強、壁の補強などをしました。工事期間は40日程度でした。
市の職員も2回ほど検査に来てくれましたし、補助金があったり、所得税額の控除や固定資産税額の減額もあったので、大変助かりました。
住まいの耐震化はいつかしないといけないだろうなとは思っていましたが、改修工事をして、その悩みがなくなり、安心できるようになりました。
