ページの先頭です。 本文へ
現在地 トップページ > 自治基本条例 > 自治基本条例逐条解説 前文

本文

自治基本条例逐条解説 前文

記事ID:[[open_page_id]] 更新日:2018年6月22日掲載

前文

 私たちは、茅渟(ちぬ)の海から和泉葛城の山に至る美しく豊かな自然に対して深い愛着を抱いています。青い海と空をこよなく愛し、水の恵みと大地の実りへの感謝の気持ちを忘れず、その源となる山々への畏(い)敬の念を胸に強く刻み込んできました。
 私たちのまちは、この恵まれた地勢をいかした農業や林業、水産業を中心としながら、一方で、地場産業を育み、工業化を進め、都市として発展してきました。
 また、城下町としての歴史と伝統が息づき、だんじり祭りをはじめとした伝統行事や民俗文化が継承されてきています。
 私たちは、いにしえより先人たちが守り続けてきたこれらの自然と、起こし育ててきた産業や伝統、培われてきた文化を受け継ぎ、次世代へ引き継いでいかなければなりません。
 これらを礎としながら、平和を願い、次代を担う子どもたちを育み、それぞれの責任と役割を自覚し、助け合いながら、一人ひとりの命の尊さや人間の尊厳を認識し、すべての人権を尊重する豊かなまちづくりに取り組んでいきます。
 私たちは、市民が自治の主体、市政の主権者であることを認識し、自らの地域は自らの手で築いていこうとする意思を明確にし、自ら考え、行動することで、常に安心していつまでも住み続けることができる、個性豊かな持続性のある地域社会、すなわち「市民自治都市」の実現を目指します。
 今、ここに「市民自治都市」を実現していくための基本原理として岸和田市自治基本条例を制定します。

解説 

 茅渟というのは、大阪府の泉南・泉北両郡にわたる古地名であったり、和泉の国の沿岸の古称です。岸和田市は、その目の前に広がる大阪湾に臨むとともに、背後にはブナ林を有する和泉葛城山を擁しています。私たちは、この豊かな自然、青い海や空に対して、深い愛着を抱いています。
 また、穏やかな気候のもとで、雨は少ない土地柄ですが、古くからため池を整備し、水を恵みとして利用し、肥沃な大地からは様々な実りがあります。
 これらに対しては、感謝の気持ちを忘れず、その源である山々を畏れ、敬いながら、この地で暮らしてきました。
 この恵まれた地勢をいかして農業や林業、水産業が発展し、一方で、地域の特色をいかした地場産業を育み、その他の工業化を進め、都市として発展してきました。
 また、岸和田市は、城下町としての歴史と伝統が息づき、だんじり祭りをはじめとして、さらに多くの歴史・文化遺産、伝統行事や民俗文化など誇るべき地域資源を有しています。これは人々の心に残る大切なものとして継承されてきました。
 ここまでは岸和田市のこれまでの歩みです。

 これからどうしていくのか、それをどのように次世代へ引き継いでいくのかということについては、その次の段に記述しています。
 つまり、前述の守り続けてきた自然、産業、自治の伝統、文化を次の世代に引き継いでいかなければならない、というものであり、これらを礎としながら、次世代を担う子どもたちが健やかに成長できるよう育んでいきます。この「育む」には、狭義の教育だけでなく、それを取り巻く環境や福祉等の問題も含めた広い意味あいを持たせています。
 全ての根源である平和を願い、市民と事業者と市(行政・議会)が、それぞれの責任と役割を自覚し、お互いに助け合いながら、一人ひとりの命の尊さや人間の尊厳を認識し、すべての人権を尊重する豊かなまちづくりに取り組んでいくことを規定します。

 後段では、市民も事業者も行政も議会も、あくまでも市民が自治の主体であって、市政の主権者であることを認識します。
 その上で、市民も事業者も行政も議会も、自分たちの地域は自分たちの手で築いていくんだという意思を明確にして、行動していくことで、常に安心して暮らすことができて、いつまでも住み続けることのできる、個性豊かな持続ある地域社会、これを岸和田市では、「市民自治都市」といいますが、この「市民自治都市」の実現を目指そうというものです。

 「持続ある地域社会」というのは、ただ単に地域社会が続いていくという意味ではありません。
今がよければそれでいいという考えではなくて、今を良くするがために将来に環境や財政的な負担、悪影響を先送りしないという意思をもって、将来を見据えてまちづくりを行っていくというものです。

 この「市民自治都市」を実現していく、そのための基本原理として自治基本条例を制定しますというものです。
これが、自治基本条例を貫く理念となります。

 ここで、「私たち」という主語は、市民(事業者を含む)と行政と議会の三者を表します。
 ここでは、福祉、教育等といった個々の要件も規定したいという意見がありましたが、それらをすべて網羅することは少し無理がありますので、そのものズバリの表現ではありませんが、包括的に規定することにしました。


Danjiri city kishiwada